自己点検・評価報告書 (自然系(数学)教育講座) 齋藤昇

報告者 齋藤昇

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 学校現場の教育実践とのかかわりを重視した授業内容とする。
  2. 学生の発表・討議をできるだけ多く取り入れた(授業の30~50%)学生参加型の授業方法とする。
  3. 年度当初,学生に評価基準・到達目標を明示するとともに,定期試験の成績のみでなく,日々の授業参加態度,発表等の学習活動を取り入れた評価を行う。

(2)点検・評価

  1. 学部及び大学院の授業では,小・中学校の教育実践データを用いて,理論と実践を結びつけながら授業を行った。 学生からは,授業が分かりやすいという反応を得た。
  2. 担当するすべての授業科目について,指導内容を精選し,毎授業時間の1/3~1/2時間を学生の主体的な発表に当て,知識創造型の授業を行った。
  3. 年度当初,シラバスにしたがって,学生に学習内容・評価基準を説明するとともに,定期試験の成績に加えて,毎時間の学習態度・発表等を評価に反映した。評価の方法については,学生と年度当初及び期末試験前に2回わたり共通理解を得ている。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  徳島県教育委員会,公立小・中学校と連携して,徳島県の現在の最も大きな教育課題である「児童・生徒の学力向上」「教師の指導力の向上」を図る方策を共同研究し,地域に貢献する。

(2)点検・評価

  1. 徳島県教育委員会から「徳島県検証改善委員会委員」を委嘱され,徳島県教育委員会と協力して,小・中・高等学校の児童・生徒の学力を向上するための「徳島県学校改善プラン」を作成した。この案にもとづき,平成20年4月から徳島県内すべての小・中・高等学校が学力向上に取り組む予定である。
  2. 徳島県教育委員会から「徳島県公立高等学校等入学者選抜制度改善検討委員会委員(委員長)」を委嘱され,徳島県公立高等学校の入学者選抜制度の改善策を作成した。
  3. 公立小・中学校教員と協力して,教師の授業実践力を測定するための尺度開発を行った。この研究は,教師の授業実践力向上方法として成果が期待されている。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 学生が主体的に授業に参加できるように発表・討論形式等を授業に取り入れる。
  2. 授業においては,理論的な面のみでなく,具体的な教育実践例を取り入れ,学生の理解が深まるようにする。
  3. 学生の授業内容に関する質問,進路相談等に随時応じ,学生の個性伸長を図る。
  4. ゼミ生が教員採用試験に合格できるように指導・助言を行う。

(2)点検・評価

  1. 学生全員に対して,順番に発表の機会を与える等,学生参加型かつ知識創造型の授業を中心に行った。
  2. 授業においては,理論と学校現場における具体的な実践例を結びつけ,学生の関心や理解が深まるようにした。
  3. 学生の授業に関する質問を随時受けるとともに,学生がやる気を出すように助言・指導を行った。
  4. ゼミナール生が,教員採用試験に合格できるように随時指導・助言を行うとともに,学習計画の立て方,面接の方法等を指導した。数学教育分野のゼミナール生4名のうち,2名が教員採用試験に合格した。残りの2名のうち1名は,大学院へ進学した。他の1名は,臨時採用となった。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 従来からの研究テーマ「創造性の育成法に関する研究」をまとめ,全国学会誌に投稿する。
  2. 海外研究者との共同研究を行う。
  3. 公立小・中学校と学習指導法に関する共同研究を行う。
  4. 学外の研究助成の公募に積極的に応募し,学外資金の調達を行う。

(2)点検・評価

  1. 全国学会誌に2編,著書1編,センター研究紀要等に5編掲載した。学会発表は7件行った。また,日韓数学教育セミナーで「数学的創造性の育成方法」に関する招待講演を,タイのコンケン大学で「教師の授業実践力を向上する方法」に関する招待講演を,日本科学教育学会研究会四国支部大会で「創造的思考を活性化する方法」に関する招待講演を行った。
  2. タイのコンケン大学マイトレー教授,韓国の釜山大学校金富允教授と創造性の育成法に関する共同研究を行った。研究成果は,現在,著書(英語)として出版するために執筆中である。
  3. 公立小・中学校と連携し,教師の授業実践力を向上するための尺度開発を行った。その成果は,現在整理中である。
  4. 昨年に引き続き,科学研究費補助金基盤研究(B)の交付(468万円)を受けた。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  1. 昨年に引き続き,第3部部長として,本学の運営に貢献する。
  2. 大学院の定員充足に向け,各種研究会等を利用して,本学受験を働きかける。
  3. 国際教育協力について,関係諸機関と打ち合わせを行い,本学の発展に貢献する。

(2)点検・評価

  1. 第3部部長として,部の教員の意見を円滑にまとめ,大学の発展に寄与できるように努力した。
  2. 岡山理科大学への訪問や他の私立大学への訪問を通して大学院の定員充足に努力した。その結果,2私立大学から2名の受験生を確保した。本学の学部卒業生2名に受験を促し確保した。また,タイからの国費留学生1名,ラオスからの留学生2名(プロジェクト経費による派遣)を確保した。
  3. 国際協力機構四国支部の協力により,昨年に引き続き大洋州及び中東から教員研修受け入れ委託業務を受けることができた。今年度,新たに2件の研修受け入れの打診があった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 附属小学校教員と連携し,算数教育分野の共同研究を進める。(附属学校)
  2. 徳島県教育委員会,公立学校等の連携を積極的に行い,社会に貢献する。(社会連携)
  3. 昨年度に引き続き,JICAの国際教育協力事業に貢献する。

(2)点検・評価

  1. 附属小学校教員と算数の学習指導法について共同研究を行い,指導・助言を行った。(附属小学校との連携)
  2. 徳島県の公立中学校との共同研究並びに「徳島県公立高等学校等入学者選抜制度改善検討委員会委員(委員長)」,「徳島県検証改善委員会委員」として,徳島県の公立高等学校の入学者選抜制度の改善,徳島県小・中・高等学校の学力向上に従事した。(社会との連携)
  3. 国際教育協力においては,大洋州から9名及び中東から5名の数学研修員受け入れ指導を行った。また,平成19年10月に,ラオスの教育への貢献に対して,ラオスの総理大臣から感謝状を受けた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  1. 第3部部長として,第3部の円滑な運営及び活性化を図るよう努力した。
  2. 大学院定員の充足に向け,2私立大学から2名の受験生を確保した(個人として勧誘した分)。
  3. 本学の運営の柱の1つである国際教育協力に積極的に参加するとともに,国際協力機構四国支部と協議を行い,委託業務の拡張(2件の打診あり)を図った。
  4. ラオスのJICA事務所及びラオス教育省と協力して,ラオスから平成19年度に2名,平成20年度に2名,計4名の留学生を確保した。また,タイのコンケン大学から国費派遣による留学生1名を確保した。
最終更新日:2010年02月17日

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