特別支援教育コース

コース概要

多様な子どもたちの一人一人のニーズに応え,「生きる力」を育む

 

 本コースは,2つの分野から構成されます。

 

 通常の学校における特別支援分野
 幼稚園(こども園)・小学校・中学校・高等学校では,発達障がいのある子どもたちを含め,実に多様な子どもたちが在籍しています。本分野では,通常の学校,つまり通常の学級,通級による指導,特別支援学級における子どもたちの発達の多様性への理解に必要な知識と,その子どもたちのニーズに応えることのできる支援の在り方について深く学ぶことができます。主に幼稚園(こども園)・小学校・中学校・高等学校での特別支援教育やインクルーシブ教育を推進できる教員や,特別支援教育コーディネーターなどの校内の特別支援教育のリーダー的存在として活躍する教員の養成を目指します。  


 特別支援学校分野
 特別支援教育に期待される役割は,より複雑化・多様化する社会状況とともに高まっていると感じています。本分野では,特別な支援を必要とする子ども一人ひとりの心身の発達や障がいの理解を深めるとともに,子どもの育ちや自立・社会参加に向けた適切な指導や必要な支援について学ぶことができます。そして,特別支援学校の<教員養成 >と<リーダー養成>を目指します。
<教員養成>
特別支援学校の教員を志望する学卒者や社会人の方を対象に,現職教員との学び合いの中で,確かな実践力と豊かな人間性を備えた新人教員の養成を目指します。
<リーダー養成>
特別支援学校のミドルリーダー・巡回相談員等,校内外の特別支援教育のリーダー的存在となる,高度な教育実践力と実践的研究能力をもつ専門性の高い教員の養成を目指します。


 「特別支援教育コース」は,特別支援教育に関する高度な教育実践力と実践的研究能力をもつ指導者育成を目的とするコースです。特別な支援を必要とする子ども一人ひとりの心身の発達や障がいの理解を深めるとともに,子どもの育ちや自立・社会参加に向けた適切な指導や必要な支援を追求し,小学校,中学校,高等学校,特別支援学校など幅広い校種における高度な教育実践力と実践的研究能力をもつ指導者育成に努めています。
 これらの実現のために,特別支援教育コースでは,教育学・心理学・医学の理論的学習を融合させ,フィールドワークを基底におき,本学の発達臨床センターとも連携しつつ,特別支援教育実践と特別支援教育に関わる教育現場を特別支援教育の側面からリードする教育実践力や特別支援教育コーディネーターとして,学校・地域をまとめ牽引する実践力を高めるための魅力ある教育内容を準備しています。特に1年次は,附属特別支援学校での継続的なフィールドワークを通して,大学教員と附属学校教員双方から,特別支援教育の基礎を学ぶことができるユニークなカリキュラムとなっています。


 また,令和6年度から,より複雑化・多様化する社会状況に応じつつ,特別な支援を必要とする全ての子どものために,「生きる力」を育むことができる指導者育成を目指し,新たに通常の学校における特別支援分野と特別支援学校分野を設定し,さらなる大学院教育の充実を目指しています。

 

 

担当教員紹介(令和5年4月1日現在)     

氏 名 伊藤 弘道
職 名 教授
専門分野 発達支援医学
詳細データ
研究内容 主に発達障害児に関することについて
授業科目 特別支援教育における医療・教育の連携Bなど
メッセージ

 皆さんこんにちは!私はバックボーンが小児科医で,特に小児神経学をサブスペシャリティーとしております。現在は主として医学的立場から特別支援教育コースに所属させていただき,多くの先生方,学生さんたちと日々共に楽しく勉強させてもらっています。それでは皆さんとお会いできる日を楽しみにしております!

氏 名 大谷 博俊
職 名 教授
専門分野 特別支援教育ニーズ支援(教育学)
詳細データ
研究内容 知的障害教育における職業教育・進路指導・キャリア教育や授業改善に関する研究
授業科目 特別支援教育におけるキャリア教育・進路指導デザインA,特別支援教育におけるキャリア教育・進路指導デザインBなど
メッセージ

 専門分野は,特別支援教育ニーズ支援(教育学)です。特別支援学校の教育に関心があり,主に知的障害教育における職業教育・進路指導や授業改善に関わる研究を続けてきました。それは,特別支援学校高等部での進路指導主事としての経験を通して“はたらく”ことの意義を知ると共に,自立と社会参加を実現するために,さらに論究する必要性を強く感じたからです。最近の主な研究業績には,「成人期自閉スペクトラム症者のライフキャリア―働く20・30・40・50代の事例からの示唆―(単著,2021)」,「ライフキャリアを育む教育プログラムのための論点整理 ―自閉スペクトラム症のある児童生徒に視点をあてて―(単著,2022)」などがあります。

氏 名 小倉 正義
職 名 教授
専門分野 発達臨床心理学
詳細データ
研究内容 発達障がい児者への心理教育,発達障がい児者やその家族のメンタルヘルスと支援,学校・家庭・地域の連携など
授業科目 特別支援教育における医療・教育の連携A,特別支援教育 心理学・教育学の連携Bなど
メッセージ

 専門分野は発達臨床心理学で,広く発達障がい児者やその家族への支援の研究,学校・家庭・地域の連携などをテーマとして研究を行っています。2021年4月から発達臨床センターの所長を務めており,多様性に応えることのできる教育の推進に力を入れています。また,学校現場,子育て支援や福祉の現場,医療機関など様々な現場でそだちの心理臨床に携わっています。主著に『6歳から使えるワークブック1 発達障害の子の気持ちのコントロール』『6歳から使えるワークブック2 発達障害の子の気持ちの聞き方・伝え方』(ともに共著,合同出版),『2E教育の理解と実践:発達障害児の才能を活かす』(分担執筆,金子書房)など。一人ひとりの子どもたちの姿を一緒に見つめ,ニーズに応えるために必要なことを一緒に考えていきたいと思います。

氏 名 岡 綾子
職 名 准教授
専門分野 障害児心理学
詳細データ
研究内容 自閉スペクトラム症児の社会的相互交渉
授業科目 今日的な特別支援教育の課題とその対応など
メッセージ

 専門分野は障害児心理学です。特に,自閉スペクトラム症児が社会的相互交渉を成立することができる環境調整と指導について臨床の実践,研究を行ってきました。また,障害のある子供や大人の教育・心理に関する相談活動も行っています。特別支援学校での勤務経験から,特別な支援を要する児童生徒の学びや生活の質を高めるには,指導者自身が学びや研鑽を継続させることが必要不可欠であると感じています。大学院で,特別な支援を要する児童生徒の教育についてじっくり考え,学ぶことは,修了後の実践に必ず生かされます。一緒に取り組んでいきましょう。

氏 名 高原 光恵
職 名 准教授
専門分野 特別支援心理学,感覚・知覚心理学
詳細データ
研究内容 視知覚,不安評価など
授業科目 特別支援教育における心理行動支援A・Bなど
メッセージ

 特別支援教育の場で見られるさまざまな現象に対して心理学的知見に基づく分析に取り組んでいます。授業での担当領域は,主に視覚障害・肢体不自由・発達障害であり,普段意識されにくい知覚のはたらきや環境要因に気づくことを始めとして,ものの見方・捉え方の違い,他者とのアイデア共有など,受講生同士が学び合う機会を設定しています。主観的な気づきを客観的な活動・成果へつなげられるよう,教職経験ある方も,これから志す方も,一緒に学んでいきませんか。

氏 名 坂口 純子
職 名 講師
専門分野 特別支援教育
詳細データ
研究内容 応用行動分析学に基づく支援,ポジティブ行動支援
授業科目 総合インターンシップ(特別支援),教職基礎力開発演習,教職協働力実践演習など
メッセージ

 特別支援学校教員として,主に知的障がいや自閉スペクトラム症の子どもたちの教育に携わってきました。また,小・中学校に対しては,学校全体で取り組むポジティブ行動支援(SWPBS)の研修を実施してきました。応用行動分析学の理論や技法を用いて,行動の機能(理由)を分析し,それに対応した環境,支援を行うことにより,子どもたちの行動は大きく変容します。「学び手は常に正しい」,子どもたちから教わりながら一緒にポジティブな支援について考え,実践していきませんか。

氏 名 高橋 眞琴 (2024年度~予定)
職 名 教授
専門分野 特別支援教育学
詳細データ
研究内容 特別支援教育関係の国内外の教育制度,教育課程,自立活動,地域連携に基づく発達支援
授業科目 特別支援教育の基礎理論,教育課程,指導法に関連する科目
メッセージ

 専門分野は,特別支援教育学です。特に,社会と環境との相互作用によって生じるディスアビリティと人間発達に関する研究を行っています。クロノシステムの中で障害の概念や教育制度がどのように変化し,環境に応じてどのような教育や支援が考えられてきたのか,また,環境設定によって,どのような社会的相互作用が生じたのかといった研究をしています。近年は,海外調査に基づき,多感覚を活用した教育・心理支援に関する研究や地域連携を基盤とした発達支援に関する研究も進めています。特別支援教育関係の教育課程や自立活動については,教務や校内研究等の実務経験がありますので,皆さんとの経験談の交流ができるのを楽しみにしています。

 

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教務部入試課広報係
電話:088-687-6460