FAQ
- PIG-GPEとはどのようなソフトウェアでしょうか。
PIG-GPEは,フローチャートをアイコンから作成し,作成したフローチャートをC言語に変換し,C言語プログラムを編集し,C言語プログラムをコンパイルし,実行形式のHEXフィルをUSB経由でPICに書き込んで実行できるソフトウェアです。
- どのような所で使用できるのでしょうか。
まずは,中学校の技術・家庭科(技術分野)での“プログラムによる計測・制御”での利用を想定しております。
学習指導要領の変更に伴い,これまでのプログラムと計測・制御に分かれていた学習内容を融合させる必要が生じました。
開発当時はフローチャートを操作して計測・制御を行う教材はありましたが,コンピュータプログラムと計測・制御教材を直接接続した適切な教材が見当たりませんでしたので,今回フローチャートでプログラムを作成できかつUSB接続でPICをコンピュータから操作できる新たな教材を作成しました。
PIC-GPEの利用は中学校に限らず,小学校や高等学校でも利用できます。
小学校ではLED表示状態の変更等を含めたアルゴリズム学習にも利用できます。
実際,小学生や中学生は休み時間を忘れて非常に楽しく熱中しています。
高等学校ではアルゴリズム学習におけるアルゴリズム変更の検証にも利用できます。
また,専門学科等では直接C言語を編集してPICを操作する学習にも利用できます。
最初にPIC-GPEのフローチャートによるプログラム作成を通してアルゴリズムの基本を学び,次にPIC-GPEのC言語プログラム編集機能を利用し,その後に本格的なC言語学習に移ることも考えられます。
生涯学習においては,自宅等の防犯システムの構築を始めとして,種々の応用が手軽にできます。
このように多種多様の利用を考えることができますので,皆様のご利用をお待ちしております。
- 著作権の扱いはどのようになっているのでしょうか。
PIC-GPEは鳴門教育大学菊地研究室が著作権を保持しておりますが,個人の利用や学校での利用には開放しております。
ただし,学校での利用の場合は,今後の改善に活かすため,授業終了後で構いませんので,利用状況を最後の項目に記載しているメールアドレスに必ずご連絡お願いします。
皆様の情報提供が今後の改善に繋がります。
本ソフトウェアの製品開発での使用や販売目的での組み込みを禁止致します。
ただ,学校教材での利用についてはPIC-GPEを組み込んで戴いて構いませんが,この場合は必ず事前にご相談をお願いいたします。
さらに,本ソフトウェアの最新バージョンを使用するように資料に明記をお願いします。
- ソフトウェアへの質問について
本ソフトウェアは最新バージョンのみに対して質問を受け付けます。
過去のバージョンについてのご質問はご遠慮ください。
2024年6月11日時点での最新版はVersion2.0.3です。
- Version1とVersion2では何が変わったのでしょうか。
Version1のソフトウェアでは,一つのPIC(PIC-GPE)のみを操作して制作したプログラムをPICにダウンロードする機能しかありませんでした。
Version2のソフトウェアでは,さらに追加のPIC(PIC-Monitor)を用い,自作プログラムが動いているPIC(PIC-GPE)が扱っている情報をコンピュータに転送してモニタ上でグラフ表示できるPIC-Monitor機能を備えています。また,CMD環境を許可していない学校のコンピュータもあるようですので,利用環境に制約を課しているコンピュータではVersion2.0.2まででは動作しませんでした。Version2.0.3ではこのような環境でも動作するように改良しました。本来の改良ではありませんので,制約を課していない環境ではVersion2.0.2のままで利用戴いて差し支えありません。
なお,Version2.0.0以降のソフトウェアを利用した場合は,以前と同様に一つのPIC(PIC-GPE)を操作できますし,追加のPIC(PIC-Monitor)を利用することもできます。
PICを2個の構成にして追加のPIC(PIC-Monitor)を利用する場合には,自作プログラムを書き込む際に,Bootloaderボタンを押しながらResetボタンを操作する作業は不要になります。
ただし,この場合には各々のPICに「ユーザへ」のWebPageにあるBootloader&Firmware(bootloader(PIC-GPE).zipならびにFirmware(PIC-Monitor).zip)を事前に書き込む必要があります。
一つのPIC(PIC-GPE)のみを利用する場合は,Bootloader&Firmware(bootloader(PIC-GPE).zip)を書き込んでください。
Bootloader&FirmwareをPICへの書込む方法は,使用機器の違いによって説明が複雑になりますので,該当する専門書を参考にしてください。
- Microsoft .NET Frameworkについて
Version1.1.5以前のPIC-GPEはMicrosoft .NET Framework 3.5以上の環境で動作しておりました。
この度のVersion2への更新で,Microsoft .NET Framework 4.0以上が必要になっています。
環境が合わない場合は該当するWebPageを表示するようになっていますので,必要に応じてアップデートをお願いします。
- フローチャートファイルの形式について
本ソフトウェアで扱う利用者作成のフローチャートファイルは,Version1.1.1以降とVersion1.1.0以前でファイル構造を変えております。
Version1.1.1以降のPIC-GPEではVersion1.1.0以前のPIC-GPEで作成したフローチャートファイルを読み込めませんので,ご了解ください。
なお,Version1.1.1からVersion1.1.5(これ以降はPIC-Monitor機能付きのVersion2.0.0に変更)までのPIC-GPEで作成したフローチャートファイルは,Version 2.0.0以降でも利用できます。
- USBケーブルでの接続について
PIC-GPEで制作したプログラムをコンパイルして実行形式プログラムをUSBケーブルを介してダウンロードする際には,コンピュータによってはダウンロードがうまく動作しないことがあります。
これは,USBケーブルに流れる電流が弱く,途中でノイズが乗るためです。
この現象を避けるために,USBケーブルはノイズ対策ができているフェライトコア付きで,できるだけ長さが短い製品(例えば0.5mなど),を使用するとノイズの影響を受けにくくなります。
ノートブックコンピュータには元々USBの出力電流容量の少ない製品がありますので,その場合は電源付USB-HUBを仲介するとノイズ対策ができます。
- diffフォルダは何の役割をしているのでしょうか。
PIC-GPEをダウンロードして展開すると,diffフォルダとdiff.datファイルができます。
diff.datファイルは,学校等で予め組み込んだセンサ等に合わせてC言語プログラムを自動変更するためのファイルです。
通常はそのままの内容で使用してください。
興味のある方はdiff_readme.txtを読んでご使用ください。
Linux系の差分ファイルに相当します。
- フローチャート作成の際の描画領域の大きさについて
プログラムをフローチャートで作成して,追加し続けると,徐々にプログラムが肥大化します。
そのため,フローチャートの描画領域が不足することがあるかもしれません。
ただ,PICのメモリ容量には限りがありますので,大き過ぎるプログラムを作成すると,ダウンロードした際にPICのプログラム領域をオーバーします。
そのため,フローチャートを作成する作業領域の自動拡大機能を意図的に持たせておりません。
どうしても長いフローチャートを作成したい場合は,縦長のフローチャートを3列程度に並べて,左列の最下段から右側の最上段のブロックへ繋げるようにして,フローチャートを作成してください。
- ハードウェア製作について
具体的な回路構成は種々できますが,「ユーザーへ」のページ以外では,次のように回路も利用できます。
例えば,小型ユニバーサル基板を2枚重ねて利用する
配線図
のように,入力ボタン3個とフルカラーLED1個を備えたPIC-GPEの
製作品
を利用することもできます。
なお,この回路構成では,PIC-GPE機能のみを利用し,PIC-Monitor機能は利用していません。
PIC-Monitor機能を利用して小型ユニバーサル基板でPIC-GPE-Monitor製作すると,
3枚重ね配線図1
と
3枚重ね配線図2
を利用することもできます。
さらには,基板加工機で作成すると,
PIC-GPE-Monitor動作画像
の動きになります。
電子回路CADで基板を制作しています。
PIC-GPE-Monitor教材の基板パターン(その1)
PIC-GPE-Monitor教材の基板パターン(その2)
PIC-GPE-Monitor教材の基板パターン(その3)
PIC-GPE-Monitor教材の基板パターン(その4)
専用基板として発注して製作した教材は次の写真になります。
PIC-GPE-Monitor教材製作例
- 参考資料
PIC-GPEに関する資料として
日本産業技術教育学会誌(学会より転載許可有)
を,またPIC-Monitorに関する資料として
日本産業技術教育学会誌(学会より転載許可有)
をご参考にしてください。
- 問い合わせ先
〒772-8502 鳴門市鳴門町高島字中島748
鳴門教育大学 大学院 学校教育研究科
菊地章
kikuchi@naruto-u.ac.jp