自己点検・評価報告書 (幼年発達支援講座) 橋川喜美代
報告者 橋川喜美代
1.学長の定める重点目標
1-1.教育大学教員としての授業実践
(1)目標・計画
- 学生の基礎学力や応用力を教員採用試験との関連から検討し,必要な知識が習得できるよう授業内容に組み入れるともに,現場での実践力との関連性を明確にする。
- 全体・グループ討議に加え,現場への観察実習による観察記録を発表する機会を与え,学生同士が相互評価し,良い点と問題点を指摘しながら,コミュニケーション能力や表現力の改善を目指す。
- 学期末テストに加え,達成度が明確に分かりやる気を引き出すような小テスト・レポートの実施を試みる。
(2)点検・評価
- 学生の授業評価によって,概ね目標は実現できたと思われる。学生の相互評価,小テスト・レポートなどを重ねることが,実践力の要でもある,子ども理解や保育理解に大きく役立てられた点から,当初の目標は達成できた。
- 授業方法のさまざまな工夫が,学生たちの自己学習能力を喚起できるまでに至っていない点での問題はなお残されている。現場で求められる実践力と理論との関連性をもっと明確にしていく必要がある。
1-2.大学教員としての社会(地域)貢献
(1)目標・計画
- 鳴門市の1歳半・3歳児健康診査において発達検査の心理判定員として市の健診事業に係わっているが,保健師との協力体制を密に取りながら,発達障害の早期発見に努めることで地域の特別支援に貢献する。
- 徳島市の公立保育所に勤務する保育士の自主グループ「子育て・子育ち支援を考える会」が推進する徳島市における総合的な子育て支援研究の展開を支援することによって,地域の子育て支援に貢献する。
(2)点検・評価
- 今年度は従来の発達健診の判定基準や問診票の改訂を試み,乳児期における健診との継続性が図れるよう努力した。また,鳴門市内の幼稚園における,発達障害児に対する個別指導計画の作成についても協力した。
- 保育士の自主グループ「子育て・子育ち支援を考える会」が推進する徳島市における総合的な子育て支援研究の展開を保育士の健康調査などの観点から支援し,概ね地域に貢献できたと考える。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
- 学生が主体的に学習するよう,授業においてグループ討議を積極的に取り入れてみる。
- 「保育内容総論」は複数担当であるので,授業の系統性を図るため,連携しながら内容の関連づけに務める。
- 学部学生と院生の学業・ゼミ指導の充実に加え,進路や悩みに関わる相談などに対応し,必要な場合は心理相談などの指導教員との相談体制を整える。
- 昼夜開講制大学院に学ぶ保育士・幼稚園教員が昼間以上の教育及び生活支援を受けられるよう,指導生の研究・生活面に配慮する。
(2)点検・評価
- 概ね目標・計画は実現された。とはいえ,実習及びゼミ指導においては,学生の生活支援に大きな問題も生じた。思うような結果が得られないこともあるが,今後も生活支援を続行していく必要がある。特に,その方法には検討すべき点も残された。
- 昼夜開講制大学院に学ぶ保育士が図書館を通して文献収集するには,個人差がある。自力で図書館を利用し,必要な資料収集するための情報と生活支援が,さらに必要と感じられる。
2-2.研究
(1)目標・計画
- 従前から継続してきた保育形態論にかかわる研究をまとめ,発表する。
- 昨年に続いて学内の教育研究支援プロジェクト経費の公募に申請する。
- 科学研究費補助金の公募に積極的に申請する。
(2)点検・評価
- 科学研究費補助金(基盤研究(C))が採択され,1年目の研究を日本教育方法学会において発表し,本学紀要にまとめた。
- 学内の教育支援プロジェクト経費に2件を申請し,その1件の成果を本学紀要にまとめた。また,もう1件の成果は平成20年度開催の日本保育学会に発表の予定であり,目標ならびに計画は十分に達成された。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
- 講座主任として,改組を目前に控えた講座運営を円滑にし,本学の運営に貢献する。
- 前年に引き続いて学部入教務員会委員として,委員会と部・講座間の連携を図る。
(2)点検・評価
- 講座の運営を向上させるとともに,准教授を昇格させ,本学の運営に貢献できる新コース体制が整備できた。
- 学部教務委員会委員として,FDの推進と教職大学院の開講を控えた時間割作成に努めた点で,概ね目標は達成された。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 教育研究支援プロジェクトにおいて,附属幼稚園との連携を図りながら,学内での学部生と附属幼稚園の幼児ならびに保護者との交流を深めていきたい。
(2)点検・評価
- 教育研究支援プロジェクト「省察から研究へと子ども理解を深める保育者育成指標の構築」において,附属幼稚園との連携を図りながら,学生の実践力の育成に努めることによって,当初の目標は達せられた。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
- 本年度は,鳴門市の発達健診の改訂や科学研究費補助金の採択など,新しいことに取り組める機会に恵まれた。その反面,従来の研究や社会との連携に十分な時間が割けず,焦ることも多かったが,当初の目標はほぼ達せられたと思われる。
最終更新日:2010年02月15日