発達臨床センターの設立に寄せて

「適応」という言葉がありますが,それは環境と個人の相互作用から生まれるものとされています。個人の発達の多様性に応じた環境が整えば,「適応」が難しく,生きづらさを抱える人たちが少なくなるでしょう。しかし,現実的には環境と個人のミスマッチから,多くの生きづらさを抱えている方々がいて,その生きづらさが解決されないままになっているのも現実です。

社会の持続可能性を高めるためには,この問題を何としても解決していかなければなりません。本センターは多領域の専門性をもつスタッフで構成されていますが,さらに様々な機関や人とコラボレーションすることで,「多様性に応える教育と社会を創る」という命題に取り組んで参りたいと思っています。

2021.4.1 所長 小倉正義

発達臨床センターの主な取り組み

発達の多様性に応じるための教員の専門性の向上

2007(平成19)年に特別支援教育が学校教育法に位置づけられてから15年近くになり,発達障がいに関する知識や支援は確実に学校現場では広まってきていると思われます。しかし,子どもたちの一人ひとりのニーズに応じ,その可能性をさらに伸ばすためには,より高い専門性が求められます。発達臨床センターでは,すべての教員に求められる発達の多様性に応じるための指導力の養成と,特別支援学級,通級による指導,特別支援コーディネーターの専門性の向上を目指したカリキュラム開発や研修プログラムの開発を行います。

本学の発達支援に関する講義・演習の充実

現職教員への研修プログラム,支援に役立つコンテンツの開発

 

地域における発達支援の実践研究の推進

学校現場を中心に,地域において発達の多様性に応じることのできる支援を広げるために積極的な地域連携を行い,下記のようなテーマで研究を進めていきます。

  • 特別支援学校・特別支援学級・通級指導教室の機能強化のための研究の推進
  • 通常学級における発達の多様性に応じるための研究の推進
  • 2E(Twice Exceptional)教育の実践研究の推進
  • 発達障がい児者の家族支援のための実践研究の推進

 

地域支援,支援機関との連携

  • 本学における地域に向けた発達支援の充実
  • 県内外の教育機関や福祉施設へのコンサルテーション
  • 県内外の発達障がい者支援センターとの連携

実践研究の推進

  • 県内外の支援機関・研究機関との交流・情報交換
  • 様々な専門家との共同研究の推進
    ※連携協力できる機関を募集しています!
    連携協力いただける方は下記のアドレスにご連絡ください。

 

※本学,心理・教育相談室でも発達の多様性に関わる相談を受け付けています。
詳細はQRコードをご覧ください。QRコード

 

発達臨床センターの連絡先・アクセス

アクセスマップ

〒772-8502
徳島県鳴門市鳴門町高島字中島748
鳴門教育大学 発達臨床センター
TEL:088-687-6462
E-mail:crchd@naruto-u.ac.jp

  • 発達臨床センターの事務室は、芸術棟の2階にあります。
  • 発達の多様性に関わる相談のため、心理・教育相談室をご利用の際は、地域連携センターの1階にお越しください。
  • 車で来学される方は、大学正門を入って左側に駐車場がありますので、そちらをご利用ください。