自己点検・評価報告書 (言語系(国語)教育講座) 村井万里子

報告者 村井万里子

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

「実践教育学」の構築を目指して「実践即研究」の立場に立って授業を行う。

  1. 教育を学ぶ学生・院生に必要な基本的技能・理念・素養を育てる授業を構想・展開する。(学部)
  2. 実践を研究する現職派遣院生の必要感に根ざした授業を構想・展開する。(大学院)
  3. 「教科専門」教員と協力し、学生に「教育的応用力に富む専門的知識・学力」を育てる。(学部)
  4. 他教科の教科教育研究と積極的な交流を行い、学生の主体的内部統合を促す授業をめざす。

(2)点検・評価

「実践教育学」の構築を目指して「実践即研究」の立場で授業を行った。

  1. 目標1のために、書く活動とグループ討議を積極的に取り入れた授業を行った。(学部)
  2. 目標2のために、国語科のほか総合・人間形成等の院生にもそれぞれの課題に応じた内容となるよう、授業を工夫した。(大学院)
  3. 「教科専門」教員と協力したTT授業をとくに古典の力をつけるために実施した。(学部)
  4. 教科教育担当教員でコアカリキュラム作りなど課題が山積し従来の研究体制に取って代わった。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

徳島県内県外の教育実践研究に関わり、自らの実践研究を深めながら実践現場に役立つ支援を行う。

  1. 「教育支援アドバイザー」の制度を活用し、徳島県内小中高等学校の教育研究に積極的に協力する。
  2. 派遣修了院生・卒業生が在職する県外の学校現場の教育研究に、可能な限り協力する。
  3. 講座内の他の教員が社会(地域)貢献に力を注ぎやすいよう相互に有形無形の支援体制をとる。

(2)点検・評価

  • 徳島県立総合教育センターから依頼を受け、新形態の10年次研修として高校教諭の選んだ課題にそって研究授業のため相談にのり、研究授業参観し(11/8穴吹高校)、総括としての発表会・シンポジュウム(12/17)に出席した。
  • 「教育支援アドバイザー」の依頼により、1鳴門高校の学力向上検討会に参加(11/7)、2阿南市吉井小学校で授業(1/11・1/17)等の活動を行った。
  • このほか、1鳴板国語研究大会(7/21)、徳島県小学校統一大会(佐那河内会場)11/16等に参加し、成果を得た。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

学生の個性・能力・状況に応じて学業の達成と進路の開拓を支援する。

  1. 学生の学業と心理的安定、生活上の相談に可能な限り応じる。(相談)
  2. 学生自身が自己の能力と適性を認識していく活動に協力し支援する。(ゼミ・授業・相談)
  3. ゼミ活動を通じて、学生の社会的興味・関心を仲間と共にひろげていく。(ゼミ・通信)
  4. 講座内外の教員と、学生に関する情報を共有しながら「みんなで育てる」体制をとる。(講座会議・運営)

(2)点検・評価

  • 留年して在学中であった学部学生へのケアに力を注いだ結果、それぞれ卒業、または就職をめざして退学等、各自の進むべき道が開けた。新カリキュラムでの学部生が2年に進級し、新しい教育課程の真価が問われ始める時期にさしかかった。
  • ゼミ活動は、遅滞なく充実して進めることができた。
  • ゼミ通信「藍の花」を、修士論文を書き終えた院生ゼミ生によって発行することができた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 研究テーマ「国語教育の基礎としての言語理論研究」を論文にまとめる。(第2次)
  2. 研究テーマ「国語教育の基礎としての書くこと作文指導研究」を論文にまとめる。(第2次)
  3. 学部授業「初等国語」において目指してきた「作文指導の発達段階」の措定と「書くこと・読むことの統合」を進め、カリキュラム研究の素描を行う。(第1次)
  4. 学会誌に1編以上の論文を投稿する。(上記1、2、3のいづれか)
  5. 研究論文を3編以上執筆する。
  6. 芦田恵之助の「授業記録研究」を大学院生とともに進める。(院授業)
  7. 大村はまの「学習記録研究」を大学院生とともに進める。(授業・ゼミ・修士論文等)

(2)点検・評価

  • 目標1・2・3いずれかを達成する、という課題は納得いくまでには至らなかったが、これらの内容を盛り込んだ論文を、鳴門教育大学研究紀要に執筆することはでき、最低限のことはできた。
  • 目標4については、投稿1編については査読に落選、別な学会の「研究」らんに依頼原稿を受け執筆した。
  • 目標5は、計画3編に対し2編にとどまった。
  • 目標6は、院生の興味関心が異なったため実現できなかった。
  • 目標7は計画段階にとどまっている。全体として、昨年よりも努力し、執筆論文の数は増やせたが、今なさねばならぬ自己課題に実現できなかったことがめだつ。改めて、研究専念期間の必要性を実感した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

言語系(国語)教育講座の大学における位置と役割を認識し、講座の一員として大学運営に協力する。

  1. 前年平成18年度講座主任の残務を担当する。
  2. 講座構成員と協力して講座人事計画を立案・進行させる。

(2)点検・評価

  • 学部入試委員としての業務に従事した。
  • 大村はま文庫にある学習記録複製事業の計画ワーキングに講座の同僚とともに関わった。
  • 本年度講座主任のすぐれた手腕により、講座業務は全体として遅滞なく、問題なく進んだため、とくに大きな努力を必要とすることはなかった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 附属学校の教育実践研究と大学の教員養成研究とを密接に結びつけるべく恒常的な相互交流を行う。
    1. 附属学校の教育研究大会に積極的に協力する。
    2. 第31回・第32回学部附属連絡協議会を実施する。
    3. 学部授業「教科教育実践研究(国語科)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を通じて大学の教員養成に協力を仰ぐ。
    4. 大学院授業「教育実践研究(国語科)」によって附属学校と大学との共同授業を実施する。
  • 修了生・卒業生のフォローアップに力を入れる。
    1. 国語講座主催:平成19年夏「第22回鳴門教育大学国語教育学会」開催に協力する。
    2. 「徳島国語教育実践研究会」主催:平成19年夏「第8回徳島国語教育実践研究大会」の企画・準備・運営に、運営委員として協力する。
  • 韓国京仁教育大学との研究交流(平成13年から)を発展させる。(第5回平成18年から隔年開催)
    1. 平成20年度に予定されている「第6回日韓国語教育国際セミナー」に向けて、研究(教科書研究)と準備を進める。
    2. 準備段階から学生・院生に広報し、研究や交流に参加を促す。

(2)点検・評価

  • 附属学校の教育実践研究と大学の教員養成研究の結合に関しては、新カリキュラムの進行が進む中で相互理解や連絡など、細かな業務がますます必要になった。1・2・3の項目はいずれも達成した。4は、初めて附属以外の公立小学校に出たため、実現しなかった。
  • 修了生・卒業生のフォローアップに力を入れることに関して、1・2は順調に達成した。
  • 韓国京仁教育大学との研究交流については、学長裁量経費プロジェクトで教科書研究を行い講座教員の手により報告書を韓国京仁教育大国語科教員に渡すことができた。科研は不採択に終わった。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  • 講座としての特記事項、徳島国語教育実践研究大会(第8回) と、来年度の第8回韓日国語教育セミナーに向けての準備に意を用いて協力した。
  • 大村はま文庫の学習記録複製事業が順調に始まることを、祈念している。次代に引き継がねばならない財産をケアする責任は重い。
最終更新日:2010年02月25日

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