自己点検・評価報告書 (自然系(理科)教育講座) 松川徳雄

報告者 松川徳雄

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  物理学の考え方,手法に慣れさせるため,適例をあげて実際に問題解決をはかり,具体的な経験をする機会を多くつくる。
  1.および2. 講義は演習に重点を置き,自習宅学習を期待しないで授業時間内に(指導者がいる場での学習)当日の内容に関する課題を与えて理解向上を図る。具体的な課題として,受講生の考え方を考慮した適切な問題を用意する。
  3.毎回の演習を評価し,総合点が正規分布に近くなるよう評価する。

(2)点検・評価

  1. および2.講義内容,指導内容の低下は当初やむを得ないと覚悟して始めたが,授業時間に余裕をとったことで,初歩的,素朴な基礎的な知識を付けることができ,自学・自習の道を広げる授業を展開できた。毎回の授業時間中にその時間にやった内容について,指導者のいる場で実際に演習課題を学ぶので勉学の進め方に気がついた学生もいる。
  2. 評価は正規分布になるよう心がけたが,毎回の演習成果を考慮すると高校での履修歴とはあまり関連が見られない結果が得られた。むしろ先入観がないだけ素直に授業に従ってきた成果が得られたとみることができる。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  • 夏期休業中に教職10年次研修を実施する。
  • 学期中は本学授業に専念する。
  • 社会に関与する講座の事業・行事にはできる範囲で積極的に関与する。

(2)点検・評価

  1. 教職10年次研修講習に中学,高校教師受講生5名を担当した。校種を考慮して,中学・高校性の実践教育を意識した講習内容とした。
  2. (教育自己評価参照)
  3. 例年の予定にはなかった放射線利用研究協会支援“環境科学セミナー”を本学,物理学・化学教室主催で行い有意義な成果を納めた。
    毎年度実施をと請われたが,本学での人員,時間的余裕の制限が厳しく,数年おき程度にはと返答した。実施するには意義のある講習会であったので,再々に協力する余裕がないのが残念であった。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  学生を大人として扱い,問題があれば当人が自分で問題解決に努めるようはからう。
  支援に冷淡のようであるが自主性を尊重したい。実際に支援活動をしても本人の自主的活動によると自覚するよう努める。

(2)点検・評価

  • 昨年度より担当した,単位の取得状況が心許ない学生の指導に専念した。
  • 取得単位数の確認,内容を調べ卒業研究を自主的に着手できるよう努めた。
  • 教務とも連絡を密に取り,最終的には保護者との連絡をも試みたが,結局単位取得の可能性が無くなり,保護者とも面談のうえで1年休学の道をすすめることとなった。
  • 対象学生の思考力は明晰なので立ち直りを期待していたが,精神的に少し余裕を持たせた方が良いという判断・了解事項であり,残念であったが本人も自覚していた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  7年来目標としている,未解決の不明点を極めるため,実験手法の簡素化(低価格化)をはかり,旧データを再評価し追試実験の準備をすすめる。
  当初思いもよらぬ傾向がみえていたが,予算,器材など,常識的な現象解釈の点では決めてとなる結果が得られないでいるのをなんとかしたい。異議ある結果が得られるどうか,不明であるので科研費申請にも明快さが得難い。

(2)点検・評価

  1. 新実験手法の開発・変革を目指していたが,中核となる実験装置・周辺機材に経年変化による故障が発生しだした。
  2. 製作年代も古く,特殊仕様設計仕様品なので修理依頼すべきところもなく苦労している。自作設計品であるので,同等部品と交換・性能評価より始めなければならないことになった。
  3. 他の関連諸装置もチェックしたが経年変化が激しく,相当に性能低下を生じていることが相次いで分かった。
    研究は早急な評価を得るためにやっているのでないが,目標到達の可能性が遠ざかり,相当な負担となることに直面した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  昨年度は講座主任で講座運営に主力を注いだが,本年度は諸委員会役に協力する。

(2)点検・評価

  病気あがりで教育活動のほかの所要役,委員会活動,対外活動などは免除してもらった。
  目に見えたことは特にしなかったが,少なくとも講座活動の負担になることは心して避けた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • JICA,その他留学生研究教育に直接的,間接的と問わず協力する。南ア,ラオス関連事業は今年度で終わり,今年度からセンターの事業となるが,実際作業は講座に少なからずかかってくると思われる。
  • 学外での活動に不自由があり,学内での行事に限られるので目に見えた活動は無いと思われるのは自覚している。

(2)点検・評価

  • 指導院生はいなかったが留学院生が受講する授業を担当し,英語でのゼミナール授業を実施した。
  • 議論をすすめた結果,学習意欲が高く学力・素養も多分にあることが分かったので,例年より相当程度をあげたゼミナールを展開できた。
  • 授業の成果をみて,更に進んだ分野があることを教示した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  特になし。ただし大学の方針で決まったことには極力従ってきた。 業務としての教育・研究に専心してきた。
  極力とは自分の能力の範囲内ということであるが,事故点検・評価基準ですれば結構しているという意味である。さらに客観的成果として満足はしていない。

 

  教育・研究の評価基準というのは別にあると思われる。
最終更新日:2010年02月17日

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