自己点検・評価報告書 (自然系(理科)教育講座) 粟田高明

報告者 粟田高明

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  教育実践力を身に付けるためには, 付け焼き刃でない知識の蓄積が必要である。また特に理科の授業では, 理論や法則の知識伝達に加えて実験・観察を多く取り入れることにより, 理論と実験を相互相補的に学ぶ環境を作る必要がある。以上のことから授業内容においては, 多くの身近な自然現象の説明から行い, それら現象の原因となる科学的な背景, 関連する演示実験を通して, 知識を体系的にまとめる力, 科学的に考える力, 論理的に考える力が身につく授業を展開する。従来の成績評価に加えて授業時間内に小テストを行い, その結果を次回の授業にフィードバックする。

(2)点検・評価

  学部および大学院の授業(物理学I, 中等理科(物理学分野)およびエネルギー・物質と環境特論)では, 身の回りの現象の説明からはじめ, 徐々に抽象化した概念の説明へと繋げるための授業構成を作り, これを実践した。加えて, 小テストをこまめに行い, 学習内容の定着をつねに確認しながら, 以降の授業内容に活かす努力をした。また中等理科教育論IIでは, 学習指導要領から教科書への具体化の背景の説明および教科書内の観察実験の詳細な説明及び, 安価な材料を用いた教材の製作および学生によるプレゼンテーション等を行い, 知識を体系的にまとめる力および科学的に考える力を養う授業を行った。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  教育支援講師・アドバイザー等派遣事業に登録するとともに, 環境科学セミナー講師(昨年度実施)の依頼があれば, 積極的に引き受ける。このセミナーは初等・中等教育でほとんど取り扱わないエネルギー教育について, 21世紀エネルギー資源の大きな割合を占める原子力を中心としたセミナーであり, 現職教員を対象にしたものである。

(2)点検・評価

  本年度から教育支援講師・アドバイザーに「放射線について」というテーマで登録を行った。7月および12月には, 文部科学省SSH指定徳島県立城南高校数理科1年生および2年生それぞれ10名程度に対して「様々な光とその性質」と題して特別講演および実験実習を行った。また8月に, 徳島県10年経験者研修講座「もっと光を! ガリレオのしたこと 見たこと 考えたこと」について県内教員に対して, 講義を行った。加えて, 平成20年1月には, 財団法人放射線利用振興協会と共催で, 徳島県内の教員や本学在学中に現職教員, 大学院生計26名が参加した環境科学セミナー(徳島鳴門コース)の運営にたずさわった。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  担当する授業において, できるだけ演示実験を加えたい。 また「教育実践」関連の授業では, 実際に教科書等にある教材や実験装置を作らせて, 実験とその背景にある科学的な現象や法則を関連づけさせる工夫をする。また教材作りにおける, 材料の選定や道具の使い方, 工作技術についても可能な限り身に付けさせる。

(2)点検・評価

  中等理科教育論IIでは, 中学校観察実験の詳細な説明及び, 安価な材料を用いた教材の製作を行い, 知識を体系的にまとめる力および科学的に考える力を養う授業を行った。また初等中等教科教育実践IIの授業では, 放射線を可視化できる簡易霧箱を作成し, 観察させ, レポートを作成させた。またオフィースアワーを設け, 質問にきた学生には丁寧に対応した。

2-2.研究

(1)目標・計画

  平成19年度京都大学原子炉実験所共同利用研究公募に応募し, 研究テーマ「放射線照射による高融点化合物の欠陥生成と誘起発光過程」がプロジェクト研究として採択された。6月, 8月, 9月と出張し, 所員とともに,現在共同研究を進めている。また科学研究補助金等の公募に申請する準備を進めている。

(2)点検・評価

  平成19年度京都大学原子炉実験所共同利用研究公募に応募し, 研究テーマ「放射線照射による高融点化合物の欠陥生成と誘起発光過程」がプロジェクト研究として採択された。6月, 8月, 9月, 12月と出張し, 所員とともに, 共同研究を進めた。その成果をProgress Reportに公表するとともに, 8月に2007年応用物理学会中国四国支部, 日本物理学会中国支部・四国支部2009年度支部学術講演会(岡山大学)で発表した。ただ, 申請していた科学研究補助金(若手研究B)は残念ながら採択されなかった。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  各種委員会の委員および試験監督の依頼について, 可能な限り承諾し, 大学運営に貢献する。

(2)点検・評価

  平成19年度に担当した学部教務委員会へは毎回出席し, その内容を部会, 講座等で報告した。また必要に応じて, 委員会等で講座全体の意見を述べた。その他の委員会においては, 担当する委員が, 出張等で出席できないときの代理出席を複数回行った。また大学院入試の試験監督を行い, 大学の運営に貢献した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  JICA等の国内研修については, できるだけ貢献する。また教員研修留学生等の留学生への助言等を積極的に行う。附属学校園, 外部教育機関等からの非常勤講師等の依頼があれば可能な限り引き受ける。

(2)点検・評価

  10月から研究生として来学したJICA派遣長期研修員の受け入れを行った。この留学生は平成20年4月から本学の修士課程に大学院生として入学した。本人の希望で, 将来の修士論文作成に必要な知識の習得を中心に, 週に2回, 1時間半程度ゼミを行った。また理科コースに所属する教員研修留学生等の留学生への助言を適宜行った。 また, 9月の教育実習中には指導学生の授業を参観するとともに, 授業研究会に出席し, 学生に対して適宜助言を行った。加えて本学大学院生(附属中学校教員)から「授業等で利用している教材を付属中学校で応用したい」との問い合わせについて助言した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  1. 平成20年1月に本学で行われた環境科学セミナー(徳島(鳴門)コース)の運営にたずさわった。
  2. 平成19年度文部科学省小学校教員資格認定試験に協力した。
最終更新日:2010年02月17日

お問い合わせ

経営企画戦略課
企画・評価チーム
電話:088-687-6012