数学科教育コース

コース概要

未来を切り拓く,算数・数学教育の創造!

 

数学の専門性と数学教育の知見を基礎にした高い実践力を育成します
 算数・数学の教育では,児童生徒を深い理解に導くとともに,学習内容を活用する力を育成することが重要です。数学科教育コースでは, そのような質の高い授業実践力を備えた算数科・数学科担当教員の養成を目的にしています。そのために,数学の専門性を基礎にしながら,児童生徒の発達や認知特性に合わせた授業が実践できる力を育成します。

 

理論と実践を往還する講義体系を構築しています
 講義では,算数・数学教育の理論と実践をバランスよく学べることを目標としています。授業デザインや教材開発の理論を学んだ後,それを実際に模擬授業等を通して実践することで,理論に対する深い理解と授業実践力が身につきます。このような理論的知見と授業実践力を基礎にして,学校現場におけるフィールドワークに臨みます。このフィールドワークと課題研究を通して,算数・数学教育の多岐にわたる課題に対応できる応用力を高めます。また,数学と数学教育の専門性を同時に高められるよう,数学が専門の教員と数学教育が専門の教員が連携して授業を実施しています。

 

学生一人一人の興味関心・資質に沿った指導を行っています
 数学科教育コースでは,学生一人一人の興味関心を大切にし,個々の特性や資質を伸ばすことを目標としています。そのため,少人数体制で実施する研究指導は指導教員が主として担当しますが,指導教員以外の教員とも自由に議論できる環境を提供しています。例えば,専門(数学あるいは数学教育)が異なる複数の教員と議論することができます。さらに,コースに所属する学生が,研究内容を相互に共有し意見交換する機会も設けています。また,教材に関する豊富な文献や教具が揃っていますので,教材についての様々な着想を得ることができます。課外活動として教員採用試験の過去問題を解説指導する教員採用試験対策塾も開いています。

 

 

 

担当教員紹介(令和5年4月1日現在)

氏 名 秋田 美代
職 名 教授
専門分野 数学科教育学
詳細データ
研究内容 創造性の育成,自律的学習能力の育成,教員教育
授業科目 初等・中等教科教育実践Ⅲ,数学科教育学特論(学部),学校支援のための教科教育実践演習Ⅰ,数理認識教育(数学)の学習指導と授業デザインA(大学院)など
メッセージ

 学習者が,自らの人生を拓く資質・能力を確実に高められるように,近年,学校・教員に対しては,より高い水準が求められるようになっています。算数・数学科担当教員として,学習者の成長や発達段階についての十分な理解と数学を効果的・効率的に学習させられる数学の専門性,数学教育の理論・方法,教育実践力を併せもつことが大切です。
 日本の数学教育においては,学習者が柔軟的・独創的にアイディアを生み出すことに課題が見られ,獲得した知識や技能を活用する力が弱いことが報告されています。一方,国外に目を向けても,国の経済規模や教育発展の度合いに関わらず,学習者に数学に対する自律的な学習能力を十分に身に付けさせることができていないことは,日本及び世界の数学教育の積年の課題です。
 授業やゼミナールでは,この数学教育の課題を解決する方法を一緒に考えます。一般的に数学の系統性の強さは,教員の算数・数学の指導や学習者の学習を困難にする要因と考えられる傾向にありますが,数学の学問的構成原理を基に学習内容を構造化することによって,指導や学習の柔軟性を生むための強みにして,学習者が数学に対する自律的な学習能力を高めたり,自身で新しい数学の知識を創造したりできるようにする指導方法を共に創り出しましょう。

氏 名 宮口 智成
職 名 教授
専門分野 応用数学, 統計力学, 非線形力学
詳細データ
研究内容 自然現象に見られるランダムな挙動の数理解析
授業科目 確率・統計学, 計算数学 (学部), 教職基礎力開発演習Ⅱ(大学院) など 
メッセージ

  高分子やコロイドなどの自然現象において観測されるランダムな振舞いを,確率統計学(特に確率過程論)や微分方程式などの理論とコンピュータシミュレーションによる実験を通して調べています。さまざまな自然現象が数学を通して理解できることにいつも驚きを感じています。また,統計学自体を専門としているわけではありませんが,実データ(生物データや地震データ) の分析やデータ分析手法の開発等にも携わってきました。
 数学教育学も専門ではありませんが,教育に関するテーマの中では「探究心の育成」などに興味があります。探究心を育成するための足掛りとして,学習者自身が「疑問を持つこと」が大事ではないか,と最近考えるようになりました。自分で見つけた疑問だからこそ,探求したいという意欲が強くなるのではないでしょうか(もちろん教師の発問に触発されることもありますが)。最近は統計教育やデータサイエンス教育が重視されるようになりましたが,これは数学を理解したり応用する力が広範な分野で重要になってきたことが背景の一つにあるように思います。そしてこれらの新しい教育の試みはまだまだ発展途上です。大学院に入学されるみなさんには,さまざまなことに疑問を持ち,そこから自分なりの問や課題を設定し,そして未来の数学教育を開拓できるよう粘り強く探究して欲しいと思います。

 

氏 名 早田 透
職 名 准教授
専門分野 数学科教育学
詳細データ
研究内容 一般化,授業研究の国際比較,間接証明
授業科目 算数科教育論,数学科教育論,数学科教材論など
メッセージ

 専門分野は数学教育学です。数学教育は「数学を教えること」なので解りやすいですが,数学教育「学」ってなんだろう?と思う方が大半ではないかと思います。
 我が国では,大多数の人が高校までの教育を受けてきています(特に,大学に入るような人はそうです)。従って,教育を受けてきた経験があるのですが,それをそのまま未来の子どもにやってよい訳ではありません。このため,教師となるためには自分の経験を切り離し,プロとして冷静に分析する必要があります。極端な場合では,自分が受けてきて素晴らしいと思っていた授業が,実は全くダメな授業だった!ということもあり得ます。(ちなみに,教師にならない人でも,こうした経験を事象と切り離して分析する能力は必要となります)
 数学教育学はそうした分析をお手伝いする,物事(数学教育に関わる現象)の見方を養う分野です。学ぶためには,幅広い知識と自己の学習が必要となりますが,一緒に頑張っていける皆さんをお待ちしています。

氏 名 山中 仁
職 名 准教授
専門分野 幾何学,トポロジー
詳細データ
研究内容 変換群論,GKM理論
授業科目 幾何学Ⅰ,幾何学Ⅱ,幾何学Ⅲ,幾何学特論(学部),教職基礎力開発演習Ⅰ(大学院)など
メッセージ

 数学の一分野であるトポロジー,特に,トーラス同変コホモロジーと呼ばれる対象を中心に研究を行っています。また,本学に着任したことをきっかけに,数学教育学(特に数学的モデリング)の勉強・研究も行うようになりました。
 数学教育学を学んでいくにあたって,数学に関する専門性は大前提となるものです。ただし,ここでいう「専門性」とは,入試の難問を解くというよりも,定義・定理・証明という「学問としての数学」や自分で何かを見つける「探求」を指します。例えば,数学Aの整数で学ぶ「商と余り」の正確な定義は何か?なぜユークリッドの互除法で最大公約数が求まるのか?教科書にある定理はどのように発展していくのか?このようなことを質問されたとき,答えられるでしょうか。
 小学校の先生を目指す場合でも,大学初年度程度の知識はもっておかないと,自分が考えた授業が長期的に見て本当に適切なのかどうか(中学校以降の数学の理解を妨げるような教え方になっていないかどうか)は判断できません。幸い,本学には「教育としての数学」だけでなく「学問としての数学」を学ぶためのスタッフもそろっているため,与えられるのを待つのではなく,主体的に行動することによって,このような状態になることを防ぐことができます。是非,この環境を活用して,その場しのぎでない,子どもの将来を見据えた教育ができる教員になってほしいと思います。

氏 名 宇田川 陽一
職 名 講師
専門分野 解析学
詳細データ
研究内容 作用素論
授業科目 解析学Ⅰ,解析学Ⅱ,解析学Ⅲ,解析学特論(学部),解析・確率統計教育の基礎演習(大学院)など
メッセージ

-編集中ー

 

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