自己点検・評価報告書 (言語系(国語)教育講座) 原 卓志

報告者 原卓志

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 指導要領に示される言語事項の指導を考慮に入れて, 国語学Ⅱ=機能的文法指導・体系的文法指導のあり方 語学・文学総合演習Ⅰ(国語学)=教科書における言語事項に関するコラムの取扱い方を授業内容とする。
  2. 学生同士のディスカッションと模擬授業を組み入れた,学生主体の授業とするとともに,事前指導の充実に努める。
  3. 学生による自己評価点を導入する。また,評価基準を明確化するように努める。

(2)点検・評価

学習指導要領の言語事項・古典学習指導の取り扱い方を示した上で,次のような授業を行った。

  • 国語学Ⅱでは,①機能的文法指導・体系的文法指導のあり方を授業内容とし,②学生による模擬授業とディスカッションを中心に授業を進め,③模擬授業に対する評価基準を設けた評価表を毎時間提出させた。さらに,自己評価点を導入した成績評価を実施した。
  • 語学・文学総合演習Ⅰ(国語学)では,①小学校・中学校教科書に取り上げられた言語事項に関するコラムを取り上げ,学習指導要領を考慮に入れた,②模擬授業とディスカッションによって進めた。また,この授業では発表前に2回以上の事前指導を行った。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  • 講座内の教員と連携して,公開講座を開講する。
  • 県内の小・中・高等学校などからの授業・講演等の協力要請に対しては,積極的に応ずるよう努める。

(2)点検・評価

  • 講座内の教員2名と連携して,公開講座「知っているようで知らないことばの世界―日常のことばを解剖する―」(6月30日・7月7日)を実施した。
  • 教育支援講師・アドバイザー等派遣事業として,徳島市教育委員会からの要請で,読書活動推進研修会(8月7日)において,「ことばについて考える―毎日使っている日本語に興味を持とう―」というテーマで講演を行った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 学生によるディスカッション・模擬授業を取り入れた,学生参加型授業の充実を図る。特に,国語学Ⅱでは,機能的文法指導と体系的文法指導のあり方を中心として,中・高等学校の文語文法および古典 (古文)の指導力を養成するとともに,学生の文法に関する知識と理解を深めるよう努める。
  2. 学生による自己評価・相互評価点を成績評価に位置付ける。そのための,評価基準を作成して明確化する。これによって,授業観察の方法を身に付けさせる。

(2)点検・評価

  1. 学生によるディスカッション・模擬授業を取り入れた授業として,国語学Ⅱ,および,語学・文学総合演習Ⅰ(国語学)を行った。国語学Ⅱでは,機能的文法指導に加えて,体系的文法指導のあり方を考えさせることで,中・高等学校における文語文法の指導力育成と,学習者の文法理解に効果があったと考えている。
  2. 授業観察の方法を身につけさせるために,国語学Ⅱで「模擬授業評価表」を作成した。これは,「話法」「発問」「板書」「授業展開」の4つについて,13項目の観点から評価するものである。学生のコメントを見ると,次第に教材分析・発問のあり方・授業展開に関するコメントが多くなり,効果を感じた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 「行為指示型表現の歴史研究」のうち,江戸~明治期についてまとめ,学会誌(未定)に発表する。
  2. 臨江山地蔵寺所蔵文献調査を完了し,所蔵文献目録を作成する。
  3. 醍醐寺(京都府)蔵宋版一切経の角筆文献調査(3年計画)のうち,第1回調査(8月1週間)を行う。

(2)点検・評価

  1. 「行為指示型表現の歴史的研究」については,執筆中であるが,19年度中の発表に到らなかった。
  2. 臨江山地蔵寺所蔵文献調査は,確認調査が残されている。所蔵文献目録については,現在データを入力中である。
  3. 醍醐寺(京都府)蔵宋版一切経の角筆文献調査は,第1回調査を8月17~22日に行い,多くの角筆書き入れを発見することが出来た。これと合わせて,東大寺図書館において,奈良写経,唐代写経の角筆文献調査を行い(9月11・12日),両者に角筆書き入れを確認した。これによって,東アジアにおける角筆使用の実態解明に大きな前進があったと考えている。本調査は,科研費基盤研究(B)(研究代表者:小林 芳規)によるものである。
  4. 小学校国語教科書の調査研究を講座教員と連携して実施し,平成20年3月に報告書(全147頁)を刊行した。これは,平成19年度学長裁量経費を受けた研究である。
  5. 講座教員と行った公開講座を契機として,徳島方言に関する研究を開始した。 この度のテーマは,破砕をあらわす動詞語彙のうち,特に「めげる」の意味について研究している。研究成果は平成20年8月末に学会誌(語文と教育,第22号)に発表する予定である。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

各種委員会委員などを通して,本学の運営に協力する。

(2)点検・評価

平成19年度,言語系(国語)教育講座主任を務めるほか,就職委員会副委員長,附属学校運営委員会委員を務めた。
また,言語系(国語)講座の教員選考委員会委員(3件,うち主査2件)のほか,自然系(数学)講座,生活・健康系(技術)講座教員選考委員会委員を務めている(現在進行中3件)。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 学部附属(国語科)連絡協議会の一員として,研究協議に参加する。
  2. 講座内の教員と連携して,公開講座を開講する。
  3. 県内の小・中・高等学校などからの授業・講演等の協力要請に対しては,積極的に応ずるよう努める。

(2)点検・評価

  1. 学部附属(国語科)連絡協議会の一員として,研究協議会(5月11日)に参加した。
  2. 公開講座「知っているようで知らないことばの世界―日常のことばを解剖する―」(6月30日・7月7日)を実施した。本講座は,講座教員2名との共同開催。
  3. 教育支援講師・アドバイザー等派遣事業として,徳島市教育委員会からの要請で,読書活動推進研修会(8月7日)において,「ことばについて考える―毎日使っている日本語に興味を持とう―」というテーマで講演を行った。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

学生の教員採用試験対策として模擬授業・模擬面接などの講師を5回にわたって努めるとともに,就職委員会副委員長として,岐阜県教育委員会,名古屋市教育委員会,愛知県教育委員会を訪問し,各地の教員採用状況,及び,採用試験についての情報収集に努めた。

最終更新日:2010年02月25日

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