進路指導

本校では、各学部段階に応じて、進路に関する学習内容を取り上げたり、関係機関や家庭との連携を図ったりするなど、キャリア教育の推進を図っています。

特に、中学部や高等部段階では、「職業・家庭」、「作業学習」、「自立活動」、「生活単元学習」などの授業との関連を図りながら、「はたらく体験学習(中学部)」や「就業体験(高等部)」など体験的・実践的な学習を重視しています。

また、保護者の方を対象に研修会を開催し、福祉に関する情報提供等に努めています。

1 施設・企業見学

高等部では、隔年で年に1回、施設・企業見学を実施しています。

2 就業体験・はたらく体験学習

中学部のはたらく体験学習

中学部では、中学部段階における生徒本人並びにその保護者に対する進路支援の充実を目的として、総合的な学習の時間に位置づけて実施しています。高等部の「就業体験」との目的の違いを明確にするため、名称を「はたらく体験学習」と変更しています。

学校以外の場所への通勤や、社会生活現場での作業や生活を体験すること、職業現場で大人や他の利用者の方と人間関係を築いたりやコミュニケーションを深めたりすることを実際に経験します。特に高等部への移行期を迎えた中学部3年生については、高等部で実施する本格的な就業体験に向けた準備にあたります。1~2日間と短い体験期間ですが、生徒たちにとっては中学部での早い段階からの貴重な体験となり、保護者にとっては将来に向けた情報収集の機会となります。また、中学部教員にとっても具体的な進路支援の一端を経験する機会と捉えています。

高等部の就業体験

高等部では、就業体験を作業学習の時間に位置づけ、年に2回(6月、9月)実施しています。就業体験先は、基本的に生徒本人並びに保護者のニーズに合わせて、進路担当者や担任がコーディネートしています。

この就業体験を通して、働くことの大切さを実感するとともに、卒業後の暮らしや働くことについて、より具体的に考えられるようにしています。就業体験では、働くための態度や技能、コミュニケーション、人間関係形成力など、持っている力を使い、どこまで社会の中で活動ができるかを感じ体験することができます。この体験的活動を一つの行事に終わらせるのではなく、通常の授業や諸活動との関連を図りながら取り組むことによって、卒業後の進路に向けての、より実践的な意欲や態度、技能などを育てています。

また、障がい者の社会参加に向けての啓発やそれぞれの個々にあった支援方法の共有など、保護者と学校と関係機関をつなぐための大切な活動として捉えています。

本校卒業生の進路(高等部卒業時)

  令和5年
(2023)
令和4年
(2022)
令和3年
(2021)
令和2年
(2020)
令和元年
(2019)
一般事業所 第一次産業(農業) 0 0 0 0 0
流通サービス業 1 0 0 0 1
国・地方公共団体 0 0 0 0 0
特定非営利活動法人(NPO) 0 0 0 0 0
福祉サービス事業所 生活介護 3 3 3 4 3
就労移行支援 0 1 2 0 1
就労継続支援A型 2 0 1 0 0
就労継続支援B型 2 4 2 3 2
生活訓練 0 0 0 0 0
地域活動支援センター 0 0 0 0 0
その他 0 0 0 0 1

3 進路懇談会

高等部では、2月に支援機関と生徒本人及び保護者との顔つなぎ、連携協力の場として進路懇談会を実施しています。障害者相談支援センター、障害者職業センター、障がい者就業・生活支援センター、ハローワーク、指定障害者相談支援事業者、県及び市町村の障害福祉担当者などに来校いただき、研修会などを実施しています。高等部3年生は、この機会を利用して進路先の担当者の方に来校いただき、学校での様子を参観しただいたり、卒業後の生活について相談したりする機会を設けています。

4 個別のケース(サービス調整)会議

進路や生活支援について、学校や家庭だけでは解決が困難な事態が生じた場合に、地域の相談支援事業者や市町村の障がい福祉担当者、また、相談支援センターやこども女性相談センターなどの関係機関の方々に集まっていただき、個別のケース会議を実施することもあります。

5 保護者研修会

障害福祉サービスや就労支援についてなど、卒業後の生活に関係する様々な情報を保護者の方に提供できるよう、福祉サービスに携わっている方や専門家等を講師としてお迎えし、年に数回保護者向けの研修会を開催しています。