祝!!工藤慎一准教授が2024年度日本動物行動学会賞を受賞しました
2024年11月15日
大学院学校教育研究科グローバル教育コースの工藤慎一准教授が、2024年度日本動物行動学会賞を受賞し、11月3日に帝京科学大学で開催された日本動物行動学会43回大会で授賞式と受賞講演が行われました。
日本動物行動学会賞は、研究者の全業績でなく1つのテーマに関するものだけが選考の対象とされ、動物行動学分野における優れた研究を、研究者のキャリアを問わず表彰することで、動物行動学の活性化を図る目的で設けられています。
工藤准教授は、研究題目「ツノカメムシ科の生活史進化とメス親による子の保護に関する進化生態学的研究」が、「動物の行動に関する新たな現象の発見」区分で、動物の行動に関する新たな現象を発見しその進化学的背景を解明したものとして評価されました。
受賞対象研究のポイント
- 遺伝子配列を用いてツノカメムシ科種間の系統(樹形で表現した進化の道筋)を推定し、「メス親による子の保護」の起源を検討した結果、この系統の中で「卵を産んだ後、全く保護しない」状態から「子の保護」が繰り返し進化したことが示された。
- 「子の保護」の進化は、「小さな卵」や「多数の卵を含む卵塊」などの形質とセットになることが判明した。
- さらに、「少数の卵を含む卵塊」から「より小さな卵を多数含む卵塊」に変化した後に「子の保護」が進化したと推定された。
- 「生涯一回繁殖」と「子への高い捕食圧」が、「メス親による子の保護」と「子の保護・小さな卵・多数の卵を含む卵塊」の形質セットの進化を促した可能性が指摘された。
研究内容の詳細は、2024年5月に本学から公表したプレスリリースをご覧ください。