自己点検・評価報告書(乾信之)

報告者  乾 信之

 

1.学長の定める重点目標

 

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 授業内容: 理論的な内容と教育実践的な内容を半分ずつにする。
  2. 授業方法:理論的な内容には必ず具体例を挙げて説明する。具体例は受講生の行っているスポーツ部活動に関連して説明する。
  3. 成績評価:講義は試験,演習は文献の抄録と発表,実技は出席とパフォーマンスによって評価する。

(2)点検・評価

  上記の目標・計画通りに実施した。例年入試時期には講義間隔がしばしば2週間開くことになるが,海外先進研究によって,後期の講義は集中講義になり,例年よりも効率よく講義することができた。運動学のテスト結果はIが200点満点中52-188点であり, (2)が53-131点であった。さらに,実技の授業では最終日に授業で行った記録の集計を発表させ,練習効果の評価方法を指導した。

 

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

鳴門市内の小学校,中学校,高校に対して教育支援を行う。

(2)点検・評価

鳴門高校の陸上競技部の指導を行った。

 

2.分野別

 

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 学生のレポートの添削を充実させる。
  2. レポートする本と抄録を作る文献の選択には,学生の興味とレディネスを考慮する。
  3. 学生を主体的に授業に参加できるように,“発問”を増やす。
  4. 「初等中等教育実践基礎演習」等いくらかの授業では受講生に文献の抄録とその発表を課し,文章と発表の表現を指導する。

(2)点検・評価

  上記の目標・計画通りに実施した。

  運動学では講談社α新書「子どもの脳の発達:臨界期・敏感期」とNHKブックス「脳内現象」のどちらかを選択させて,レポートを課し,その添削を行った。例年,レポート内容の偏差が大きいが,今年は個人差が少なく,特に優れたものもみられなかった。

    また,初等中等教育実践基礎演習では岩波書店「脳の学習力」の抄録とその発表を課し,受講生主体の授業を展開した。受講生の中には発問に対する優れた応答を示す者もいた。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 少なくとも2篇の論文または総説(発話と手の運動の相互作用,タイミングと力の制御の独立性と相互作用,障害児のタイミング制御)を雑誌または著書として出版する。
  2. 少なくとも2つの学会発表を行う。

(2)点検・評価

Simple reaction times and timing of unimanual and bimanual serial actions in adolescents with mental retardation, autism, and Down syndrome. In: E. B. Heinz (Ed.) Mental retardation research advances, Nova, New York, pp. 1-33, 2007. Interaction of speech and manual movement in a syncopated task. Pecept. Mot.Skills, 105, 447-457, 2007.

  手指運動のタイミングと力の制御における独立性と相互作用,体力科学,56,385-400, 2007.

  以上1冊の共著と2篇の単著を出版した。

  さらに,海外先進研究によってPrince of Wales医学研究所で,上肢のボディー・シェーマとポジショニングの実験を行った。この出張が国内の学会時期と重なったために,本年度は連名の学会発表を1件行わなかった。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

センター運営委員会と衛生委員会の委員として,本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

上記の委員会に加えて,大学院入試委員の総括班副班長になり,入試業務に携わった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 付属特別支援学校で力の制御と学習の実験を行う。
  2. 社会との連携として,学術雑誌の査読を行う。
  3. 国際交流として,海外の研究者と論文の交換を行う。

(2)点検・評価

  上記の目標・計画通りに実施した。

  付属特別支援学校の実験では,予想以上に障害児が力を制御できることがわかった。社会との連携では,Neuroscience Letter, Perceptual Motor Skills, 連合大学院の「教育学実践論集」の査読を行った。また,連合大学院の教員資格審査を行った。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  • 授業では採用試験や卒業論文を意識した内容と発言を増やした。
  • 研究論文ではタイミングと力の独立性と相互作用の総説と発話と手の運動の相互作用の原著論文を出版した。著書では,過去,付属学校で行ってきた系列動作のタイミングの制御と学習の研究が米国の出版社から出版された。さらに,本年度は海外先進研究において,新たな研究分野を手がける契機となった。
  • 学内事務では委員会活動を通して日常気づいていることを提言した。
  • 連合大学院の活動では教員資格審査と論文の査読を2件行った。
最終更新日:2010年02月12日

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