自己点検・評価報告書(学校改善講座) 石村雅雄

報告者 石村雅雄

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  • 学習者の多層で多様な学ぶ意欲を引き出し、育成できる教員の養成のため、講義・演習に於いて学ぶ者としての学生との相互的なやりとりを重視し、もって、教える-学ぶの相互的な関係が構築できるようにする。具体的には、授業のホームページの開設による掲示板の利用、E-Mailによる意見交換を可能にし、授業中にもできる限り受講者の授業への参加を求めるようにしていく。

(2)点検・評価

  • 学部学生対象の講義「教育制度・経営論」において、多人数での相互関係を保障する仕組みとしての「何でも帳」を使った実践を展開した。このツールによって、「この講義で何を聴きたいか」「何を考えたいか」等を受講生に書かせ、できる限りそれに応じる形で講義を行った。加えて、「何でも帳」でのやり取り(学生のあらゆる書き込みとそれへの教授者のコメント)やインターネットによって、十分行うことができた。少人数の演習では、毎回、E-Mailによる意見・感想の提出を求め、適宜、それを演習中に教材として使用した。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

自らのこれまでの研究蓄積をできる限り社会、とりわけ徳島県の諸地域に生かせていくようにする。具体的には、

(1)目標・計画

  1. 松茂町のボランティア団体のヴェトナムメコンデルタ貧困地域への学校校舎寄附事業に引き続き協力し、専門的な見地から、当地での教育開発に携わる。
  2. 旧海部町(現海陽町)のふるさと教員制度の成果・到達点に関して関係者への聴き取り、資料収集を行い、現地の関係者に利用可能な形で取り纏め、もって、人口減少地域、非都市部での教育開発のために貢献する。

(2)点検・評価

  1. については、数度にわたり渡航し、専門的見地から助言を行うとともに、現地協力者と協議を行った。松茂町での会議に関しても可能な限り参加し、事業への援助を行った。
  2. については、2度にわたって資料収集、インタビュー調査を行い、今後の該当地域の発展に関して、関係者と協議を行った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  • 学生の授業外、及び卒業後を見通した諸活動にできる限り協力し、自らの経験及び専門的な知見からの助言を行う。具体的には、教員採用試験等の外部の試験合格への援助や、諸外国での教育・研究を希望する学生への援助を行う。

(2)点検・評価

  • 指導学生を中心に、教員採用試験への対策を指導するとともに、渡航・海外体験を希望する学生に対して、必要な助言を行った。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 評価される対象・者の文脈を重視した大学評価の在り方を引き続き追求し、具体的には、この分野で先進的例を為しているフランスのシステムにつき資料収集・分析を行う。
  2. 発展途上国の教育に関する国際協力につき具体的にその進め方について、諸問題・課題を整理する。具体的には、現在関与しているヴィエトナムメコンデルタ貧困地域への学校校舎寄附事業の分析を進める。この課題に付随して、ヴェトナムで現在進められている新教育法の諸課題に関しても整理したい。
  3. 非都市部での教育開発の在り方を追求し、当地での教育課題の掘り起こし、課題の解決のために政治的アクター(首長・議員など)の果たす役割に注目する。

(2)点検・評価

  1. については、国会図書館での資料収集と分析を進め、20世紀初頭の大学管理運営の諸相を明らかにしつつあり、併せて、現代におけるフランス大学評価システムの改革に関して、分析を進めた。この中で、文脈重視の大学評価の新たな有り様が明らかになっており、20年秋に公表の予定(広島大学大学研究叢書)となっている。
  2. については、数度にわたって越国に渡航して資料収集、インタビューを進めるほか、具体的な教育援助のあり方に関し、現地専門家との議論を進めることができた。これらの成果に関しては、日本教育学会(19年8月)で報告したほか、本学紀要で公表した。
  3. については、いくつかの町村に関してのインタビュー調査、資料収集を進めたほか、現代の理論状況に関して必要な文献を収集し、検討を行った。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  • 大学を構成する様々なアクターが大学の諸活動に積極的に参加していくという事に実践的に取り組むとともに、本学での到達点・課題に関して具体的に考えていきたい。

(2)点検・評価

  • 自らの分担の校務分掌につき、会議参加、会議報告を正確・迅速に行った。併せて、大学運営をより柔軟、かつ活発にしていくために、文部省科学研究費補助金に応募したほか、前述したベトナムの教育援助に関する事業に関し、外部資金からの援助の可能性に関する議論を始めた。
  • 研究会、学会参加、海外渡航のおりに、本学の特徴を説明し、関係者への進学を勧めた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 本学の社会との連携、国際関係の発展のため、そうして部分からの要請があれば協力を行うとともに、前述した松茂町ボランティアグループ、旧海部町教育関係者との協力を継続し、併せて、ヴェトナムベンチェー省バチー郡タンソン村、フランス大学評価委員会との交流の拡大に努力する。
  • 本学が行っている本学教員派遣制度に引き続き登録し、各地からの要請に応える。

(2)点検・評価

  • 教育支援講師として2か所の講演会講師を引き受けた。
  • 「はーとふる松茂」 の援助事業に協力して、3度にわたり渡航し、現地との調整を行うとともに、国内での会議でも専門的助言を行った。
  • 南大洋州、モザンビークの教員研修等に積極的に関わった。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  • 四国放送からの依頼により、県内の教育に関わることに関して、テレビ放送「おはよう徳島」の中で、10月10日、3月6日、3月19日の3回にわたって、「鳴門教育大学准教授」として専門的コメントを行った。

 

最終更新日:2010年02月15日

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