生徒指導コース

院生によるコース・分野等紹介を、インタビュー形式で紹介しています。

高度学校教育実践専攻
生徒指導コース

真鍋 博光さん
愛媛県小学校教諭
2022(令和4)年度入学

生徒指導コースでは,不登校やいじめ,非行など様々な問題への対応や理論を学ぶことができます。それぞれの経験した事例を検討する機会があり,自分自身の生徒指導に関する実践を振り返り,今後の教育活動に役立つエビデンスを得ることもできます。教育相談や道徳教育,特別活動,学級経営,学校保健などの近接分野についても学ぶ機会があり,様々な視点から生徒指導を見つめ直すことができます。これらの学びを生かして自分の研究テーマを深めるとともに大学の先生との個別のゼミ活動を行うことにより,自分の生徒指導観が少しずつ変化していくことを感じられるのが魅力です。また,私の場合,ともに学んだ大学院生は,様々な出身,校種,年代など,この生徒指導コースに入学しなければ関わることのできなかった現場の先生方でした。大学の先生方は,とても温かく院生の思いを受け止め,学びをサポートしてくださいました。これら“人とのつながり”を感じながら,生徒指導に関する学びを深められるのもこのコースの魅力です。

2023(令和5)年12月収録

  • 合格のための秘訣を教えてください。
  • 大学院へ進学し,「何を学びたいのか」を明確にしようと取り組みました。そのために,現場で行ってきた今までの実践を振り返ることで,自分自身の課題を整理することから始めました。その時に読んだのが,「生徒指導提要」です。私にとっては,生徒指導の教科書のような存在で,自分のやってきた実践と照らし合わせながら課題を整理していきました。次に,大学院のパンフレットや生徒指導に関する文献や論文を参照し,生徒指導に関しての様々な知見を得ようと学び進めていきました。そして,「こんな先生になりたい。」という自分なりの教師像を思い描いていきました。その教師像に向かうために乗り越えるべき課題を見つけ,努力を積み重ねたことが私の合格のための秘訣だと考えています。
  • 大学院へ進学した動機・きっかけは?
  • 生徒指導について深く考えたいと思ったからです。生徒指導主事や学級担任として多くの子どもたちと出会ってきました。子どもの思いは複雑で,その思いに想像を巡らせることで子どもの心に迫ろうとしてきましたが,表面上は問題が解決したように思えても問題行動が繰り返されたり,気付けていないところで深刻化したりしていた事案もあり生徒指導の難しさを感じていました。また,様々な先生方に「生徒指導とは何か?」聞くと,「規律を整えることです。」と答える人もいれば,「心理的なサポートをすることです。」と答える人もいました。また,「その場面は?」と聞くと「問題が起こった時が中心です。」と答える人もいれば,「授業の中での指導が中心です。」と答える人もいました。様々な生徒指導観に触れる中で,どれも正しいと思いましたが,私のより大切にしたい生徒指導観は何だろうと思い始めました。これら生徒指導の難しさと私自身の生徒指導観について,より深く考え学びを深めたいと思ったのがきっかけです。
  • 入学しての本学の印象はどうですか?
  • 「生徒指導は“人とのつながり”だ。」この言葉は入学後に私が言われて心動いた教授の一言です。生徒指導コースでは,様々な校種の様々な年代の先生方とのつながりを感じることができました。生徒指導に関してたくさんの議論をし,多様な価値観に触れることができました。そういう意味で“人とのつながり”を大切にしているコースなのだという印象を持ちました。それは私自身今も変わることのない印象であり,先輩方との話の中でも過去から変わっているものではない脈々と受け継がれているものなのだろうと捉えています。大学院生活を振り返っても,“人とのつながり”の中で学びが深まっていった場面が多くあったように思います。“人とのつながり”は私にとってのかけがえのない財産になりました。
  • おすすめ授業科目について教えてください。
  • 1年次後期(後半)に開講される「生徒指導事例検討」という講義です。これは,一方的に話を聞くのではなく,自分自身の実践を振り返り,事例としてまとめて発表し,それに対して参加者と意見を出し合い,悩み,より良い生徒指導の在り方について学びを深めていくというものです。それぞれの発表者から語られる事例は多岐に渡りますが,状況を細かく説明していくのでどれも自分事として捉えることができ,様々な視点から議論を重ねていくことができます。その上で,大学教員からの助言を受け,さらに事例に対する考察をまとめ直していきます。事例を深く検討することで,他の事例とつながり得るエビデンスを得ることができるのがこの授業をおすすめする理由です。
  • 大学院修了後のこと、今後の目標について教えてください。
  • 大学院では,生徒指導についての新たな知見を得ることができました。自分の実践を振り返るとともに,自分の生徒指導観を見つめ直すことができました。大学院に入る前を振り返ると,学校への不適応感を抱えている子どもの言動などに表れる「目に見える学校不適応感」には対応してきましたが,そのきっかけや要因,背景となる「目に見えにくい学校不適応感」には十分対応できていなかったと思います。今後は,大学院での学びを生かし,「目に見えにくい学校不適応感」にもしっかりと対応することで,一人ひとりの子どもたちが自分の個性を発揮して安心・安全に,生き生きと学校生活を送ることができるようにしていきたいです。
 

               

               

真鍋さんの1年次前期(前半)の時間割(2022(令和4)年度)
時限
    学級経営の理論と実践 授業の理論と実践  
生徒指導の理論と実践 カリキュラムデザインの理論と実践   リーダーシップとコミュニケーション 教育評価の理論と実践
教職協働力実践演習Ⅰ       Society5.0に向けた教育の情報化・情報教育
  学校心理学      
         

集中講義:地域プロジェクトフィールドワーク

通年講義:教職協働力実践演習Ⅰ・教育実践研究Ⅰ

大学院授業科目
学部授業科目
その他