大村はま文庫所蔵のレコード

  大村はま先生所蔵のレコードのうち,大村はま文庫に収められたものは,大村国語教室における実践資料及び実践の準備資料である。
  実践資料としてのレコードは,別置されている朗読や聞く力を育てることを中心とした大量のテープと同様,主教材としての朗読(山本安英,宇野重吉,長岡輝子,幸田弘子等の朗読)もしくは,劇などの効果を高めるために用いられたものである。
  実践の準備資料としてのレコードの中の貴重なものとして,NHKの作曲講座における芥川也寸志のものがある。大村先生は,各学年ごとに,学習してきた各領域の国語力を統合して発揮する場として「クラスの歌」の制作をよくよびかけられた。この時,指導者には,曲をつける基礎力が必要と考えられ, NHKの作曲講座に参加されたのである。その講座を芥川也寸志が一度だけ担当したことがあり,その時のレコードを寄贈して下さったのである。
  ちなみに,国語科で育てた書く力を統合する場としては,生徒会誌「石川台」(整理されて大村はま文庫に収められている),学年文集,学級文集,個人文集等があり,単元の典型としては,「新一年生に石川台中学校を紹介する文集」(『大村はま国語教室』1巻)がある。ここには,学校全体を紹介するさまざまな説明文が収められることになった。クラブの紹介,生徒会の組織,先生方のプロフィール,各科勉強法,特別教室の案内,それに通用門の池のほとり,西門のふじ棚,図書室からの夕陽,石川台八景,さらに,校則の紹介,徽章の由来,中学校におけるテストの紹介等,書くことの力の総合編ともいえるいろいろな種類の文章が載せられている。
  「クラスの歌」は同じように書くことの力の発展学習であり,教会のオルガニストを長年勤めてこられた大村先生の実の場による指導でもあった。
橋本暢夫第6代附属図書館長

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