国語科教育コース

コース概要

ことばをみがく

 
 よりよい国語の授業作り ―専門的な教育と研究―
 「おもしろい国語の授業をしたい」「今取り組んでいる課題を深めたい」「言語文化についてもっと知りたい」このようなことを思っている方は本コースで学んでみませんか。
 国語科教育コースでは,国語科教育・国語学・国文学を専門とする教員がそれぞれの専門分野を生かしつつ,チームを組んで小学校から高等学校までのよりよい授業作りを支援します。
 複数の教員が担当する授業では,教材研究や模擬授業の際に,複眼的かつ総合的に学びを深めることができます。

 すべては対話から ―気軽に話せる人間関係―
 「すべては対話から」という考え方のもと,良好な人間関係を構築し,所属する院生と教員の距離が近いのが本コースの特徴です。授業やゼミの時間での議論はもちろん,授業時間以外でも,教員研究室で雑談の花を咲かせています。
 院生には,小・中・高等学校で教職に就いている方のほか,本学や他大学の学部の卒業生,教職以外の社会人経験を持った方などが混在し,院生室で賑やかに交流しています。これから社会に出て,教員を目指そうとしている院生は,社会人としての心構え,学校現場の楽しさ,やりがいを学んでい ます。

 修了後のつながり ―広がるサポート―
 鳴門教育大学国語教育学会の学会誌『語文と教育』には,院生同士の交流や,ゼミでの活発な討議から生まれた研究成果が掲載されます。全国の小・中・高等学校で勤務している修了生による教育実践の最新の成果も掲載されており,修了生達の様子を誌面を通して知ることができます。
 また,修了生の要望に応じて教員が出前授業を行うなど,国語科教育の内容・方法・実践の分析,教材の研究と開発,授業のデザインやその改善等を修了生とともに考え,課題解決への道を探るというアフターケアも充実しています。  
 

 

担当教員紹介(令和6年4月1日現在)          

氏 名 幾田 伸司
職 名 教授
専門分野 国語科教育学
詳細データ
研究内容 国語教科書史,国語科教材論,国語科授業論
授業科目 学校支援のための教科教育実践Ⅰ・Ⅱ,国語科教育(話すこと・聞くこと)の学習指導と授業デザインなど
メッセージ

 国語科は,ことばで考えたり,ことばでつながり合ったりする力を育てる教科です。そうした「ことばの力」を育てるために,どのように子供たちの学びを仕組んでいくかを,教師は考えなければなりません。教材を深く読むこと,授業に問いや仕掛けを作ること,子供の多様な反応を想像することなど,授業にあたって教師が考えるべきことはたくさんあります。そのような授業構想のための手立てを考え,みがきあうことを大学院の学修では目指します。国語の授業に必要な考え方の引き出しを増やせるように,院生のみなさんを支援したいと思います。

氏 名 原 卓志
職 名 特命教授
専門分野 国語学(古典語)
詳細データ
研究内容 和語・漢語の意味変化についての研究,地方語史の研究,地方寺院所蔵文献の研究
授業科目 国語科教育の基礎演習(古典文学・語学),教職基礎力開発演習Ⅰ・Ⅱなど
メッセージ

 専門は国語学(古典語)で,和語・漢語の意味変化についての研究や,徳島県を中心とした地方語の歴史についての研究など,国語についての歴史的な研究をしています。最近では,地方寺院の所蔵文献についての悉皆調査に時間をかけています。
 大学院では,コミュニケーション・言語事項に関わる学習内容について,教科書教材だけにとどまらず,広く学習者の言語生活の中から問題点として見出し,それを教材として学習指導に活用することを考えていきたいと計画しています。また,ともすると暗記する学習へと陥りやすい文法や語彙などに関わる学習を,発見する学習へと転換するための方策についても議論を深めていきたいと考えています。

氏 名 余郷 裕次
職 名 特命教授
専門分野 国語科教育学
詳細データ
研究内容 絵本モンタージュ,音読・朗読指導,国語教材史研究
授業科目 国語科教育(読むこと)の教材開発演習,国語科教育(話すこと・聞くこと)の学習指導と授業デザインなど
メッセージ

 専門は,国語科教育学です。国語教材史研究,音読・朗読指導,絵本の読み聞かせ,絵本モンタージュを研究しています。著書に『絵本のひみつ―絵本の知と読み聞かせの心―」(徳島新聞社他)などがあります。
 大学院では,子どもたちの言語生活全体を扱います。絵本やマンガといった子どもをとりまくメディアから,発声・発音を支える呼吸や姿勢まで,有形・無形のあらゆる言語文化を研究対象とします。子どもたちが言語文化の担い手として健全に成長・発達できるように,国語科教育の歴史に学びながら,未来を切り開くような国語科教育の研究を行います。

氏 名 平川 恵実子
職 名 准教授
専門分野 日本古典文学
詳細データ
研究内容 古典文学,寺院資料調査,南方熊楠
授業科目 国語科教育(古典文学)の内容構成演習,教職基礎力開発演習 Ⅰ・Ⅱなど
メッセージ

 専門は日本古典文学で,仏教説話を研究しています。四国内の寺院の所蔵文献を調査しながら,古典文学を後世に残そうとした様々な人達の存在を実感したりもしています。また,南方熊楠の自筆資料を調査し,古典文学の受容の仕方や,熊楠の研究生活を読み解いたりもしています。
 大学院では古典文学作品について,何を伝えたいのか,どんな表現をしているのかを考えます。そのためには当時の生活や信仰,社会情勢,写本や版本などの書籍をめぐる文化も理解する必要があります。古典文学作品の普遍性と現代との相違点に気づき,他者にわかりやすく伝えられるように,一緒に学びましょう。

氏 名 構 大樹
職 名 講師
専門分野 日本近現代文学・文化
詳細データ
研究内容 宮沢賢治,文豪イメージの形成,定番教材
授業科目 国語科教育の基礎演習(近現代文学),国語科教育(近現代文学)の内容構成演習など
メッセージ

 専門は日本の近現代文学および文化で,主に宮沢賢治の読まれ方,享受のされ方の変遷について,社会や文化状況を踏まえながら研究しています。他にも作家が「文豪」として認知されるようになるプロセスの考察や,怪異文学の分析,いわゆる定番教材と呼ばれる文学作品の読み直しなどをおこなっています。
 大学院では文学作品の細部にこだわった読みや,逆に作品を孤立させない読みの実践などを通じて,文学が持つ“おもしろさ”と“社会性”を立体的に考えていきます。と同時に,文学作品を読み解いていく方法が,さまざまなジャンルの物語に転用できること,さらには私たちの日常を捉え直す視点を提供してくれることの手応えが得られるように,サポートしたいと思います。

 

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