教員養成特別コース

コース概要

じんわり「こども」がみえてくる

 
インターンシップ(実習)で実践力をつける
 本コースは,小学校教員を志望する学卒者や社会人を対象に,意欲的で,高い実践力をもつ新人教員の養成を目指しています。教職大学院の中でも本コースは,インターンシップ(実習)の期間を長く設定しており,その経験を軸に,教員として必要な力量を高めることを特徴としています。特に,2 年次の実習では,4~5月及び夏休み明け~11月にわたって,週2日ないし3日,同じ小学校で長期間の実習を行いますので,配属学級での学級開きに続き,日を追って学級がまとまっていく様子を目の当たりにしたり,継続的に子どもたちの成長に携わり,その変容をみとったりすることが可能になります。このような実習での経験を通して,授業を構成・展開・省察する力,多様な子どもの実態を理解し,適切に対応する力,学級集団を形成・運営する力,先輩・同僚教員と協働する力など,教育現場で必要な力を総合的に身につけることができます。

インターンシップ(実習)に連動した授業科目で実践力を高める
 本コースで開設している他の授業科目も実習と連動したものが多く,チームごとに授業を設計して互いに模擬授業を行う,学校での授業観察をもとにディスカッションする,自分の理想とする学級経営のプランを立てる,実習で出会った子どもの事例検討を行うなど、実践と強く結びついた内容となっています。

教員採用試験に合格して実践力のある教師になる
 本コースはコースを挙げて教員採用試験対策に取り組んでおり,教師になりたいという強い志をもつ人を全面的にバックアップする体制が整っています。本コースの所属教員は,実務家教員(教職経験や教育委員会の勤務経験がある者)と研究者教員がおよそ半数ずつを占め,それぞれのもち味を生かしながら協働して教育活動にあたっています。各教員による個別ゼミに加え,たびたび合同ゼミの機会も設け,模擬授業や教採対策などを実施しています。
 

 

 

担当教員紹介(令和6年4月1日現在)

氏 名 生田 雅和
職 名 教授
専門分野 小学校教育実践,教育実践学
詳細データ
研究内容 地域における教育課題探求,教育施策・教育法規
授業科目 教職基礎力開発演習Ⅰ・Ⅱ,生徒指導実践演習A・Bなど
メッセージ

 県内の様々な地域・規模の小学校における,教諭・管理職としての勤務経験を踏まえ,複雑化する教育課題への具体的な対応について,対話や事例検討等を取り入れながら,探求していければと思います。
 また,徳島県教育委員会において人事や人材育成を中心に様々な教育施策に携わった経験もありますので,教育大綱や教育振興計画,推進されている施策等をもとに,これからの教育の方向性を考えたり,教育活動のベースとなる関係法令等への理解を深めたりすることにも取り組んでいきたいと思います。
 Vision・Passion・Communication・Decision・Actionを身につけ,一人一人の子どもたちの学びや成長に伴走できる教員をめざし,ともに頑張りましょう。

氏 名 江川 克弘
職 名 教授
専門分野 教授学習心理学,教育実践学
詳細データ
研究内容 模倣による学習(特に作文学習),読書離れ改善に対する取り組み
授業科目 学級経営実践演習A・B,教職協働力実践演習Ⅰ・Ⅱなど
メッセージ

 専門は教授・学習心理学です。私は18年間小学校教員をしていました。その中で子どもたちの学習への動機づけを高め,学力も高められるような学習方法について実践研究を行い,現在も継続しています。院生のみなさんとは「どうすれば子どもは分かる・できるようになるのか」ということを一緒に考えていけたらと思っています。そして,そのプロセスで「授業設計力」と「授業実践力」を身に付けてもらいたいと考えています。子どもが学校の中で最も多くの時間を費やすのが学習時間です。この時間を楽しく充実したものにすることが教師という仕事の核心であると私は考えています。大学院での授業や実習を通してこの2つの力を錬成しましょう。 

氏 名 川上 綾子
職 名 教授
専門分野 教育工学,認知心理学
詳細データ
研究内容 学習者の認知に基づく授業設計,教師教育・教員養成に関する研究など
授業科目 教育実践の事例研究など
メッセージ

 専門分野は認知心理学・教育工学であり,興味の中心は「学びのメカニズム」です。学びが深まっていくプロセス,それに影響を及ぼす要因,初心者と熟達者の認知的違いなどのテーマに心惹かれます。具体的には,学習者の認知に基づく授業設計,学習におけるコミュニケーションの役割,教員養成教育における授業力育成法などを研究しています。
 ミステリーが大好きなのですが,優れた授業はミステリーになぞらえることができます。解きたくなる謎に自ずと誘い込まれ,証拠(教材)の吟味や関係者(仲間や教師)との対話を経て推理(考え)を深めていき,最後には伏線がきれいに回収されて謎が解明し,そしてまた次の謎に挑みたくなる…そんな魅力のある授業を一緒に考えていきましょう。

氏 名 木下 光二
職 名 特命教授
専門分野 幼児教育実践,小学校教育実践
詳細データ
研究内容 遊びや保育の質向上に関する研究,幼小の接続及び架け橋期の活動やカリキュラム作成等の研究
授業科目 教育実践の事例研究,教職協働力実 践演習Ⅰ・Ⅱ,総合インターンシップなど
メッセージ

 専門分野は,幼児教育実践,小学校教育実践です。本学附属小学校及び附属幼稚園等に勤めた経験から,主に幼児教育と小学校教育との連携や接続を図る交流活動やカリキュラム開発等の研究をしています。幼児教育においては,遊びや保育の質向上に向けての保育実践や環境構成の研究,アプローチカリキュラムや接続カリキュラムの開発等を行い,小学校教育においては,授業設計や授業評価などの授業実践研究はもとより,学級経営や生徒指導等の研究も行っています。これらの経験や研究をもとに,文部科学省の指導資料作成委員や幼小接続検討会委員,国立教育政策研究所の保育の質調査委員なども勤めています。授業実践力を高めるためにも,子どもの具体的な学びや育ち,幼児期と連続した発達や成長について一緒に考えてみませんか。 

氏 名 馬場 大樹
職 名 准教授
専門分野 教育方法学,社会科教育
詳細データ
研究内容 子どもの政治的主体性を育てる社会科授業,ICT教材と教師の志向性との関係性など
授業科目 教育方法学,社会科教育
メッセージ

 授業という空間は,ある明示的な教育内容を教師から子どもへと伝達しようとする場であるとともに,その空間のつくり自体が,その場に存在する人間全員に対して暗黙のうちに大きく作用をもたらす場でもあります。そのため,子どもは授業という空間に足を踏み入れているだけでも周囲からの影響を大きく受けながら育っており,また子どもだけではなく教師も,その教室の空間のつくりに従って,知らないながらに大きな影響を受けていると考えられます。
 こうした観点から,子どもの政治的な主体性が周囲の影響を受けながら形成されること,また周囲の影響を受けるとすればどのように影響受けることがより良いと言えるのか,について,理論的かつ実証的に研究に取り組んでいます。加えて同様の観点から,ICT教材が配置され,活用されるようになった空間が,教師の授業づくりへの構え(志向性)にどのように作用しているのか,そのことを踏まえて教師はどうICT教材と対峙しうるのかについても研究を進めています。
 ところで,上に述べたような意味で,実は大学という空間も,明示的に教えー教えられる営みが生じているとともに,その場に居るだけでも学生や教員が「つねにすでに」学んでしまっているような場所なのではないでしょうか。ぜひそのような場所で互いに作用し合うことができれば幸いです。  

氏 名 秋田 泰宏
職 名 講師
専門分野 小学校授業・学級経営実践,教育技術・技能論
詳細データ
研究内容 教育の方法と技術・技能に関する研究
授業科目 教職基礎力開発演習Ⅰ・Ⅱ,教育実践研究Ⅰ・Ⅱなど
メッセージ

 25年間,公立小学校教師として授業と学級経営に打ち込んできました。昨今,学校現場は課題山積,「ブラック」だと揶揄されます。しかし,教育の技術を学び,技能を高める努力をすれば,教師ほど素晴らしい仕事はありません。毎日が,やりがいと幸せの連続です。教師を志す皆さんと,一緒に学べることを楽しみにしています。

氏 名 松浦 昌宏
職 名 講師
専門分野 小学校教育実践
詳細データ
研究内容

互恵的・対話的な学びを促進する授業設計,洞察力・判断力・実践力を高める人権教育など

授業科目 学級経営実践演習A・B,教職基礎力開発演習Ⅰ・Ⅱ
メッセージ

-編集中-

氏 名 賀川 隆博
職 名 教職大学院支援アドバイザー
専門分野 小学校教育実践
研究内容 小学校理科における効果的な授業方法についての研究
授業科目 教職基礎力開発演習Ⅰ・Ⅱなど
メッセージ

*座右の銘「どうにかなるさ」
*趣味は弓道(練士五段)
 大学入試に失敗し,いやというほど自分の実力を知り,自信を喪失。浪人中には世間の冷たい視線と努力すれば結果につながることを体験。大学では効率の良い単位の取り方の研究に精を出し,サークル活動(弓道)では調子のよい時にこそ冷静な分析が必要であることに気づき,結果も残し,自信を取り戻すことができました。そのような失敗や成功体験が,多少のことではめげない自分を創り,教員生活を乗り切ることができたものと思います。
 学校現場では,小・中学校で勤務。特に小学校では理科を中心に県下の理科好きな仲間と理科教育研究会(年定例6回)を開催し,実践に生かすよう心掛けてきました。これらの経験が,少しでも皆様のお力になれればと考えています。

氏 名 端村 達也
職 名 教職大学院支援アドバイザー
専門分野 小学校教育実践
研究内容 CSを活用した学校運営,見方・考え方を働かせ自分の考えを深める指導法の工夫(体育科教育)
授業科目 教職協働力実践演習、教職基礎力開発演習Ⅰ・Ⅱ
メッセージ

 専門は小学校教育実践です。徳島県内の小・中学校で30年以上の勤務経験があります。教諭時代は、「子どもにとって一番よいことを」を座右の銘として学級経営や生徒指導はもとより、体育科授業や体育的行事、小体連の運営に力を注いできました。教頭時代は、教職員の資質向上や教師力の向上に努めました。校長時代は、学校教育目標の実現に向けサーバントリーダーに徹し、学校力の向上を図りました。またCSを活用し、地域と一体となって子どもたちを育む「地域とともにある学校づくり」を推進し、防災教育にも取り組みました。
 これから教師をめざす皆さんが、豊かな知識と確かな実践力を習得し、希望と自信に満ちた教職生活をスタートできるよう精一杯支援していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

先輩からのメッセージはこちら