自己点検・評価報告書 (総合学習開発講座)  村川雅弘

報告者 村川雅弘

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

担当である学部授業「生活科教育論」「総合学習論」「教育課程論」はいずれも学生には馴染みの薄い教育内容であり,将来教師として学年または学校で主体的・協同的に作り出す部分が多いものである。カリキュラム開発や授業づくりの実践力を育成するために,学校現場との共同の研究過程において得た優れた事例を題材にし,具体的な手だてを示すとともに学生自身に考えさせたり協議させる活動を数多く組み入れる。また,適宜ワークシートを作成し,自己の考えをしっかりと文章化させる活動も重視する。学部3年の「総合演習」では,チームによる協同的創造的活動を組み入れ,総合的な学習の実践における教師の役割を体験を通して理解させる。評価についてはレポートだけにとどまらず,適宜定着を図るためのミニテストを入れたり,また協同的な作業場面における取り組み状況を加味する。

(2)点検・評価

前期の「教育課程論」及び後期の「生活科教育論」「総合学習論」はいずれも学校現場との共同研究過程において得た優れた事例を題材にし,具体的な手だてを示すとともに学生自身に考えさせたり協議させる活動を数多く組み入れた。そのために,適宜ワークシートを作成し,自己の考えをしっかりと文章化させる活動も重視した。「生活科教育論」は受講生が190名であったために発表や協議が十分に実施できなかった。評価については「教育課程論」と「生活科教育論」において「知の総合化ノート」に慣れてもらうために「知の総合化ノート」によるレポート提出を課した。定着を図るためのミニテストを入れることはできなかったが,「教育課程論」と「総合学習論」は最終テストを実施し,成績評価に反映した。「総合演習」では現職教員も交えた合宿を行い,今後教師として求められる総合表現活動指導力の育成に務めた。その結果,受講生による劇団が結成され,2月の本学講堂における「鳴門環境子どもサミット」(参加者約250名)及び3月の「劇団“どゃ!”」の定期講演において創作劇を披露し,大きな達成感を得た。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

文部科学省(研究開発学校企画評価委員や中央教育審議会専門部会委員など)および教育関連の各種財団(松下教育研究財団など)の委員,独立行政法人教員研修センターや教育委員会,学校からの指導等の依頼は本務に支障のない範囲で引き受け,社会貢献を果たす。また,日本教育工学会の企画委員会委員長を任命されているので,各種企画を成功させ学会活動活性化に寄与する。

(2)点検・評価

文部科学省(中央教育審議会専門部会委員等)および教育関連の各種財団(松下教育研究財団等)の委員,独立行政法人教員研修センターや教育委員会(広島県,岡山県等),教育センター(佐賀県,山口県,奈良県等),学校からの指導等の依頼は本務に支障のない範囲で引き受け,研究成果を学校現場に還元するという社会貢献を果たしてきた。また,6月までは日本教育工学会の企画委員会委員長を務め,各種企画を成功させ学会活動の活性化に寄与した。平成20年7月に本学において開催する日本カリキュラム学会の大会準備委員長として,そのための準備も進めている。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

文部科学省研究開発学校制度創設(昭和51年度)以降の各校の報告の大半を,18年度に転出した教員の研究室に所蔵している。まだ,一部自宅等に分散しているので,この部屋に集中管理し,学内の教官および院生に開放していきたい。これまでに指導した院生・学生は100名ほどになった。これまで十数年にわたって春夏と年2回程度,「鳴門セミナー」を実施し,修了生等の研究・実践交流の場としてきたが日常的な支援が不十分であった。19年度は通信ネットワークを活用した支援を開始し,修了生へのアフターサービスを充実させるとともに,彼らの仲間や後輩との新しい繋がりを得ることで大学院の学生定員の充足にも貢献したい。平成17年度・18年度と長期履修学生にかかわる委員会の主査を務めてきた。どのような形にしろ,でき得る範囲で,特に長期履修学生への支援にかかわっていきたい。平成17年度の「総合演習」をきっかけに誕生し,その顧問となったサークルは,その主力メンバーが18年度卒業生および3年目を迎える長期履修学生である。学生に継続の希望があればかかわっていきたい。

(2)点検・評価

文部科学省研究開発学校の報告書の大半を,18年度に転出した教員の研究室に所蔵し,本講座及び他講座の院生の修論作成に活用してもらうことができた。これまでに指導した院生・学生は100名ほどであるが,8月に「鳴門セミナー」を開催し,65名が参加し修了生等の研究・実践交流の場となった。ゼミ修了生を中心に通信ネットワークを活用した相互支援・交流のための場「鳴門総合研究会」が稼働している。大学院教務委員会から代表として長期履修生との連絡役を担った。平成17年度の「総合演習」をきっかけに誕生し,顧問を務めているサークル「劇団どゃ!」は平成20年2月に本学講堂で実施した「鳴門環境子どもサミット」(参加者約250名)の運営の支援に関わると共に3月には定期公演を成功させた。

2-2.研究

(1)目標・計画

専門である生活科や総合的な学習,カリキュラム開発,そして学校を基盤としたカリキュラム開発に有効なワークショップ型研修の研究は常に流動的に動いており,特に教育行政や学校現場との連携が重要である。そのために,19年度においても教育委員会や学校現場との共同研究を重視していきたい。これらの研究成果は研究報告書にとどまらず,編著書や論文,学会発表等で公開していく。17・18年度の科学研究費の成果を編著書として刊行する予定である。

(2)点検・評価

専門である生活科や総合的な学習,カリキュラム開発,そして学校を基盤としたカリキュラム開発に有効なワークショップ型研修の研究を,平成19年度においても教育委員会や学校現場との共同研究を重視し進めてきた。これらの研究成果は7月の日本カリキュラム学会(発表2件),日本教育工学会(発表1件)で公開した。17・18年度の科学研究費の成果を編著書として刊行することは現時点では検討中であるが,「総合的な学習と教科学習の関連」に関する研究成果をまとめ,株式会社ぎょうせいより平成20年年4月に刊行予定である。また,聖心女子大学永野和男教授を代表とする科学研究費に関してはプロジェクトのコアメンバーとして研究を推進し,研究報告書作成に寄与した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

現時点では大学院教務委員会委員を継続的に行う。それ以外に委員会等,大学運営にかかわる依頼があるときにはできるかぎり引き受けて貢献したい。特に,18年度に採択された「特色GP」の中核メンバーとして,その開発と実施および評価,その広報等にかかわっていきたい。

(2)点検・評価

大学院教務委員会委員を継続的に行ってきた。その中では長期履修生に関する代表を務めた。18年度に採択された「特色GP」の中核メンバーとして,その開発と実施および評価,その広報等にかかわった。新規に大学院のサテライト設置及び教職キャリア開発センター設置に関するワーキングの委員を務めた。講座主任も務めた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

附属学校および県内の委員会や公立学校からの指導・支援の依頼はできる限り引き受けたい。

(2)点検・評価

県外の附属学校や公立学校,教育委員会等からの要請は多く,可能な範囲で引き受けているが,附属学校園からの指導・支援の依頼はなかった。県内では,県の総合教育センター(6月),徳島市総合部会(6月),石井町教育委員会(8月)の講師を務めた。また,教育実践研究の一環として鳴門市林崎小学校を1年間にわたり指導支援し,平成20年2月には鳴門市内の他の3つの小学校も呼びかけて,本学講堂において「鳴門環境子どもサミット」(参加者約250名)を成功させた。そのために,鳴門市役所及び鳴門市教育委員会より後援をいただいた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

19年度はじめより,大学院の教育実践研究の一環として鳴門市林崎小学校の総合的な学習の取り組みに関わってきた。その成果を鳴門市鳴門西小,同明神小,同堀江南小及び兵庫県篠山市立大山小との合同の本学講堂での「鳴門環境子どもサミット」で公開発表した。新聞社2社,放送局2社の取材を受け,鳴門ケーブルテレビでは2時間番組として5回にわたり放送された。本学の社会貢献的な活動を多くの県民・市民に知らせることができた。

最終更新日:2010年02月15日

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