©2017 Naruto University of Education
小学校教諭のみなさんへ
〜ALTとの効果的なT・Tのために〜
I ALTに関すること
1. ALTとは
JETプログラムのほとんどのALTは、教員免許をもたず、教授経験はありません。原則としてT2として雇用契約されています。ALTを授業内でどのように活用するかは、T1の先生が担うことになっています。従って、授業全てをALTに任せたり、ALTを教室で一人にしたりしないようにしてください。
2. よりよい関係を築くために
通常、ALTは複数の学校を訪問していますので、各学校の児童や先生に慣れるのに時間がかかります。授業前は短時間の打ち合わせになる場合が多いと考えられますが、一秒でも長くコミュニケーションをとるよう心がけてください。たくさんコミュニケーションをとることが、よりよい信頼関係につながります。信頼関係を築くことで、授業についての意見交換がしやすくなります。また、授業以外の時間に疎外感を感じるALTも少なくありません。授業を一緒にしていない教諭のみなさんも、ALTと積極的にコミュニケーションをとることをおすすめします。
II 授業に関すること
1. 児童・生徒についての共通理解
配慮が必要な児童・生徒については、できる限り具体的に共通理解をしておくことが望ましいです。
- 「彼女は特にサポートが必要です。」
- She needs special support.
- 「彼は日本語でも話すことが苦手です。」
- He doesn't express himself well, even in Japanese.
- 「彼の右耳は聞き取りにくいです。」
- He can't hear well.
- 「彼女は見る力が弱いです。」
- She has weak eyesight.
- 「彼には気を付けて見てあげてください。」
- That student needs extra attention.
2. 授業を充実させるために
- 毎回できるだけ T1の先生はALTと会話し、児童・生徒にモデルを示します。
- ALTと児童・生徒との対話の機会を増やす等、ALTを有効に活用しましょう。
- まずALTにゲーム等の活動の説明を簡単な英語でしてもらい、補足説明をT1の先生がするよう心がけてください。
- T1の先生も、教室英語をできるだけたくさん使用してください。
- ALTの教え方について、改善すべきことがある時には、授業中にその場で伝えてください。
- 「声を大きくお願いします。」
- Please speak louder.
- 「ゆっくり話してください。」
- Please speak more slowly.
- 「ジェスチャーをしてください。」
- Please use gestures.
- 「児童への視線を向けてください。」
- Please make eye contact with students.
3. 授業後のフィードバック
授業後にALTに授業で良かった点を伝え、改善点をアドバイスしてください。フィードバックがよりよいT・Tにつながります。
- 「生徒達は授業を楽しみました。」
- The students enjoyed our class.
- 「あのゲームはとても良かったです。」
- That game was very good.
- 「あれは生徒に難し(簡単)すぎました。」
- It was too difficult(easy) for the students.
- 「もっと話す(聞く)練習を入れてください。」
- Please do more speaking(listening) practice.
4. 次時の打ち合わせ
ALTが勤務を終えるまでに次時の学習予定を伝えてください。またALTに一定の時間を与え、主体的に活動案を立て教授して欲しい時は、どの内容に関する何分ぐらいの活動かを明確に伝えて下さい。また、行事等で授業の変更がある場合は、できるだけ早くALTに伝えてください。
「次時で I want 〜. を使った10分程度でできるビンゴを考えてきてください。」
Could you make a 10 minute BINGO game using ''What do you want 〜?'' ''I want 〜.''?「次時で15分間の Can you〜? ついての活動を考えてきてください。」
Could you make a fifteen minute activity using ''Can you〜?'' ''Yes, I can. / No, I can't.'' for the next lesson?
III その他
-
ALTの服装について学校に適切でない(ラフ過ぎる・華美)と感じた時は伝えてください。また卒業式や入学式など、特別な服装の時は、特に気をつけて事前に伝えてください。
「もう少しきちんとした服装をしてもらえますか。」
Could you dress conservatively?「次回は式があります。正装してください。」
We will have a ceremony next time. Please wear formal clothes.日本の学校での不適切な言動が見られた時は、伝えるようにしてください。
※欧米の国では机に座ったり、ものを投げることは無礼ではありませんので、文化の違いとして受け止め、優しく伝えてください。- 「机に座らないでください。」
- Don't sit on the desk, please.
- 「それはしないでください。」
- Don't do that, please.
- 「ものを投げないでください。」
- Don't toss anything, please.