グローバル教育コース

コース概要

世界から学び,世界とともに考え,世界で教えよう

 

「途上国の教育への支援」に携わる
 本学は,アフリカ,大洋州,アジア,中南米などの地域・各国の教育関係者を対象とした国際協力機構(JICA)の研修の受け入れや短期専門家としての現地業務を通して,これまで多様な国際教育協力の経験を蓄積しています。本コースの学生たちは,JICAの留学生たちと一緒に英語で学んだり,JICA研修にも直接参加し,様々な教育関係者と交流しています。現地に専門家として教員が派遣される際に学生も同行することができ,学内・学外での国際教育協力に縦横無尽に参画できることがコースの魅力となっています。(国際教育協力分野・国際 理数科教育分野)

 

「国内の教育の国際化」を考える
 グローバル化に伴い,教育課題や教育内容も多様化をたどっています。学校現場や子どもたちを取り巻く地域・家庭も,ますます異文化への理解,外国語能力などが問われるようになっており,国際理解教育・言語教育の重要性が増しています。本コースでは,外国語運用能力はもとよりコミュニケーション能力と文化理解力を兼ね備えた専門家になることを目指し,多様なプレゼンテーションおよびライティングのスキルを駆使できる外国語コミュニケーション能力を身につけること,さらに異文化理解を推進し,実践できる人材を養成します。(英語コミュニケーション・異文化理解分野)

 

「日本語学習者の力になるために必要なことは何か」を知る
 日本語を外国語として,あるいは第二言語として学んでいる学習者はたくさんいます。日本語学習者の母語,年齢,環境,目的などは様々で,求められる日本語教育・支援のあり方も多岐に渡っています。私たちは, 日々,様々な角度から日本語・日本文化の特質を追究し,それらの教授・学習の方法を検討することで,多様化する日本語学習者のニーズに応えられる人材を育成することを目指しています。(日本語教育・日本文化分野)

 

 

特色

グローバル教育コースで学ぶメリットとしては主に以下のことが挙げられます。
(1)各種資格(日本語教師や各種免許)が取得できる
(2)教育学修士号が取得できる
(3)海外での研究調査・ボランティア活動などに自由に参加できる
(4)留学生や海外経験の豊富な教員・学生と切磋琢磨できる
(5)英語だけでなくフランス語・スペイン語・アラビア語など多言語に対応した研究調査・活動ができる
(6)大学で年間に6回ほど実施されるJICA短期研修に参加し海外の教員との交流ができる

 

担当教員紹介(令和5年4月1日現在)                         

氏 名 石坂 広樹
職 名 教授
専門分野 国際教育協力,教育政策,数学教育,国際理解教育,教育行政
詳細データ
研究内容 授業研究の国際的な展開,住民参加型の学校運営,算数分野における国際協力活動
授業科目 教育研究・調査,国際教育協力研究,国際教育協力演習など
メッセージ

 中米コスタリカに留学したのを皮切りに7年間中南米での生活を経験。その後は,中南米のみならず,東南アジア,アフリカ諸国など30か国以上を訪問し,研究や国際協力活動に従事してきました。異文化に触れ,様々な経験をすることが自分の人間性や見識を深めていくことと実感しています。語学も苦手でしたが,途中であきらめようとする心を乗り越えることが語学克服の道だと自覚しました。やる気はあるけどどうしようと考えている学生さん,大歓迎です。大いに学び,それを大いに楽しむところが大学院です。世界中の教育を丸ごと探究したい人を待っています。

氏 名 石村 雅雄
職 名 教授
専門分野 比較教育学(ベトナム,フランス,フランス語圏アフリカ諸国),教育政策,教育行政学,学校経営,教師教育,高等教育
詳細データ
研究内容 市民教育の現実的あり方(社会主義国,発展途上国)
授業科目 教育制度論,国際教育協力特論Ⅰ,国際教育人間論,教育法規実践演習,日本型学校教育課程の特徴と展開など
メッセージ

 専門分野は,上記の通りです。世界の教育の様々な動き(政策,運動,学校や非学校での日々の営み)をマクロの視点から見る研究を行ってきました。近年では,これに加え,藤岡完治先生からご指導を受けた授業研究の方法(授業観察プロジェクト)を使った幼稚園から大学までの授業改善研究にも取り組んでいます。いずれの研究課題も学生の皆さんとの議論を重ねることで進むものと思っています。最近はとりわけ学生の観察や意見に驚かされ,研究の新たな視点の獲得ができています。例えば,中国の「市民教育」そしてそれと愛国心の関係ってなんだろう,とか,何故,日本の中・高生はUSJに制服で行ってみんなで写真を撮るんだろう(僕のこれまでの研究だと制服はいらん,が基調だったのに),とか。まあ,ともかく,面白い研究をしましょう!!待っています。

氏 名 小澤 大成
職 名 教授
専門分野 教育開発,理科教育,地質学
詳細データ
研究内容 授業研究の導入と受容,理科カリキュラム改革と実践の関連など
授業科目 国際教育協力特論Ⅱ,国際教育授業開発,国際教育演習
メッセージ

 現在の専門分野は,国際教育開発・協力です。特に理科教育のカリキュラム・教材開発・評価および授業研究を中心とした現職教員研修に興味を持っています。元々地質学の研究者でしたが,JICAの技術協力プロジェクト「ムプマランガ州中等理数科教員再訓練計画(MSSI)」に短期専門家として参加したことをきっかけに国際教育開発・協力に興味をもちました。鳴門教育大学がJICAより受託した短期研修「英語圏サブサハラアフリカ理科授業評価改善」や「仏語圏アフリカ理数科分野における教授法改善指導者養成」などでコースリーダーを務めています。研究フィールドとしては,これまで南アフリカ共和国,ウガンダ,ザンビア,カメルーンなどで調査を実施しています。グローバル教育コースには多様な人材が集っていますので,その中で切磋琢磨していけたらと考えております。

氏 名 武田 清
職 名 教授
専門分野 物理化学,化学物理,理科教育
詳細データ
研究内容 低温液体の物理化学,電池の化学
授業科目 国際教育理科内容論,理科教育協力授業開発研究,理科教育協力教材開発研究
メッセージ

 国際社会では,多彩なコミュニケーションを通して,多様な文化を互いに容認し合い,「うまくいけば」理解し合える環境を作っていくことが要求されます。自然科学の発展とともに人類が身につけてきた多くの知識は通文化的で,万国共通の知識たりうるものです。私たちは,科学的知識の伝達と共有をグローバルコミュニケーションの手段の一つとして利用することができるものと考えています。私はこれまで,溶液の物理化学を専攻してきました。科学の根本にある論理は,分野は違えど共通のものですし,単なる化学的知識を化学的理解に昇位させるためには,その論理が必要です。私は,そのような基礎科学を十分に理解した科学コミュニケータこそ国際社会においても活躍できる人であり,そのような人材の育成に取り組みたいと考えています。

氏 名 岡﨑 渉
職 名 准教授
専門分野 日本語教育学,社会言語学(談話分析等)
詳細データ
研究内容 日本語学習者による社会語用能力の発達,年少者日本語教育およびその教員養成
授業科目 日本語教育法研究,日本語教育法演習,日本文化研究,日本語Ⅱ,日本事情・日本文化など
メッセージ

 日本語学習者における,デスマス体・非デスマス体などのスピーチスタイルに対する認識および運用実態を通した,社会語用能力の発達を研究しています。第二言語習得では,場面や人間関係といった社会的・文化的文脈を参照しつつ,その都度適切な言語使用を判断する力も求められます。このような力を学習者はどのように身につけているのか,日本語教育においてどのように扱えばよいのかを,皆さんと探究していきたいと思います。
 また,現在学校教育で求められている,外国人児童生徒等教育が担える教員の養成や,年少者日本語教育の教材開発にも取り組んでいます。日本語教員養成課程であれば,多くの大学・大学院に設けられていますが,本学では,初等・中等教育や教科教育,グローバル教育と関連させながら,日本語教育を学ぶことができます。

氏 名 鎌田 スザーン・リン
職 名 准教授
専門分野 Global Education
詳細データ
研究内容 Literature in Language Teaching, Writing, English Communication
授業科目 ライティング・スキルⅠ,ライティング・スキルⅡ
メッセージ

 I am an American, born and raised in Michigan, and most recently hailing from South Carolina. I earned my B.A. in English from the University of South Carolina, and my M.F.A. in Creative Writing from the University of British Columbia. I first came to Japan to teach English on the JET Program in 1989, and have since taught English as a Foreign Language to students of all ages. My research interests include literature in language teaching, extensive reading, and EFL writing.

氏 名 工藤 慎一
職 名 准教授
専門分野 行動生態学,進化生態学
詳細データ
研究内容 節足動物における親の投資の多様化,特に親による子の保護の進化に関した研究
授業科目 自然科学の世界
メッセージ  最近の著書:粕谷英一・工藤慎一(共編)「交尾行動の新しい理解-理論と実証」,海游舎(2016).
 最近の論文:Kudo, S., N. Baba, M. Mukai, H. Hironaka & K. D. Tanaka.  Interaction between prenatal and postnatal provisioning in a subsocial bug. Biological Journal of the Linnean Society, 132 (4): 925-930(2021).
 所属を希望する皆さんへ:英文論文の読解力と統計学の基礎知識は(学問を問わず)実証研究を行う上で必須です。これらに加えて,進化生物学や生態学の知識と理解を深めてください。
氏 名 Gerard Marchesseau
職 名 准教授
専門分野 Communicative Language Teaching
詳細データ
研究内容 Motivation, Content-based language teaching
授業科目 プレゼンテーション・スキルⅠ,プレゼンテーション・スキルⅡ,言語コミュニケーション演習
メッセージ

 Coming from Canada originally, I have been teaching English in Japan for over twenty years now. My areas of interest are motivation in second language learning, Content-language integrated learning and task-based language teaching. I am also a member of the Center for Elementary School English Education and have been involved in the design and production of support material for teachers with the 'Center'. 

氏 名 田中 大輝
職 名 准教授
専門分野 言語学,日本語学,日本語教育学
詳細データ
研究内容 日本語基本動詞のデータベース作成,レキシコンと用例からなる語彙知識理論の検証など
授業科目 日本語文法研究,日本語音声表現研究,日本語語彙論,日本語 I,日本語 IIIなど
メッセージ

 ニュージーランドと台湾の各大学で日本語教育に携わったのち,本学に着任しました。専門は日本語学,日本語教育学で,現代日本語の名詞表現の記述的研究や,日本語学習者のための日本語動詞データベースの開発研究などを行っています。また,近年は,介護福祉士養成課程の留学生,海外で学ぶ学習者,生活者としての外国人など,様々な日本語学習者を対象とした授業研究も行っています。これまでに指導を担当した研究には,日本語のオノマトペや音象徴の謎に深く切り込んでいったもの,日本語と他言語(例:中国語,韓国語,タイ語,ロシア語)を対照したもの,これらの母語話者への効果的な日本語教授のあり方を提言したものなどがありました。様々な角度から日本語や日本語教育の方法を追究していける本学で,ぜひ一緒に学びを深めましょう。

氏 名 田村 和之
職 名 准教授
専門分野 環境教育/ESD,国際教育協力(理数科分野),天文学
詳細データ
研究内容 環境教育,グローバルレッスンスタディなど
授業科目 地球環境、開発と環境(学部授業)など
メッセージ

 高校2年生の時からアメリカで生活。ワシントン大学(University of Washington)にて物理学,天文学/宇宙物理学,人類学/考古学を勉強。アリゾナ州立大学(Arizona State University)にて宇宙物理学(観測宇宙論・近距離銀河)の研究を通して博士号(物理学)を取得。
 現在は,今までの経験を活かしてESD(持続可能な開発のための教育)やSDGs関連の研究や,途上国の理科教育/ESD/SDGs関連の国際教育協力(JICA研修等)を行っています。他にも,学校と地域との連携(佐那河内村のふるさと学習/村育など)や,大学内外で小中学生に化学教室・天文教室を行っています。
 大学院の授業では環境教育/ESD/SDGs関連の授業を中心に教えています。このコースで皆さんと一緒に様々なことにチャレンジするのが楽しみです!!

氏 名 寺島 幸生
職 名 准教授
専門分野 化学物理,理科教育
詳細データ
研究内容 溶液系の熱分析,理科の教材開発など
授業科目 理科教育協力研究,理科教育協力授業研究など
メッセージ

 専門分野である化学物理,物理教育の研究成果を基盤として,理科教育の改善・発展に関する教材開発,調査研究等に携わっています。自然科学の基礎研究を継続しながら,国や地域に依存しない自然科学の普遍性を生かして,誰でも,いつでも,どこでも,学び教え合うことができるような,操作性と汎用性に優れた理科教材等の開発を目指します。

氏 名 宮部 真由美
職 名 准教授
専門分野 日本語教育学,日本語学(語彙,文法)
詳細データ
研究内容 日本語支援を必要とする児童生徒の日本語教育など
授業科目 日本語教育学研究,日本語教育学演習,言語習得・発達論,日本語Ⅳ
メッセージ

 当時から日本語支援が必要な子どもたちが多くいた神奈川県横浜市で大学時代を過ごしました。こうした子どもたちの支援のために小学校に手伝いに行ったり,先輩たちと子ども向けの日本語教材を作成したりしました。子どもの場合,日常会話が話せるようになっても,教科の学習を理解することには大きな困難があります。この困難を何とかしたいと思い,現在,教科学習(主に教科書)の日本語の難しさについて研究を進めています。また,日本語学(現代語の語彙や文法)も専門としており,以前に勤務していた国立国語研究所にある言語資源(コーパス)などを利用して条件節の複文の研究もしています。子どもたちにとって教育をうけることは権利です。そして,彼らがその先も日本で生活していくならば,日本語でアカデミックな活動ができる日本語力を身につけることは必須です。そのために,どのような支援ができるのか,皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

氏 名 日下 智志
職 名 講師
専門分野 算数・数学教育,国際教育開発
詳細データ
研究内容 算数・数学教育のカリキュラム,算数・数学の問題解決過程におけるメタ認知,国際教育協力など
授業科目 国際教育数学内容論,数学教育協力研究,日本型学校教育課程の特徴と展開など
メッセージ

 インターナショナルスクールで教員として勤務した後,JICAが実施する理数科教育の技術教育プロジェクトや調査に算数・数学教育専門家として約10年携わりました。専門は,算数・数学教育および国際教育開発です。
 教育の質の向上が全世界で課題となる中,各国の状況に適した算数・数学のカリキュラムの開発を目指し,カリキュラムの社会文化的側面や,カリキュラム開発プロセスの内発的発展に関する研究を行っています。また,開発途上国の子どものニュメラシーの育成やメタ認知に関する研究を国内外の研究者と共に進めています。
 日本を含め世界各国の教育を探求したい方,研究者や実務者として世界を舞台に活躍したい方,ぜひ共に学び,チャレンジしていきましょう!

氏 名 小汐 千春
職 名 助教
専門分野 動物行動学,行動生態学
詳細データ
研究内容 昆虫を材料に,選択勾配分析や形態測定的手法を用いて,配偶者選択や性的拮抗共進化について研究している
授業科目 自然科学の方法
メッセージ

 動物行動学・行動生態学の基礎をしっかり勉強して知識を深めて来て下さい。

氏 名 大山 高行
職 名 客員教授
専門分野 政府開発援助(主に東アジア,中央アジア地域における経済開発分野),円借款債権管理マネジメント,海外における健康リスク管理
 
研究内容 ESD及び多様性教育に対する国際協力のインプリケーション
メッセージ

 鳴門教育大学との連携協力関係を有する独立行政法人国際協力機構(JICA/ジャイカ)から招聘客員教授として着任しました。JICAは開発途上国の経済・社会発展の基礎となる農業,教育,インフラ,産業開発などあらゆる分野で協力を実施してきましたが,その中でも特に「教育」は持続可能な社会・経済発展に欠かせない要素です。大山自身はJICAで主に経済開発分野の技術協力を担当してきました。JICAが技術協力の実施を通じて長年重視してきた「国づくりは人づくり」という考え方は,人材育成こそがすべての開発分野において不可欠な取り組みであるという信念を表しており,これはそのまま教育の要諦に通ずるものと思います。今後もJICAとの連携を通じて鳴門教育大学の国際教育協力を推進するとともに,グローバル教育コースにおける「世界から学び,世界とともに考え,世界で教える人材」の育成にも貢献して行きたいと考えています。

氏 名 童 安佚
職 名 国際交流アドバイザー
専門分野 スポーツ社会学
 
研究内容 スポーツ文化におけるナショナル・アイデンティティ形成,スポーツ政策の公共性
授業科目 国際教育総合セミナーⅠ,国際教育総合セミナーⅡ
メッセージ

 専門分野は,スポーツ社会学です。特に歴史社会学の視点からスポーツ文化におけるナショナル・アイデンティティ(認同意識)形成及びスポーツ政策の公共性に関する研究をしています。現在,共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するかについて研究を進めています。グローバル教育に携わって,主に東アジア(主に中華圏)の外国人留学生に対する就学支援をしています。国際交流の経験について,本学の教員教育国際協力センター事務補佐員(JICA受託研修に関する業務),学生課国際交流係日中翻訳通訳(日中教師教育学術研究集会など),公益財団法人香川県国際交流協会翻訳通訳・国際理解ボランティア(2016.8~2017.3,2020.4~現在),公益財団法人徳島県国際交流協会国際理解支援講師(2017.5~2020.3)などを務めていました。是非,一緒にグローバル教育コースで世界(グローバル)と日本(ローカル)の教育及び文化分野の研究をしましょう。

 

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教務部入試課広報係
電話:088-687-6460