小学校教諭のみなさんへ

〜ALTとの効果的なT・Tのために〜

I ALTに関すること

  • 1. ALTとは

    JETプログラムのほとんどのALTは、教員免許をもたず、教授経験はありません。原則としてT2として雇用契約されています。ALTを授業内でどのように活用するかは、T1の先生が担うことになっています。従って、授業全てをALTに任せたり、ALTを教室で一人にしたりしないようにしてください。

  • 2. よりよい関係を築くために

    通常、ALTは複数の学校を訪問していますので、各学校の児童や先生に慣れるのに時間がかかります。授業前は短時間の打ち合わせになる場合が多いと考えられますが、一秒でも長くコミュニケーションをとるよう心がけてください。たくさんコミュニケーションをとることが、よりよい信頼関係につながります。信頼関係を築くことで、授業についての意見交換がしやすくなります。また、授業以外の時間に疎外感を感じるALTも少なくありません。授業を一緒にしていない教諭のみなさんも、ALTと積極的にコミュニケーションをとることをおすすめします。

II 授業に関すること

  • 1. 児童・生徒についての共通理解

    配慮が必要な児童・生徒については、できる限り具体的に共通理解をしておくことが望ましいです。

    「彼女は特にサポートが必要です。」
    She needs special support.
    「彼は日本語でも話すことが苦手です。」
    He doesn't express himself well, even in Japanese.
    「彼の右耳は聞き取りにくいです。」
    He can't hear well.
    「彼女は見る力が弱いです。」
    She has weak eyesight.
    「彼には気を付けて見てあげてください。」
    That student needs extra attention.
  • 2. 授業を充実させるために

    • 毎回できるだけ T1の先生はALTと会話し、児童・生徒にモデルを示します。
    • ALTと児童・生徒との対話の機会を増やす等、ALTを有効に活用しましょう。
    • まずALTにゲーム等の活動の説明を簡単な英語でしてもらい、補足説明をT1の先生がするよう心がけてください。
    • T1の先生も、教室英語をできるだけたくさん使用してください。
    • ALTの教え方について、改善すべきことがある時には、授業中にその場で伝えてください。
    「声を大きくお願いします。」
    Please speak louder.
    「ゆっくり話してください。」
    Please speak more slowly.
    「ジェスチャーをしてください。」
    Please use gestures.
    「児童への視線を向けてください。」
    Please make eye contact with students.
  • 3. 授業後のフィードバック

    授業後にALTに授業で良かった点を伝え、改善点をアドバイスしてください。フィードバックがよりよいT・Tにつながります。

    「生徒達は授業を楽しみました。」
    The students enjoyed our class.
    「あのゲームはとても良かったです。」
    That game was very good.
    「あれは生徒に難し(簡単)すぎました。」
    It was too difficult(easy) for the students.
    「もっと話す(聞く)練習を入れてください。」
    Please do more speaking(listening) practice.
  • 4. 次時の打ち合わせ

    ALTが勤務を終えるまでに次時の学習予定を伝えてください。またALTに一定の時間を与え、主体的に活動案を立て教授して欲しい時は、どの内容に関する何分ぐらいの活動かを明確に伝えて下さい。また、行事等で授業の変更がある場合は、できるだけ早くALTに伝えてください。

    「次時で I want 〜. を使った10分程度でできるビンゴを考えてきてください。」
    Could you make a 10 minute BINGO game using ''What do you want 〜?'' ''I want 〜.''?

    「次時で15分間の Can you〜? ついての活動を考えてきてください。」
    Could you make a fifteen minute activity using ''Can you〜?'' ''Yes, I can. / No, I can't.'' for the next lesson?

III その他

  • ALTの服装について学校に適切でない(ラフ過ぎる・華美)と感じた時は伝えてください。また卒業式や入学式など、特別な服装の時は、特に気をつけて事前に伝えてください。

    「もう少しきちんとした服装をしてもらえますか。」
    Could you dress conservatively?

    「次回は式があります。正装してください。」
    We will have a ceremony next time. Please wear formal clothes.

    日本の学校での不適切な言動が見られた時は、伝えるようにしてください。
    ※欧米の国では机に座ったり、ものを投げることは無礼ではありませんので、文化の違いとして受け止め、優しく伝えてください。

    「机に座らないでください。」
    Don't sit on the desk, please.
    「それはしないでください。」
    Don't do that, please.
    「ものを投げないでください。」
    Don't toss anything, please.