自己点検・評価報告書 (自然系(理科)教育講座) 小汐千春
報告者 小汐千春
1.学長の定める重点目標
1-1.教育大学教員としての授業実践
(1)目標・計画
理科の教員に要求される一番の資質は,豊かな科学的素養と科学への深い理解,そして合理的な思考能力である。従ってこのような資質を持った教員を育てるために,(1)正確な科学的知識を理解させ,(2)つねに科学的に考え,批判する能力を養うような授業方法や科学的考察を行えるようにするレポート指導,そして(3)レポート作成も含めた多面的な成績評価,に取り組んでいく予定である。
(2)点検・評価
セミナーや卒業研究、修士の課題研究、修士論文作成に際してコメントやアドバイスを与え、正確な科学的知識を伝えるとともに科学的なものの考え方を指導した。また、前期の生物学実験のレポート指導についても適切に行った。
1-2.大学教員としての社会(地域)貢献
(1)目標・計画
研究者の社会への貢献は,研究から得られた成果を一般向けの講演会や執筆等によって社会に還元することである。従って,そのような機会が社会から要望された場合は,都合がつく限り応じて社会貢献に努めたい。
(2)点検・評価
NHKおよび横浜植物防疫所からマイマイガの発生や行動について問い合わせがり、これらについて適切に応対した。このうち、横浜植物防疫所からの問い合わせに関しては、共同研究を行うこととなった。また、卒業生・修了生からの生物学に関する問い合わせに対しても適切に対処した。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
生物学教室で行っているセミナーを通じて,学生・院生の指導にあたる。具体的には自らセミナーで発表する際には,科学や研究というものをわかりやすく提示し,学生・院生が発表する際には,質問やコメントを通じて彼らの資質を向上させるように努める予定である。
(2)点検・評価
生物学教室で行っているセミナーでは毎回コメントやアドバイスを行い、学生に対して指導を行った。また自らのセミナーにおいては、論文の背景についての総説的な解説を行うとともに、論文の解説を通して学部学生・大学院生の生物学の知識の向上と科学的思考の訓練を行った。
2-2.研究
(1)目標・計画
- 今年度中に少なくとも一本は論文を投稿する。
- 昨年度から始めたフタイロカミキリモドキを用いた性的対立の研究をさらにすすめる。
- 科研費の分担者となっているヒラタヤスデの研究を継続する。
(2)点検・評価
- 日本鱗翅学会誌「蝶と蛾」に論文を1本投稿し、掲載された。また、現在2本の論文を執筆中である。
- フタイロカミキリモドキの性的対立の研究を国際学会で発表するために解析し、また、性的対立に関する論文をもとに次年度の実験計画を練った。
- ヒラタヤスデの研究に関しては、立教大学の共同研究者とともにGLM(一般化線型モデル)を用いた解析を行った。
さらにこれらとは別に、横浜植物防疫所の研究員との共同研究、ブルガリアおよびウクライナの研究者との共同研究、国内のチョウ類研究者との共同研究など新たな共同研究も開始した。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
試験監督や委員等の仕事が依頼された場合は責任持って遂行する。
(2)点検・評価
鳴風会幹事長として鳴風会の運営に関与した。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
昨年度に引き続き,日本動物行動学会運営委員として学会の運営に従事する。
(2)点検・評価
日本動物行動学会運営委員として、学会の運営に関与し、メール会議や運営委員会で積極的に発言を行った。また、今年度から日本鱗翅学会四国地区評議員として鱗翅学会四国支部の活性化に努めた。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
研究と教育という大学教員にとっての両輪をバランス良く行えた。また、専門研究の成果を学生の教育に生かすことに努め、学生の資質向上に寄与できた。更に、国内外の研究者との共同研究をさまざま行い、幅広い分野での研究を行うことが可能となった。
最終更新日:2010年02月17日