平成27年度文部科学省委託 「幼児教育の質向上に係る推進体制等の構築モデル調査研究」について
平成27年度文部科学省委託
「幼児教育の質向上に係る推進体制等の構築モデル調査研究」報告書
幼児の科学的思考を支える非認知的能力の発達的様相
―好奇心・やり抜く力・協同的感性の視点から―
研究の目的と予想される効果
科学的思考力(認知的能力)と協同的な学びを生み出すために重要な好奇心や探究心、試行錯誤する力、集中力や根気強さ、自己肯定感や人間関係調整力などのいわゆる非認知的能力(以後、非認知的能力)との関連性を検証するとともに、幼児期に重要な非認知的能力とは何かについて提言することを目的とした。
認知的能力と非認知的能力との関連性やその要素について考察することは、「幼稚園教育要領」に謳われる「心情・意欲・態度」の内容や構造、相互関連性について科学的根拠を持って検証するとともに、幼児期にふさわしい指導内容を具体化するなど「幼稚園教育要領」の次期改定に資することができる。この結果を全国の幼児教育関連施設に発信することから、幼児期の学校教育としての質の高い幼稚園教育を実現すことにも寄与できると考えた。
目 次
1 事業計画の概要及び具体的な調査研究計画
(1)問題の背景
(2)研究の目的と予想される効果
(3)研究の方法
1)認知的能力と非認知的能力の関連性の再確認
-先行研究「幼小接続教育課程開発研究」から-
2)幼児の科学的思考を支え促す非認知的能力としていかなる要素が想定されるか
3)研究の仮説
-幼児期の科学的思考力の発達的様相と非認知的能力研究の関連性-
4)研究の計画
2 研究内容
(1)認知的能力と非認知的能力の関連性から見る幼児期の科学的思考の発達
-「科学する力」「科学するこころ」「協同的感性」の相互作用について-
1) 驚嘆する「感受性(気付く・感じる)」
2) 好奇心・探究心「活動性(関わる・行動する)」
3) 知る・発見する「思考性(思う・考える・創造する)」
4) ファンタジーや没入体験
5) 共同体の中で促される科学的思考
(2)幼児の科学的思考を支え促す非認知的能力の要素とそれらの発達的な様相
1)3歳児事例
2)4歳児事例
3)5歳児事例
4)幼児の科学的思考を支え促す非認知的能力の要素とそれらの発達的な様相と指導のポイント
(3)非認知的能力の要素の妥当性について
1)他附属幼稚園との事例比較
2)京都教育大学附属幼稚園での観察結果
(4)研究の成果と課題
1)非認知的能力を促す26項目(試案)
2)教育課程における非認知的能力の発達モデル
3)科学的思考(認知的能力)とそれを支え促す非認知的能力の評価要素表
4)今後の課題
本報告書は、文部科学省の「幼児教育の質向上に係る推進体制等の構築モデル調査研究」の委託費による委託業務として、<受託者の名称>が実施した平成27年度幼児教育の質向上に係る推進体制等の構築モデル調査研究の成果を取りまとめたものです。
したがって、本報告書の複製、転載、引用等には文部科学省の承認手続きが必要です。