美術科教育コース

コース概要

子どもの創造性を伸ばす高い専門性を磨く

 複数の教員による指導によって教職としての専門性が高められます
 美術科教育コースには,絵画・彫刻・デザイン・工芸・美術史・美術科教育を専門とする教員が在籍しています。教員はそれぞれの専門分野を生かして,図画工作・美術教育の内容・方法・実践の分析,教材の開発と研究,等について支援を行います。「図画工作・美術のより充実した授業を展開したい」「アーティストとして作品制作を究めたい」「芸術の理論的な課題を解決したい」など多くの要望に応えるため,教員一同,高い専門性を発揮して,大学院生と共に高めあってゆきます。

 様々なキャリアの学生,教員との交流の中で学びを深めることができます
 教員と院生,そして学部生を含めたメンバー全員が一つの家族のように一体となって,よりよい美術教育の実現に向かって邁進しています。ゼミあるいは勉強会での指導や討議などを通じて,自分自身の研究課題に向き合い,多くの仲間からのアドバイスを得ながら,理想の教育を探求することができます。現職の大学院生も在学しており,これから教員を目指す大学院生は,常に,現職教員から,様々な実践的なことを学ぶことができます。

 充実した環境のなかで専門性を高めることができます
 作品制作の場として,大学院では高度な専門性を培う場として,大学院生が一人ずつ,十分なスペースを与えられて,思う存分自己の作品制作に没頭する環境も保障しています。学部生も含めて,共同利用のアトリエにおいて,お互いに切磋琢磨しながら,自己の表現を追求する場として機能しています。そこで結実した作品は,美術コースが長年継続してきた,卒業・修了制作展で発表することで,多くの人々からの反響を得ることができます。

 

担当教員紹介(令和6年4月1日現在)    

氏 名 栗原 慶
職 名 教授
専門分野 工芸(陶芸)
詳細データ
研究内容 陶芸表現の研究,及び工芸の制作プロセスを取り入れた教材研究
授業科目 美術の教材開発演習A,美術の内容構成演習B 他
メッセージ

 工芸を専門としています。素材と手仕事の協調から生まれる造形を念頭に,陶芸の実制作を基本とした研究をしています。主に磁土を用いた制作をしており,作品は所属団体の日本工芸会や全国規模の公募展の他,個展・グループ展等で発表してきました。また,研究室で共同制作したインスタレーション作品の発表も行うなど,空間演出としての工芸の在り方も探っています。
 授業実践では,工芸から学ぶ様々な教科の内容,例えば創意と素材の関係や,生活感情の視点から導き出された造形要素などを題材にしています。
 現代の工芸は多様な表現で溢れ,一言では語れない分,可能性を秘めています。学生の皆さんには,伝統的に受け継がれてきたことを学びながら,素材の持ち昧を活かすこと,自分の手でつくることを探究していって欲しいと思います。そこから得た知見を学校教育や社会に還元し,造形分野の伝統と未来を紡げる人材となることを期待します。

氏 名 内藤 隆
職 名 教授
専門分野 デザイン
詳細データ
研究内容 主にグラフィック・デザインの造形・表現研究,デザイン的観点からのコミュニケーション・造形についての研究
授業科目 美術の教材開発演習A,美術の内容構成演習B 他
メッセージ

 デザインを専門分野としています。主にグラフィック・デザインの造形・表現研究,およびデザイン的観点からのコミュニケーション・造形について研究を行っています。また,木材造形及び映像メディアについての教育研究についても並行して進めています。
 自分の制作としては,最近はパソコンを伎用した制作が多いですが,エッチングなどの版画技法を用いたものやアクリルや硬筆などの画材を用いた平面作品もあります。一方論文としては,自分の制作についてまとめたものや,写真の原理を応用した授業内容をまとめたもの,図工授業用にグラフィック・デザインの要素をまとめたものなどがあります。
 みなさんに期待することは,「描ける・造れる」など各自の能力を少しずつ培い,それらを組み合わせて創造する力,時々に発生する問題を楽しんでクリアしていく心を持って頂く事です。あなたが楽しめば,きっと子供達にも伝わるからです。

氏 名 山田 芳明
職 名 教授
専門分野 美術科教育学
詳細データ
研究内容 主として授業分析にもとづく図画工作科,美術科教師の力量形成
授業科目 美術の学習指導と授業デザインB,教職基礎力開発演Ⅱ 他
メッセージ

 専門は美術科教育学です。本学に赴任する以前は,14年間小学校教員として図画工作科を中心に実践的な研究に取り組んでいました。そんなこともあり,「教育学は現場から生まれる」が私の信条です。現在は,教育現場(とりわけ小学校図画工作科)の実践から出発し,特に授業に着目した美術教育論の構築に取り組んでいます。また,最近は,教師の授業実践力や美術鑑賞実践における教育的課題等々にも関心を持っています。
 素朴な疑問の中に,本質が隠れています。「いい授業ってどんな授業なのだろうか」「美術教育って,将来役に立つのだろうか」等,何気なく思っていることをじっくり考えることから研究は始まります。図画工作や美術科に関心を持っていたり,実践を積み重ねたりしてきた人はもちろん,苦手だったり,嫌いだったりする人も,是非一緒に図画工作や美術の教育について考えたり,語り合ったりしましょう。それが,これからの美術教育を切り開いていく大切な第一歩になるのです。

氏 名 小川 勝
職 名 特命教授
専門分野 美術史学,芸術学
詳細データ
研究内容 洞窟壁画をはじめとする先史岩面画の芸術学的調査研究
授業科目 美術の内容構成演習A,教職基礎力開発演習Ⅰ 他
メッセージ

 美術史・芸術学を専門分野としております。具体的には主にラスコーなどの洞窟壁画の調査研究を行ってきました。また,世界各地の先史岩面画遺跡を踏査し,その制作年代などを,実証的に調べてきました。理論的研究としては,美術の起源や役割についての論文も執筆しています。
 学生に期待することは,美術作品を制作年代や作者の名前,また作品タイトルなどの知識を得ることで理解したとは考えず,まずは自分の目で作品をじっくりと観察して,他の誰にも出せないような言葉を紡ぎ出してほしいということです。美術は,教室で教師と児童生徒が経験を共有することで意義深いものとなると考えますので,大学院では美術作品への独自な姿勢を培ってもらいたいと願っています。

氏 名 鈴木 久人
職 名 特命教授
専門分野 絵画
詳細データ
研究内容 ミクストメディアによる絵画制作とその素材と表現について
授業科目 教職基礎力開発演習Ⅰ,美術の内容構成演習A,教育実践研究Ⅰ 他
メッセージ

 絵画表現を専門分野としております。研究内容としては,実際の制作をもとに現代美術における表現と素材の関係,支持体を含むそれら絵画材料と技法の研究を進めています。制作発表は,所属する国画会(会員発表),個展,グルーブ展などで行っています。受賞歴としては損保ジャパン美術財団奨励賞(平成15年,第77回国展に於いて)があります。また教科の内容学の立場から図画工作科・美術科教育の実践に関する研究を行っています。学生には,現場での美術科教育が持つ問題を踏まえて,その解決のため,積極的に実践に取り組むこと期待しています。

氏 名 家﨑 萌
職 名 准教授
専門分野 美術科教育学
詳細データ
研究内容 美術・図画工作の授業開発や国際交流,他者や場にかかわる造形活動の研究 等
授業科目 美術の学習指導と授業デザインA,教職基礎力開発演習Ⅱ 他
メッセージ

 専門分野は美術科教育です。東京都の小学校図画工作科専科教諭を経て,これまで場と他者との関わりを中心に,図画工作科の授業開発研究,チェコと日本を往還する共同授業研究,日米の大学生による美術教育のプロジェクト等に取り組んできました。私たちの経験と結びついた造形にどのようなパターンや構造が見出せるのか,美術の表現や鑑賞で材料や作品,身体と空間はどのように作用し合うのか,美術を介した自他のコミュニケーションは学習者にどのような変容をもたらすのか,といったテーマに関心があります。
 子どもの造形プロセスを丁寧に読み取ったり,自身のつくる過程や造形表現を省察したりすることで,自分なりの問いや課題を見つけ,多様な他者と協同し,実践を開発,改善していくサイクルを大切にしてほしいと考えます。

氏 名 武内 優記
職 名 准教授
専門分野 彫刻
詳細データ
研究内容 メディア混交による立体及び空間表現の研究
授業科目 美術の内容構成演習A,美術の教材開発演習B 他
メッセージ

 彫刻を専門とし,立体・キネティックアート・映像・web等,様々なメディアによる制作・研究を行っています。実践的な活動では,個展・グループ展での発表や美術イベントの共同企画,ワークショップの運営など,作品を展開する場作りや,美術を介した社会連携にも取り組んできました。作品制作や美術プログラム作成においては作品の質と同等に,制作プロセスを重視しています。それは,何かを「つくる」過程での感動や表出にも美的なものが潜んでいると感じているからです。
 私たちには,未来を担っていく子供たちに影響や刺激を与える大きな仕事が待っています。みなさんには,つくることの奥深さを忘れずに,より良い未来を形成していくための人材となることを期待します。そして,そこで得た知見を生かして子供たちや社会と協働していってほしいと思います。

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