2020年度(令和2年度)「ジュニアドクター発掘・養成講座」開会式挨拶

 皆さん、おはようございます。 鳴門教育大学学長の山下です。主催者を代表して一言ご挨拶申し上げます。
 新型コロナ禍により、皆さんも何かと影響を受けていることでしょう。徳島県高等教育機関連携型「ジュニアドクター発掘・養成講座」の開講式も初めてオンラインで行います。

 

オンライン開講式の様子
山下

 この新型コロナウイルス感染症のパンデミック・世界的流行が象徴するように、日本だけでなく世界的に先行き不透明で不安定な時代であり、時代の大きな分岐点です。
 新型コロナだけでなく、地球温暖化と自然災害、プラスチックごみ、格差社会、敵と味方とに分けて敵を攻撃する思考様式、自国第一主義と国家間の覇権争い、あるいはAI(人工知能)の進展による新しい社会の到来など、様々な難問が複雑に入り組んでいるのが、まさに現在です。
 このようなときこそ、世界をよりよくするために、知性を伸ばし発揮してほしいと願っています。
 しかし、本講座が考える知性とは、テレビのクイズ番組のように知識量を競い正答を求めるものではありません。知識は大事ですが、よりよい人生とよりよい社会のために、知識を活用し、自らが課題を設定し、解決に向けて挑戦すると言うことです。

 

 さて、この「ジュニアドクター発掘・養成講座」について簡単に説明します。国の科学技術振興機構、JSTが「ジュニアドクター育成塾」という事業を、2017年度(平成29年度)から立ち上げました。2021年度(令和3年度)までの5年間の事業で、今年で4年目です。
 キャッチフレーズが、「目指せ、ノーベル賞! 思春期の子ども達を対象に、未来の科学技術者を養成しよう」というすごく力が入ったものです。
 最初の年である、2017年度には、全国から24の応募がありました。所謂(いわゆる)、日本のトップ大学の多くも応募しましたが、必ずしも採択されたわけではなく、結局採択されたのは、本学を含め10機関です。
 その後、毎年、追加で採択され、今年度、27機関となっています。

 

 採択されるかどうか激戦でしたが、私には採択されるという自信がありました。それは、次の2つの特色があったからです。
 1つ目は、2011年度(平成23年度)から2016年度まで、鳴門教育大学では、この講座の前身となる「科学・技術者発掘・養成講座」を実施してきており、およそ100名の修了生を輩出してきたという実績があるということです。そして、本日も参加していただいている多くの先生方に、当時から関わっていただいています。
 きっと、皆さんの中には、きょうだいのどなたかが、鳴門教育大学でこの講座を受講し修了されたという方もおられるのではないでしょうか。
 2つ目は、鳴門教育大学がとりまとめ役となり、徳島大学、徳島文理大学、四国大学、阿南工業高等専門学校、そして徳島県教育委員会、徳島市教育委員会、鳴門市教育委員会が連携し、さらに徳島県内の企業にもご支援いただくという、オール徳島と言っていいほど産学官連携でこの講座に取り組んでおり、他に例を見ない画期的なことだからです。

 

 もし万一採択されなくとも、私は「ジュニアドクター発掘・養成講座」を実施すると決めていました。
 それは、徳島県の子どもたちにとって、実は他の県からも受講生がいるので日本の子どもたちにとってと言うべきでしょうが、要は子どもたちにとって、とても有意義な講座であるという強い思いがあったからです。
 実際、この講座の先輩達の活躍は、目を見張るものがあります。この講座に在籍している時から数々の賞を受賞しています。さらに、修了して高校生になって、日本科学オリンピック(数学、物理、化学、生物、地学、地理、情報、7教科)の一つである化学グランプリにおいて、大賞と金賞を受賞した先輩達がいます。

 

 しかし、何より私がうれしいのは、受講者の皆さんが、ほとんど休まずにこの講座に出席すると言うことです。
 そして、このことは、休日にもかかわらず、多くの保護者の方々が、皆さんを大学に連れてきて下さるということです。保護者の皆様に、心より感謝申し上げます。
 毎年、定員を超えての受講の申し込みがあり、誠に申し訳ない気持ちで一杯ですが、多くの受講希望者に対しお断りしています。どうか、その人達の分まで、皆さんはしっかりと受講して下さい。

 ところで、皆さんは「出る杭は打たれる」という言葉を知っていますか。才能を現して他の人よりも目立つ人は、周りからひがまれて憎まれるというたとえで、目立たないように注意しましょうという意味です。
 しかし、この講座を運営する我々は、全く逆の考えです。つまり、「出る杭を打つのではなく、出る杭をみんなで支えて、大黒柱に育てていく」と考えています。
 威張る人にはなってはいけませんが、出る杭になろうとして下さい。優しい心を忘れずに、社会のためにリーダーになろうと、大きな望みを持って下さい。
 Boys and girls, be ambitious !

 

 結びとなりますが、この講座の運営に関わっておられる、大学・教育委員会など関係者の皆様に感謝の言葉を述べさせていただき、私の挨拶を終えたいと思います。

 

2020年(令和2年)8月9日

鳴門教育大学長 山下一夫

 

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2017年(平成29年)9月、ジュニアドクター発掘・養成講座 第1回開講式
飯泉嘉門 徳島県知事、泉理彦 鳴門市長、各大学長、副学長、教員、教育長等が出席。
(画像をクリックで、ジュニアドクター発掘・養成講座のウェブページに移動します。)

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電話:088-687-6460