タラの芽と機能性食品に関する研究
協力形態
共同研究,受託研究
課題名
タラの芽と機能性食品に関する研究
研究者名
生活・健康系コース(家庭)
教授 前 田 英 雄
要約
タラの芽に含まれる生理活性物質(抗脂血作用,抗肥満作用物質)を検索し,それを用いて機能性食品を開発することを目的とする。
研究概要説明
タラの芽は山菜の王様と言われるぐらいその独特の味と香りは人気がある。その中でも特に人気があるのは天ぷらである。徳島県西の三好地域は,タラの芽のふかし栽培法で生育したタラの芽が早春の市場に多く出荷されている。その大部分は一般家庭や飲食店で食されているのが現状であると思われる。タラの芽は食する以外に,古来よりその根や樹皮は漢方薬として広く民間薬として親しまれている。本研究では,タラの芽に含まれるフラボノイドを抽出し,その生理活性物質を単離同定し,タラの芽の付加価値を高める研究を目標としている。特にその中に含まれる抗菌作用,抗脂血作用あるいは抗肥満作用物質の検索をラットなどの実験動物を用いて研究する予定である。
これまでに期待される生理活性物質の予備実験を行ってきた。抗菌作用についてはグラム陰性菌およびグラム陽性菌を用いて検討したが,茶などに含まれるカテキン以上の著しい抗菌活性は認められなかった。一方,凍結乾燥したタラの芽粉末そのものをラット飼料に5%量配合して2週間飼育後,肝臓や血中脂質を生化学的に分析すると,脂質成分の一部に抗脂血作用が認められた。抗脂血作用がタラの芽に含まれるどの成分に由来するのか,その物質の同定が待たれる。このようなタラの芽に含まれる有用な生理活性物質を効率的に抽出し,食品に添加したり,健康増進や医薬品に活用できないか,今後の研究が待たれる。
キーワード
タラの芽,エタノール抽出物,フラボノイド,機能性食品,抗菌作用,抗脂血作用,抗肥満作用物質
備考
最終更新日:2010年01月12日