英語科教育コース

コース概要

英語を教えることの意味を考える

 

 フィールドワークを通して,学校現場で求められる英語科授業実践力を養います
 英語科授業実践力とは,児童・生徒の実態や学校現場の実状に即して,英語科授業(小学校の場合,外国語活動・外国語の授業)を構想,展開,省察する力です。英語科教育コースでは,学習指導要領をふまえつつも,自分らしい英語科授業を行うために,指導案の作成,教材研究や教材開発,情報機器等の教具の活用のあり方,コミュニケーション活動・言語活動のデザイン,授業における教室英語の使い方,授業の振り返りなど,英語科授業を実践するために必要な資質・能力を,学校現場でのフィールドワーク(実習)と大学での授業を通して養います。

 

 英語の専門的知見を通して,言語や文化を学ぶことの意味や面白さを再考します
 グローバル化する現代社会における生き残りのために,日本人の英語力の育成がこれまで以上に叫ばれています。そのようななか,私たち個々人の日常生活や将来の夢とかけ離れた英語の学習や教育が行われているという実態がないでしょうか。何のために英語を学ぶ(教える)のか―このような時代だからこそ,改めて英語を学ぶ(教える)ことの意味を問い直し再確認する必要があるのではないでしょうか。英語科教育コースでは,さまざまなキャリアをもつ者,例えば,英語や英語文化を専門とする者,英語教師を目指す者,学校で英語を教えてきた者,他分野に学びこれから英語教育の専門を修めようとする者がつどい,英語学や英語文学といった英語や英語文化に関する専門,その楽しさや面白さを学び,学校英語教育の意味を再考します。

 

 新しい時代の英語教育を切り開く実践的な研究力を身につけます
 現在,学校英語教育では,小学校・中学校・高等学校の英語教育の接続,ICT機器やデジタル教材の活用,アクティブ・ラーニングの導入,英語による授業実践などが求められ,授業のあり方が大きく変わろうとしています。また,英語教育・学習の状況や課題は,地域や学校により,同じ学校であっても学級により,さらには,児童・生徒により異なります。その状況や課題は,時代を経て変化していきます。そのような中において,自分が英語を学んできた(教えられてきた)方法をもとに,与えられた教科書・教材をマニュアル的にこなしているだけでは,多様で,かつ,変化していく状況・課題に対処することはできません。つまり,教員自身がみずから考え,新たな英語科教育を創造・展開していくことが求められます。英語科教育コースでは,英語教育学の研究手法を用いて,よりよい英語科授業実践の方法や内容を追究する力を育成します。

 

 

 

担当教員紹介(令和5年4月1日現在)

氏 名 薮下 克彦
職 名 教授
専門分野 理論言語学(形式意味論(formal semantics)),英語学
詳細データ
研究内容 論理学,ゲーム理論,情報理論,確率論などの形式的(formal)道具立てを用いた言語現象,特に意味,解釈に関する現象の分析言語学,英語学の英文法教育への応用など
授業科目 学校支援のための教科教育実践演習(英語),英語科教育の内容構成演習A
メッセージ

 英語科教育コースは教職大学院に所属しているため,本コースの受験を検討されている方の多くが,英語(科)教育について学びたい,研究したい,さらには,英語科教授法,英語の授業にすぐ役立つテクニックなどを身につけることを期待されているのではないでしょうか。しかし,どの教科でもそうですが,よい授業をするためには教師が教科内容を高度なレベルで理解していることが必要条件になります。教科内容の専門性が無い教師の授業は,「内容が無いよう」というような笑うに笑えない状況になります。本学には,英語(科)教育の他に,英語学,英語文学,コミュニケーション学などの関連専門分野の研究者がいますので,教科内容の専門性を深めるには良い環境であると思います。
 私の専門は,上記のように,言語学・英語学で,英語(科)教育で言うと,具体的には文法や発音の指導に関する内容の研究をお手伝いすることができると思います。例えば,英語(科),特に文法は暗記科目だと思っている人が多いと思いますが,言語学・英語学の知見や方法論で検討すると,それまで見えていなかった規則性が明らかになり,暗記するのではなく,理解する文法教材や指導法を提案することが可能です。英語(科)教授法だけでなく英語(科)教科内容に言語学・英語学の知見を活用することに興味を持っている方にも本コースに入学していただきたいと思っています。

氏 名 山森 直人
職 名 教授
専門分野 英語教育学
詳細データ
研究内容 英語科授業研究,英語科教師教育研究,英語科経営研究など
授業科目 学校支援のための教科教育実践演習(英語) ,英語科教育の教材開発演習B
メッセージ

 子どもの学びや教師の成長における「ことば」の役割に興味があり,この観点から,英語科授業研究,英語科教師教育研究,英語科経営研究を行っています。特に,英語科授業研究では,授業における教師の言語使用や児童・生徒との対話に興味があり,対話的指導のあり方を追究しています。教師教育研究という点では,そのような指導ができる英語教師の育成について考えています。そして,英語科教員が協働して勤務校の英語教育を組織的に開発・改善する営みを英語科経営と呼び,そのあり方についても興味を持っています。もともとは公立高等学校の英語教師でしたが,小学校や中学校の英語教育も研究対象としています。著書に『新・教職課程演習 第18巻 中等英語科教育』(2021年,共著,協同出版)などがあります。

氏 名 Gerard Marchesseau
職 名 准教授
専門分野 Communicative Language Teaching
詳細データ
研究内容 Motivation, Content-based language teaching
授業科目 教職基礎力開発演習(英語)
メッセージ

 Coming from Canada originally, I have been teaching English in Japan for over twenty years now. My areas of interest are motivation in second language learning, Content-language integrated learning and task-based language teaching. I am also a member of the Center for Elementary School English Education and have been involved in the design and production of support material for teachers with the 'Center'. 

氏 名 千菊 基司
職 名 准教授
専門分野 英語教育学
詳細データ
研究内容 英語科指導法に関する研究
授業科目 学校支援のための教科教育実践演習(英語),英語科教育の学習指導と授業デザインB
メッセージ

 英語を使える学力をつけるには,授業の中で英語を使わせるしかありません。その指導法,中でも活動のあり方を主に研究し,実践してきました。活動している児童・生徒を見る時には,生き生きと英語を話す姿ばかりに目が行くものですが,自分で活動を作るとなると,目標の設定に始まり,その達成のための場面や役割の設定を考え,引き出したい英語を想像し,助言や評価のあり方を含め,授業時間内に終わるように指導手順を考える必要があります。このようにして作った活動を通じ,生徒が学ぶ姿,英語を身につけていく様子を見るのが,英語教師という仕事の,この上ない楽しみなのです。そんな英語の授業のあり方を,ともに学び,考えていきましょう。

氏 名 佐藤 美智子
職 名 特命准教授
専門分野 小学校外国語教育
詳細データ
研究内容 指導と評価の一体化,自律的学習者を育成する外国語の授業の在り方
授業科目 学校支援のための教科教育実践演習(英語),英語科教育の教材開発演習A,英語科教育の学習指導と授業デザインA
メッセージ

 研究分野は,小学校外国語教育です。小学校教育に根ざした「子どもの心が育つ」外国語の授業を求めて,教育委員会指導主事の立場や実際に児童と関わる小学校教員という立場から,これまで実践研究に取り組んできました。現在進めている研究課題としては,「児童の主体的案学びを促す指導や評価の在り方」「自立的学習者を育成する外国語の授業の在り方」などがあります。令和2年度から小学校で新学習指導要領が全面実施となり,新しい外国語教育がスタートしています。中学校,高等学校へとつながる外国語教育の入り口となる小学校。動機付けの上からも大変重要な意味をもちます。これからの小学校外国語教育について一緒に学びませんか。主な著書に,『小学校外国語教育の指導と評価』(2021年,共著,文溪堂)『イラストで見る全単元・全時間の授業の全て小学校6年』(2021年,共著,明治図書)など。

氏 名 木口 圭子
職 名 講師
専門分野 英語文学
詳細データ
研究内容 イギリス詩,Stevie Smith
授業科目 学校支援のための教科教育実践演習(英語),英語科教育の基礎演習B,英語科教育の内容構成演習B
メッセージ

 20世紀イギリスの詩人Stevie Smithを研究しており,授業ではイギリス詩や英米文化についてお話をすることが多いです。アガサ・クリスティ作品などの推理小説や,ハリー・ポッターシリーズのような児童文学を読むこともあります。原書である英語文学のリーディングから始め,関連する映像教材を援用しながら総合的な英語力の向上を図ります。同時に,言語を習得する上での欠かせない知識として,言葉の背景に必ず存在する歴史や文化について学んでいきます。学生の皆さんには,英語詩のテクニックである頭韻や脚韻など,いわゆる「言葉遊び」の楽しさにたくさん触れてもらい,ご自身が教職についたあとも若い世代に英語の面白さを伝達していただければ幸いです。

氏 名 森山 倭成
職 名 講師
専門分野 英語学,言語学
詳細データ
研究内容 言語の階層性
授業科目 学校支援のための教科教育実践演習(英語),英語科教育の教材開発演習A
メッセージ

 専門は英語学・言語学で,生成文法の理論に基づいて言語の階層性に関する研究を行っています。主な研究トピックは,分離CP構造,分裂文,アロキュティビティ,コピュラ,肥筑方言のノ格主語です。上記のトピックにとどまらず,さまざまな統語現象に関心を持って研究に取り組んでいます。

氏 名 直山 木綿子
職 名 客員教授
専門分野 外国語(英語)教育
 
研究内容 学習者が思考を働かせ,外国語によるコミュニケーションを図る力を身に付ける指導の在り方
授業科目 英語科教育の教材開発演習A,英語科教育の学習指導と授業デザインA
メッセージ

-編集中-

 

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電話:088-687-6460