南 隆尚 鳴教大准教授(水球男子日本代表(ポセイドンジャパン)コーチ)特別インタビュー

2016年10月13日

 水球男子日本代表(ポセイドンジャパン)のコーチとして,リオデジャネイロオリンピックにも帯同し,代表選手を指導した南 隆尚准教授(生活健康系コース(保健体育))にインタビューしました。

 世界を舞台に活動を目指す児童・生徒・学生の皆さんへのメッセージもあります。

 是非,ご一読ください。

 

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南 隆尚(みなみ たかひさ)

 

鳴門教育大学大学院
 学校教育研究科 准教授
 生活・健康系コース(保健体育)

 

主要担当授業科目
 (大学院) スポーツ・トレーニング研究
 (学部) 健康・スポーツ科学  I・II
 (学部) 保健体育教育論III
 (学部) 運動方法II(水泳)・VI(野外)

 

日本水泳連盟水球委員会強化部水球男子代表チームコーチ
(平成25年4月〜現在に至る)

 

詳しくは,教員情報データベースをご覧ください。

 

32年ぶりオリンピック出場,水球界の悲願達成!

 

ポセイドンジャパン

企画課:
  水球男子日本代表のオリンピック出場は,32年ぶりということもあり,まさに水球界の悲願達成でした。
  平成27年12月のアジア予選(中国)で優勝し,オリンピックの出場が決定したわけですが,その時の感想をお願いします。また,オリンピックを終えた時の感想を併せてお願いします。

 

南 :
 嬉しい以外の言葉が見つかりません。何度も何度も挑戦しては,出場が叶わなかった舞台でしたので,本当に夢のような時間でした。

 

企画課:

 ありがとうございます。
 水球という競技は,競泳,飛込,シンクロと並ぶ水泳種目ですが,水球の現状について,教えてください。

 

南 :
 水球の歴史は古く,第1回近代五輪でテニス・サッカーとともに最初に採用された球技です。日本ではプロチームがなく,競技登録者数も5,000名弱とマイナーなスポーツですが,欧州では野球より有名で,プロリーグもあります。アジアでは中国,カザフスタンと常にトップ争いをしています。

 

企画課:
  なるほど。日本ではあまり浸透していない水泳種目ですが,世界規模では,プロリーグもあるスポーツなんですね。

 

大学教員と日本代表コーチの両立

 

南隆尚准教授2

 

企画課:
 南准教授は,平成6年から,日本水泳連盟水球委員会強化部(科学研究)委員を務め,平成25年から日本水泳連盟水球委員会強化部水球男子代表チームコーチを務めています。日本代表のコーチでは,どのようなこと担当されているのですか。

 

南 :
 監督が強化プランと戦術,選手起用を考え,私は主にトレーニングを担当しています。スイムトレーニングや基礎体力,基本技術,ウエイトトレーニングなど多面的にアプローチします。選手の特徴を考慮しながら,監督が目指すチーム戦術をいかに実現させるかを考えながらメニューを作成します。また大会が近づけば,日本チームと対戦チームの分析と対策,大会期間中もビデオ撮影と編集などの作業を夜通し行います。

 

企画課:
 ざっと聞いただけでもコーチの仕事は多岐に及び,大変な仕事であることがわかります。
  大学教員としての職務と,日本代表コーチとしての活動,ともに大変な仕事ですが,これらを両立するためのコツや,両立させるために苦労していることはありますか?

 

南 :

 五輪に出場しても水球日本代表コーチはプロではありません。私も鳴門教育大学の教員が本職です。本学には教員のレベルアップを目指したサバティカル研修制度があります。日本代表チームに帯同するため,学生の方々や本学教員・職員の皆様にたくさんの迷惑をおかけして,この研修制度を活用させていただきました。また,私の所属する生活・健康系コース(保健体育)をはじめ,たくさんの支援と協力をいただきました。

 五輪で得た貴重な知識と体験を本学の研究・教育,業務に活かしたいと思います。

 

これから国際社会での活動を目指す皆さんへ

 

企画課:
  南准教授は,水球男子日本代表のコーチとしてオリンピックのほか,各種国際大会に帯同し,世界の競技者,そして指導者を見ています。
  これからの若者が国際社会で,国際人として活躍していくために,どのような点が必要と思いますか?

 

南:
 私が国際人かどうかはわかりません。ただ国際大会に出場し,海外で活動すると自分が日本人であることを強く感じます。相手を理解し,自分も理解してもらうように努めることが国際交流になると思います。活動フィールドを自分のテリトリーに限定しないで必要に応じてどんどん広げてください。本当のところ,私は英語が苦手です。当然英語など外国語が使えることはベターです。

 
企画課:
  これから国際社会での活動を目指す児童・生徒・学生にメッセージをお願いします。

 

南 :
 私の行った世界は広く面白いところで,毎日がドキドキ,ハラハラ発見の連続です。また,競技スポーツは勝負の世界で,ほとんどが負けや失敗の連続です。夢が潰れることも度々です。それでも挑戦し続ける限り,少しずつ成長を感じます。世界にはいろいろなことがあります。スポーツに限らず,自分の挑戦したいことを見つけてください。また,世界のどこかにそれを理解し,競ってくれる友人が待っています。常に新しい自分にチャレンジしてください。

 

南隆尚准教授3

企画課:
  最後に,2020年の東京オリンピックに向けて,メッセージをお願いします。

 

南 :
 スポーツの楽しみ方は『する,見る,支える』色んな方法があると言います。五輪はスポーツのイベントですが,競技者だけのものではありません。それぞれの人生であるとともに,人類の限界を示す場であり,平和のための国際交流,歴史の転換点でもあります。それを目撃する機会です。でも,それほど肩に力を入れなくても,スポーツの好きな人も嫌いな人もみなさんに楽しんでもらえることを期待しています。水球も出場します。
マイナースポーツもよろしく!

 

企画課:
  本日はありがとうございました。

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