自己点検・評価報告書 (総合学習開発講座)  藤村裕一

報告者 藤村裕一

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  • 情報教育に関する授業において,ICT関連の最新動向,連合王国や韓国における調査・研究内容,全国の学校現場における情報教育・教育の情報化の動向を授業に反映させ内容改善を図る。
  • 科学技術振興機構やNHK等からゲストティーチャーを招いてより説得力・迫力のある授業にするとともに,問題解決型の授業を増やし,学生・院生の積極的参加を促す。
  • 到達度評価を実施し,そのための評価規準を明確にする。

(2)点検・評価

  • 学部・基礎情報教育,大学院情報教育特論Ⅰ,Ⅲ,Ⅳ,教育課題探求の授業において,ICTの最新状況,連合王国や韓国における調査研究,全国の現状と課題等を紹介し,情報教育と教育の情報化の最先端の内容を授業で扱い,内容改善を図った。
  • 基礎情報教育と情報教育特論Ⅲの授業に,NHK,NEC,科学技術振興機構,全国的に有名な情報教育実践者をゲストティーチャーとして招き,番組制作者やデジタル教材開発者,学校における実践者の説得力と実感のある話を聞けるようにした。また,すべての授業において,問題解決型の授業を取り入れ,学生・院生の積極的参加を促し,授業評価でも好評を博した。
  • 基礎情報教育の授業において,到達度評価の評価規準,評価基準表を学生に配布し,研究プロジェクトにおける学生の努力を促し,学生の積極的取り組みを実現させた。
  • 学部の総合学習の授業では,日本航空,大塚国際美術館,阿波踊り会館,松浦酒造,グランドエクシヴ鳴門,本四高速などの協力を得て,地域を誇りに思える教材開発を,学生の問題解決型の授業を通して行い,学生と社会から高い評価を受けた。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  • 文部科学省,経済産業省,NHK関連の委員長や委員を務め,積極的に研究成果を還元する。
  • 研究成果を現場の教員に還元するため,情報教育マイスター養成研究会を主催し,全国の情報教育担当教員・指導主事に対して指導する。

(2)点検・評価

  • 文部科学省「学校のICT化支援の在り方に関する検討会」委員,同委員会資質・能力ワーキング・グループ・リーダーを務め,教育CIOとICT支援員における文部科学省の中・長期ビジョンの策定の中核を担った。その他,文部科学省・経済産業省合同の「情報モラル指導グループ」副リーダーとして,情報モラル・ビデオ教材「5分でわかる情報モラル」を作成すると共に,47都道府県の県教委・市町村教委指導主事を対象とした研修会モデルプログラムを作成・実施した。総務省では,校務情報化アプリケーションの標準仕様を策定し,全国の自治体とソフト開発企業に採用された。NHKでは,各種番組委員を務め,環境教育番組と社会科教育番組の作成,デジタル教材の作成,共同学習電子掲示板の運用を図り,NHKのホームページ中に鳴門教育大学が学校現場への社会貢献を行っている旨の表示をさせた。経済産業省・文部科学省合同の「学校情報セキュリティ委員会」では,委員長を務め,全国の学校情報セキュリティを向上させるべく,全国の教育委員会と連携を図り,各種事業を実施した。
  • 大学における情報教育の研究成果を現場の教員に還元するため,情報教育養成研究会を主催し,全国の情報教育担当教員・指導主事を指導すると共に,その成果を日本教育工学会で発表し,普及促進を図った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  • 総合学習開発講座の他の教員と連携し,これまでの教員採用試験担当経験を生かして,大学院生の教員採用試験対策講座を実施する。
  • 総合学習開発コースの学生に対してだけでなく,全学部生・大学院生を対象に,パソコン利用相談,メンテナンスを行って,学生の研究活動を支援する。

(2)点検・評価

  • 小西教授・村川教授と共に,札幌市教育委員会・北海道教育委員会教員採用試験担当者経験を生かして,大学院生の教員採用試験対策講座の筆記試験,面接,論文試験対策を3回行ったほか,都道府県別に受験者を集めて,筆記試験,模擬授業対策の指導も行った。 また,学部の希望者を対象に,教員採用試験パソコン実技試験講座も行った。
  • 学部生,大学院生が頻繁にパソコン利用相談に訪れ, その都度指導を行うと共に,高度情報研究教育センターで対応できないメンテナンス業務も多数行った。

2-2.研究

(1)目標・計画

  • 教育用デジタルコンテンツに関する研究を深化し,その成果を科学技術振興機構の「理科ねっとわーく」やNHKデジタル教材に反映させる。
  • 国内外の校務情報化先進事例の調査を行い,校務情報化のモデルを提言するとともに,実証実験を行ってその可能性と課題を明確にする。
  • 情報学に基づく情報教育の在り方について調査・研究を進め,実証実験を行う。

(2)点検・評価

  • 教育用デジタルコンテンツの利用率調査とアクセスログ解析,教員・児童生徒を対象とした調査を基に,学校で使いやすいデジタルコンテンツと家庭学習で使いやすいデジタルコンテンツの在り方を明らかにし,「理科ねっとわーく」とNHKデジタル教材,情報モラル教材に反映させた。
  • 連合王国を2回訪問して,校務情報化先進事例調査を行い,教育の質的改善をもたらす校務情報化のモデルを提言し,文部科学省・総務省・経済産業省のビジョンに採用されるなど,高い評価を受けた。また,兵庫県三木市,千葉県浦安市,新潟県上越市において実証実験を行い,教育委員会間連携を可能とする技術標準化の在り方についても明らかにした。
  • ICT活用のみに偏らない,情報学に基づいた「人間教育としての情報教育」の在り方について,全国の新振興を訪問して調査・研究を行うと共に,倉敷市立連島東小学校,米子市立福米西小学校で実証実験を行い,妥当性の検証を行うと共に,普及モデルの開発を行った。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

大学院における遠隔教育の在り方について実証実験を行うとともに,積極的に広報活動を行い,正式発足へ向けての準備作業に寄与する。

(2)点検・評価

遠隔教育準備室長として,遠隔教育の在り方について,北海道から沖縄までの「正規履修型モニター」14名,「科目等履修型(研修型)モニター」59名,計132名の協力を得て実証実験を行う中で検討を進めた。
また,北海道,宮城県,新潟県,山梨県,千葉県,東京都,神奈川県,静岡県,愛知県,徳島県,愛媛県,岡山県,鳥取県,島根県,鹿児島県において,広報活動を行うと共に,学研『NEW教育とコンピュータ』,明治図書『社会科教育』等の雑誌,『教育マルチメディア新聞』等の専門紙でも広報を行い,「教育系遠隔教育は,岐阜大か鳴門教育大」という評判を得ることができた。
このような実績を踏まえ,実際の運用ノウハウを蓄積し,平成20年度後期からの科目等履修生募集の基礎を築いた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 徳島県教育委員会と共同研究を行い,理科教育におけるデジタルコンテンツの活用促進を支援する。
  • 徳島県スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール運営指導委員会委員を務め,ICTを活用した英語教育について助言する。
  • 徳島県立名西高等学校学校評議委員を務め,学校改善に寄与する。

(2)点検・評価

  • 徳島県教育委員会と共に科学技術振興機構の共同研究機関に応募し,合計1000万円以上の研究予算を獲得して徳島県の教育に貢献すると共に,徳島県における理科教育用デジタルコンテンツ活用について,授業研究会や研修会で助言し,全国トップレベルのデジタル教材活用状況をつくり出した。
  • 徳島県スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール運営指導委員会委員を務め,文部科学省教科調査官と共に,ICTを活用した英語教育の充実について助言した。
  • 徳島県立名西高等学校学校評議委員を務め,特徴ある学校づくりなど,学校改善に寄与した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

遠隔教育準備室長として,実証実験授業の実施と各種広報活動を通して,鳴門教育大学「インターネット大学院」のブランド化と,正式発足へ向けての準備に貢献した。
「校務情報化と学校情報セキュリティの研究と言えば,鳴門教育大学」 との評価を,学会・文部科学省・経済産業省・総務省・民間企業・全国先進地域教育長会議・マスコミ等から得て,教育の情報化研究に関する本学のブランド価値を高めた。
学部生・院生の積極的参加を促す各種授業改善を行うと共に,学部生・大学院生の各種相談に応じて,本学における学生・院生の研究・生活環境の向上,卒業・修了後の就職支援等に貢献した。

最終更新日:2010年02月15日

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