心理臨床コース 臨床心理学領域

人間教育専攻
心理臨床コース
臨床心理学領域
原 麻理子さん
高知大学 人文社会科学部出身
2024(令和6)年度入学
心理臨床コースの魅力は、専門的な知識だけでなく、実際の臨床の現場や技法が肌で学べるところです。知識だけなら、学部でも、院試の勉強でも学ぶことができます。しかし、院での学びはそれとは異なり、知識でしか知らなかった言葉の本当の意味や、使い方、またその難しさを自分の肌で学ぶことができます。実際の現場はとても難しいものだと感じます。自分の知識や経験が全く役に立たないと思うこともたくさんあります。しかし、またこのコースの魅力として、学生の人数が多いことも挙げられます。様々な人々がいて、違う県から来ていたり、来歴、年代は様々であったりしますが、皆、目指すところは同じであるため、助け合って学びを深めることが出来るところがこのコースの魅力であると感じます。
2025(令和7)年2月収録
- 合格のための秘訣を教えてください。
- まずは、心理学の用語が全体的に学べる参考書に取り組みました。同時に、本学の入試の過去問をみて、出題形式や出題傾向を把握しました。用語が覚えられたら、今度は、用語を自分の言葉で説明できるように何度も書く練習をしました。並行して心理学英語の単語集や文章題にも取り組みました。用語を覚え、自分の言葉でも説明できるようになったら、出題傾向のある領域についてより詳しく書かれている本を読み、また用語を覚え、説明を書けるようにしました。いろんな領域をずっと満遍なく勉強し続ける事はとても大変なので、まずは自分の好きな領域から勉強してみるのもいいかもしれません。その楽しさが励みになって、別の領域の勉強に取り組めた事がたくさんありました。研究計画書や面接については、大学の先生に添削をしてもらったり、何度も練習を重ねたりしました。同じ学校を目指す方がいらっしゃる場合は、お互いに対策し、助言をし合ったりするのもいいかもしれません。
- 本学大学院に進学した動機・きっかけは?
- 昔から、子どもや人の心を支援する仕事に就きたいと思っていました。高校生の時に、心理学という学問があることを知ってからは、この学問を学びたいという気持ちも強くありました。しかし、大学は、心理学1つを学ぶ学部ではなく、人文科学という、心理学も学べますが、人間の作った文化や思想に関する事を学べる学部に入りました。人文科学を学ぶことはとても楽しかったですが、同時に、大学時代にしていた子どもに関わるアルバイトの経験や、大学での心理学の学びがきっかけで、再び、また今度は本格的に人の心を学びたい、人の心に関わる仕事に就きたいという思いが芽生え、本コースに進学を決めました。本コースは人数も多く、背景も様々な方が多いので、それらのお話を聞きながら、学びを深めることができます。その中には、かつて自分が心理職を志した気持ちと同じものを見つけることもあり、改めて人の心の不思議さに心打たれることも多いです。
- 入学しての本学の印象はどうですか。
- 皆が心の専門家を目指しているためか、とても温かく、困ったときに助けてくれる方々が多い印象を受けます。心理職は確かに人を支援する仕事ですが、同じくらい人に助けられながら生きていることを、日々実感しながら過ごしています。大変なこと、行き詰まる事もたくさんありますが、誰かに相談したり、話したりするだけでも、1人の時では想像もつかなかった助言をくれたり、気持ちが楽になったりすることがたくさんあります。カウンセリングなどの専門的な場面では、もちろん、もっと専門的に、効果的に行っていかなければならないと感じますが、しかし、このような日常の中の、何気ない温かさや、楽になったという感覚の先にも、カウンセリングの目的である「人を支援する」「支援される」という感覚があるのではないかと感じます。心理職は人を支援する仕事でありながらも、同じくらい絶えず誰かに支援されている、そんな当たり前ながらも大切なことを感じさせてくれるとても温かい場所であると感じます。
- おすすめ授業科目(科目名と理由)について教えてください。
- 「臨床心理学研究Ⅰ」の授業です。ここではカウンセリングとは何かということや、聴くとはどういうことなのか、逆に聴けないのはなぜかということなどを学びますが、そのどれもが、その通りで、難しく、奥深く、本当に正解はなく、日々学びが必要なものであることを思い知らされます。自分にとって最も学びになったことは、カウンセリングに来られている方の心を大切にするのと同じくらい、自分の心も大切にするということでした。カウンセリングをしている側にも心があり、それをそのままに感じ、直面して、カウンセリングに活かしていくということは、時には、誰かの心を考えるという事以上に難しいこと、怖いことなのかもしれないとも思います。ですが、その難しさや怖さに直面したからこそ見えてくる景色や展望などもたくさんあると感じます。意外とゆっくり立ち止まって考えることのない自分の心について、改めて考え、向き合うことができたとても大切な授業であったと感じました。
- 本学大学院への進学を検討している人にアドバイスをお願いします。
- 私自身、大学院に進学することにとても悩みました。自分の「心について学びたい」という気持ちが、本当に自分ではない「人の心を支援する」という職に繋がるのか、自己満足ではないか、将来的に困ったりしないかなどという思いはたくさんあり、一時期、就職活動をしていた時期もありました。しかし、ずっと考えていく中で、やっぱり自分は人の「心」の事を考えるのが好きで、また、将来なりたい自分を思い浮かべた時に、思い浮かんだのは、昔自分が悩んでいた時はもちろん、何気ない日常で助けてくれていた、人の心に寄り添う仕事をしていた人だったと思い、大学院に進学を決めました。大学院に進学を決める理由は人によって様々であると思いますし、そこに不安や悩みを感じる方も多いかもしれません。そんな時はぜひもう一度初心に戻り、自分がどうして心理職を志したいと思ったのか、そのためには何が必要かを改めて自分に問うてみてください。
原さんの1年次前期(前半)の時間割(2024(令和6)年度) | |||||
時限 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
1 | 臨床心理学研究法特論 | 臨床心理学研究Ⅰ | 福祉分野に関する理論と支援の展開 | 臨床心理査定演習Ⅰ | |
2 | 保健医療分野に関する理論と支援の展開 | 子どものこころへのアプローチ | 臨床心理面接演習 | ||
3 | 心理支援に関する理論と実践 | 家族関係・集団・地域社会における心理支援 | 臨床心理基礎実習 | ||
4 | 教育分野に関する理論と支援の展開 | 心理実践実習 | 臨床心理基礎実習 | ||
5 |
大学院授業科目 |
学部授業科目 |
その他 |