教育の一番札所に寄せて

鳴門教育大学が創設されたのは1981(昭和56)年のこと、したがって、今年でちょうど25歳の誕生日を迎えたことになります。人間の一生にたとえるなら、まさに疾風怒濤の時代、夢多い青春の真っ直中を生きている、春秋に富む大学です。
本学の「大学憲章」では、「教育は国の基(もとい)である」という理念に沿って、教育大学としての本学の目的を「豊かな人間性と幅広い教養、そして高度な専門的能力を備えた、すぐれた教員」の養成に求めています。
また、本学は「教育の一番札所」をキャッチフレーズとして頑張っています。ここ鳴門が、癒しの道「四国八十八か所」の振り出しの地であるように、日本の教 育の未来は鳴門教育大学から始まるんだという、私たちの強い意志と願いを込めたものです。鳴門教育大学から、日本の教育を担う若いすぐれた人材が陸続と羽 ばたいて行くことを待ち望んでいます。
私たちは、鳴門教育大学が個性豊かな「教育の専門大学」として、社会的にその存在をアピールしていきたいと努力を重ねています。社会が本学に求めるもの は、教育に関する高度な研究と実践的な教育活動であり、そして、何よりも学校現場から待望される優れた教師の養成であろうと考えます。私たちは、社会が本 学に何を期待しているのか、鳴門教育大学の社会的な存在意義を的確に把握しながら、新しい歴史の頁を刻んで行きたいと願っております。
鳴門教育大学は、初等中等教育の教員を養成する学校教育学部、及び主として現職教員に高度な研究・研鑽の機会を提供する大学院学校教育研究科を持つ教員養 成大学です。教育科学・教科教育そして教科専門の各分野に多くの優れたスタッフを擁していることも、本学の大きな財産です。
鳴門海峡を望む広大な高島キャンパスでは、21世紀に飛翔する教師を目指して全国各地から学生が集い、はつらつと勉学や課外活動などに取り組んでいます。多数の意欲ある皆さんが、鳴門教育大学の門を叩かれることを期待しています。

平成18年4月
国立大学法人鳴門教育大学長 高橋 啓
最終更新日:2010年01月04日