自己点検・評価報告書 (総合学習開発講座)  近森憲助

報告者 近森憲助

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 教科内容に関する知識だけではなく、その知識をどのようにして他者(児童・生徒)に伝えていくのかにも焦点を当てた内容としたい。
  2. 体験的要素を重視した学生参加型の授業を実施する。
  3. 授業がどのように個々の受講生の学びとなっているかを端的に評価できるような方法を開発する。学期末に実施する試験だけではなく、個々の授業における学生の学びを見つめつつ、継続的な学びの評価を実施したい。

(2)点検・評価

  1. 環境教育特論Ⅱ(教材開発)において、授業作り、実践及び評価などすべての場面において体験学習理論に基づく児童・生徒の学びのモデル化が重要である事を強調するとともに、事例を示した。
  2. 総合演習において、学外から3名の講師を招くなどして、環境学習プログラムを学生が実際に体験できるような授業を実践した。
  3. 毎回の授業において、学びの振り返りレポートを提出させた。疑問等については、次回の授業において回答するように配慮した。また、授業内容や方法に関する指摘があった場合には、適宜改善するようにした。今年度収集したこのようなデータをもとに、来年度は、より客観的な学びの評価を試みたい。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  1. 環境教育に関する研究成果をもとに、徳島県の環境学習の推進と発展に寄与する。
  2. 南アフリカ共和国の理数科教育及びアフガニスタン国の教師教育などに対する国際協力に携わった経験を生かして、途上国の教育の発展に貢献したい。

(2)点検・評価

  1. 作成委員会座長としてとくしま環境学習プログラムの取りまとめに当たるとともに、同プログラムの推進をねらいとした環境学習に関する研修会(2回)の講師及び同プログラム普及推進モデル事業の実施および成果報告のとりまとめに参画した。
  2. 5月から6月にかけてアフガニスタンに専門家として赴き同国教師教育強化プロジェクト第1フェーズの終了時評価への対応及び最終報告書の取りまとめに当たった。また同プロジェクト第2フェーズの企画・立案に参画するとともに、11月初旬から12月中旬及び2月中旬から3月初旬の各期間専門家として同国に赴き同プロジェクト第2フェーズ活動群2を主に担当した。また、1月下旬より2月中旬まで本学において実施されたアフガニスタンカウンターパート研修において、研修員3名に対し、指導・助言を行った。また8月には、南アフリカに出張し、2005・2006年の南アフリカ日本研修参加者の授業観察を行い、適宜指導・助言を行った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

1)教育

  1. 授業科目の内容に応じてワークショップ形式、実地調査、実験など体験的活動を導入し、学生参加型の授業を大学院において担当している授業科目(環境教育関連科目、教育課題探究及び現代教育人間論など)において展開する。
  2. 学外の様々な人々を招聘し、授業科目の内容に応じた話題を提供するよう依頼する。これは、ともすれば近視眼的で、視野が狭くなりがちな学生に、多様な生き方や考え方があることを知ってもらうためである。

2)学生生活支援

  1. 学生に多様な学びを提供するため、従来から指導・助言者として関わっている課外活動の益々の充実と発展に努力したい。このような活動を通じて、教職をはじめとする就職に関する指導や助言もしていきたい。

(2)点検・評価

1)教育

  1. 環境教育関連科目、教育課題探究及び現代人間教育論などの授業において、ポストイットを活用した受講生の意見表明とその授業における活用、授業振り返りレポートによる学びの把握等を実施し、できるだけ学生の授業参加を促した。
  2. 環境教育特論Ⅰ(基礎)、同Ⅱ(教材開発)などに学外から講師を招聘し、特別授業を実施した。また総合演習では、ゴミ関連NPO法人関係者、県教委統括指導主事及び小学校教員を招聘し、実際に環境学習の指導を受けた。
  3. 小学生とのふれあい活動を実施している課外活動団体の活動に付き添い(8月9日~10日、3月27日~29日)指導・助言を行った。課外活動を対象とする研究成果を学生に還元した。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 18年度に実施した教職に就いた卒業生を対象とした課外活動の教育効果に関する研究の一環として、継続的な追跡調査を実施する。
  2. これまで実施してきた教師教育に関する日米国際共同研究をとりまとめ、今後の研究のあり方について、共同研究者と協議する。
  3. 教師教育研究の一環として実施している、アメリカ合衆国の二つの大学との学生交換プログラムを実施する。
  4. 環境学習プログラムの開発及びその実践・評価について、授業研究的な手法を導入しながら検討する。

(2)点検・評価

  1. 追跡調査のために卒業生に対する調査票の送付を計画していたが、未だ実施していない。
  2. 第1回の取りまとめのための協議を平成19年3月に実施した。その成果を日米教師教育会議において共同発表した(東海大学パシフィックセンター、ホノルル市、ハワイ)。論文作成のための協議を19年度内に実施する予定であったが、関係者の日程が合わず実施していない。来年度中には、これまでの成果を実施する予定である。
  3. 10月27日から11月2日に本学学部学生4名大学院生1名計5名が米国テネシー州ミドルテネシー州立大学を訪問し、交流事業を実施するとともに、現地の小学校において授業を行った。また、これに先立ち、4月25日から5月2日にかけて、米国の2つの大学から教員志望学生6名が来日し、文化体験・農業体験及び小学校における授業などの活動を行った。これらの交流活動の企画立案、米国側との連絡調整及び学生の異文化体験に関するデータ収集等を本学及び米国側大学教員と共同で実施した。
  4. とくしま環境科学機構が本年8月に実施した研修会参加者を対象として予備的に実施したが、確固たる成果を得るには至っていない。19年度総合演習受講学生の振り返りレポートの記述の解析を予定していたが、未だ実施するに至っていない。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  1. 学校教育学部教務委員会委員としての職務を通して、とくに本学のFD推進に寄与したい。
  2. 国際教員教育協力センター運営委員として、同センターの益々の発展に寄与したい。その際には、南アフリカ共和国及びアフガニスタン国などを対象国とした国際教育協力プロジェクトに関わった経験を十分に生かしていきたい。

(2)点検・評価

  1. FD専門部会の委員として19年度のFDワークショップの企画に当たった。10月31日開催されたワークショップでは総合司会を務めた。
  2. 教員教育国際協力センター運営委員として審議に参加した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 現在徳島県より委嘱されている環境審議会委員や環境学習プログラム作成委員などの職務を通して、徳島県の環境学習の推進と発展に寄与する。
  2. ゴミをテーマとする公開講座を地域で活動しているNPO法人などと連携して開催する。
  3. アフガニスタン国教師強化プロジェクトへのかかわりを通して、同国の教育レベルの向上に寄与する。

(2)点検・評価

  1. 徳島県環境審議会委員、徳島県学校版環境ISO運営委員、徳島県版環境学習プログラム作成委員、同プログラム推進委員などとして、徳島県の環境政策に関する審議、環境学習の推進等のために協議、研修会企画などに参画するとともに、環境学習に関する研修会の講師を務めた。
  2. ゼロウェイスト・アカデミー関係者と連携して8月24日に「ゴミをテーマとする環境学習プログラム体験講座」を本学において開催した。
  3. アフガニスタンの小・中学校教員養成の改善と発展に寄与することをねらいとした第2期プロジェクト活動群2、さらに本学における研修に指導・助言者として従事した。また、小学校教員対象の中東理数科研修では、理科教材研究について指導を行った。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  1. 本学が事業主体の一つとなり、JICAから業務委託を受けて実施しているアフガニスタン教師教育強化プロジェクトに専門家として従事することを通して本学の外部資金獲得だけではなく国際的な地位の向上に幾ばくか貢献することができた。
  2. 地球温暖化防止を目指す国家施策の推進を背景とした徳島県における環境教育の推進に、様々な形で関与し、このことを通じて本学の地域貢献に寄与することができた。
  3. 研究面においては、計画実施の立ち遅れが顕著であり、今後なんとかして研究を円滑に推進する必要を痛感しているところである。
  4. 授業においても、学生参加型の活気ある授業作りを意図してはいるものの、いまひとつ決定打を欠いている状況にある。今後何とかして改善を期したい。

 

最終更新日:2010年02月15日

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