鳴門教育大学の専門職学位課程(教職大学院)では,音楽科教育の理論や演奏実技を学ぶだけでなく,実際に現場で授業や教育活動を実践・省察した結果を『最終成果報告書』にまとめ,『学修成果発表会』で発表・演奏して,教職修士(専門職)の学位を取得します。修了後に専修免許状を取得できることは従来と変わりありません。

1年次前期では,『生徒指導の理論と実践』や『教科カリキュラムの構成と理論』など,教科の枠を超えた共通科目を主に学び,後期では『教科教育課題設定フィールドワーク』で学校現場の諸課題を実地に体験するとともに,『演奏芸術表現教育(音楽)の学習指導と授業』など,専門科目の授業を受けながら,『教育実践研究Ⅰ』(ゼミ)で音楽科教育学やピアノ,声楽の実技指導を受けます。

2年次になると実習科目『教科教育課題フィールドワークⅠ・Ⅱ』(学卒向),『教科教育実践フィールドワーク』(現職向)で学校現場におもむき,指導教員や現場の助言を受けつつ,自身の教師としての学び,課題解決に取り組みます。と同時に『教育実践研究Ⅱ』では実技のレッスンを受けながら最終成果報告書を書き上げ,学修成果報告会において発表・演奏をします。

 

☆学校教員養成プログラム(長期履修学生制度)

教員免許を取得できなかった音大の卒業生が,教職大学院で実践力を磨きながら,3年間の学校教員養成プログラム(長期履修学生制度)を利用して学部の授業を受け,教育実習に行って大学院修了時に中学校や高等学校音楽科の専修免許状,あるいは小学校教員の専修免許状を取得することができます。もちろん,音楽が得意なら他学部の卒業生でも,このプログラムを利用して音楽科の免許を取得したり,音大卒業生が他の教科の免許を取得して教員採用試験でアドバンテージを得ることも可能です。詳しくは本学ガイドブックの『学校教員養成プログラム』の項目をご覧ください。

開設授業科目

 以下は音楽科教育実践分野で開設している専門科目です。なお,専門科目や他の授業とは別に,教職大学院では修了要件として,『教科教育実践フィールドワーク』など,実習科目8単位が必修です。なお,『教育実践研究Ⅰ・Ⅱ』において専門の教員から教職大学院の修士論文にあたる最終成果報告書の指導を受けるとともに,音楽科教育学に関する個別指導を受けたり,実技レッスンを受けられます。

  • 声楽教育の基礎演習
  • 器楽教育の基礎演習
  • 音楽科の内容構成演習A
  • 音楽科の内容構成演習B
  • 音楽科の教材開発演習A
  • 音楽科の教材開発演習B
  • 音楽科の学習指導と授業デザインA
  • 音楽科の学習指導と授業デザインB

 

入学者選抜方法

(詳しくは本学トップページから訪問者別メニュー「大学院入学希望の皆さまへ」をご覧下さい。)

 小論文または演奏実技,および口述試験により選抜します。

 

修了生からのメッセージ

.jpg
令和2年度修了
徳島県小学校教諭
細井 秀代 さん

私は,もう少し音楽の技能を高めたり知識を深めたりしたいと思い,家族の協力も得て,教職大学院に入学しました。2年間の大学院での授業は大変充実していました。専門職学位課程での授業は,様々な校種や教科の方々とふれあうことができ,視野が広がりました。学びにはアクティブラーニングが多分に取り入れられ,グループでの話し合いやカリキュラム作りなどとても興味深いものでした。音楽科では,専門的な先生方から実技や理論のきめ細かい授業を受けることができます。毎日楽しく,時間が過ぎるのがもったいなく感じていたのを今も覚えています。本当にかけがえのない貴重な時間を過ごしました。大学院で学ぶことができたことをとても幸せに思っています。

令和2年度修了
徳島県高等学校教諭
岸 直美 さん

鳴門教育大学教職大学院では,音楽の専門的な知識を深め,音楽科教育について学ぶことができます。私は,教員としての経験を生かしながら,もう一度学びたいと考え,入学しました。授業は少人数で,何を学びたいのかどうしたいのかを丁寧に先生方が聞いてくださり, ゼミなどを進めてくださいます。教職大学院では,生徒指導,カリキュラムマネジメントなど教育全般に関する授業もとても刺激があり興味深かったのですが,自分の専門である音楽について,実技(ピアノ,声楽など)また音楽教育についてもう一度学ぶことができたのは大変よかったと感じています。この貴重な経験を現場で生かすことができたらと考えています。2年間という短い時間ですが,充実した大学院生活を送ってください。