【プレスリリース】植物が葉を食べられた経験をもとに花の運動防衛を強化することを発見

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 鳴門教育大学の田川一希准教授・兵庫県立人と自然の博物館の大崎遥花研究員・愛知教育大学の渡邊幹男教授の研究グループは,植物が葉での食害経験を「記憶」し,それを別の器官である花の防衛運動の強化に活用していることを発見しました。
 モウセンゴケ属の植物は花に接触刺激を受けると数分で花を閉じ,花を食べようと近づいてくるイモムシから身を守るというユニークな防衛行動を示します。しかし,接触刺激はイモムシ以外の風や雨,無害な生物などでも起こり得ます。もし誤報で花を閉じてしまえば,植物は他家受粉のチャンスを失うというジレンマを抱えており,この反応をどのように適切に調整しているのかは分かっていませんでした。
 研究グループは,天敵のイモムシの「成長の過程で,最初は葉を食べ数日後に花へ移動する」という習性に着目しました。実験の結果,事前に葉を食べられた経験を持つ株は,その危機的状況を記憶しており,その後のあいまいな接触刺激に対しても,より強く花を閉鎖して防衛を強化することが明らかになりました。
 本研究成果は,2026(令和8)年7月2日に,ドイツのEthological Society(動物行動学会)が発行する行動生態学の国際誌Ethologyのオンライン版に掲載されました。

論文

Leaves Alert Flowers: Prior Leaf Herbivory Enhances Contact-Induced Defensive Floral Closure in Drosera spatulata (Droseraceae)

著者

田川 一希(鳴門教育大:共同責任著者) 大崎遥花(兵庫県立人と自然博:共同責任著者) 渡邊 幹男(愛知教育大)

研究のポイント

  • モウセンゴケ属が,過去の葉の食害経験を参照して,その後の花の防衛運動を強化することを発見しました。
  • 風や雨などの誤報の可能性もある接触刺激に対して,過去の食害経験をもつ株は,より強く花を閉鎖して防衛することがわかりました。
  • 本研究は植物が異なる器官の間で情報を統合し,将来の食害リスクに対応する形で,行動を調整している可能性を示しています。

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