数学科教育コース

院生によるコース・分野等紹介を、インタビュー形式で紹介しています。

住瀬さん

高度学校教育実践専攻
数学科教育コース
住瀬 悦子さん
徳島県高等学校教諭
2022(令和4)年度入学

コースの最大の魅力は、教育学と数学の専門家のティームティーチングのもとで、数学教育の専門性を深められることにあると思います。前期の授業では、教職実践高度化系に所属する院生とともに教育全般における理論と実践について学ぶ授業と、数学科教育コースの学卒の院生とともに数学の授業実践について学ぶ授業があります。私はせっかく教職大学院で学ぶ機会をいただいたので、授業の専門家といえるような学習指導力と、学校のミドルリーダーとして活躍できるマネジメント力を両方身につけたいと考えて授業を選択しました。個人のニーズに合わせて、数学の専門性をもっと深めるように授業を選択することもできます。ニーズに合わせて学べるところが数学科コースの魅力だと思います。

2022(令和4)年8月収録

  • 合格のための秘訣を教えてください。
  • 「これまでの教員生活で何に力を入れて取り組んできたのか、さらに教職大学院で何をしたいのか」をしっかりと言語化しておくことだと思います。3年以上の教職経験者は、受験の際、入試内容は口述試験だけですので、そこで、自分の教育にかける情熱をしっかりと整理して伝えることが大切だと思います。そのために、これまでの取り組みを振り返って、自分の実践に関する資料を見直したり、整理し言語化したりすることを受験までに準備していました。
  • 数学科教育コースに進学した動機・きっかけは?
  • 私は生徒の「分かった!」「できた!」という反応を見るのが大好きです。その成功が個々の生徒の内に感動を与え、次なるステップにつながっていく様子を身近で感じることにより、「もっといい授業がしたい」「生徒に学びの楽しさを伝えたい」と考えるようになりました。現場では学校の業務に忙殺され、仕事をこなしている状況であったときに、先に教職大学院を修了した同僚が勧めてくれたことがきっかけでした。調べていく中で学習指導力・ICT教育実践力開発コースとどちらを志望するか迷った時に、数学を“教える”という視点で数学教育を学び、授業力を磨きたいと考えたことで数学科教育コースに決めました。
  • 入学しての本学の印象はどうですか?
  • 鳴門の美しい自然に囲まれ、学習環境が整っているという印象です。専門性の高い先生方、資料や書籍が豊富な図書館、自由に使えるパソコン端末も多く、論文作成や学習など、落ち着いて学習に臨める環境があります。特に図書館には教育関連の書籍はもちろん、過去の修了生の修士論文や最終成果報告書がそろっており、研究個室を使うこともでき、集中して学習に取り組むことができるので毎日通っています。水曜と土日には児童図書室が開いていて、一般の親子も利用しているのでコミュニケーションをとったりして癒されています。また、学びのポートフォリオで自身の学びを振り返る機会があり、1週間の学びを振り返りながら週録を書くことで頭の中が整理され、担当教授からフィードバックをもらう学びのサイクルが定着しています。学校現場に帰ったら、この学びのサイクルを生徒にも伝え、“学びの自走”スタイルを実現させたいです。
  • おすすめ授業科目について教えてください。
  • おすすめしたい授業は「学校支援のための教科教育実践演習」です。私は大学では理学部数学科で学んでいたので、学びの楽しさを伝える数学教育について学びたいという気持ちがありました。この授業ではどのように発問したら生徒に自分で解を見つけさせることができるのか、既習事項から自分で気づかせるにはどのようにアプローチすればいいか、学卒院生とともに意見を共有し、考えを深め、具体的に学ぶことができます。授業に対する新たな視点を与えてもらっています。実際に指導案を書いたり、模擬授業をしたりと、現場ではできなかった「一つの単元を深めてよりよい授業を作る」ことができています。
  • 大学院に進学するメリットを教えてください。
  • 毎週のゼミでは自分の研究テーマに関する先行研究を調べて発表し、学卒の院生2名と担当教授とともに、敬意を払いながら批判的な考えを出し合いよりよい解を求める「ダイアローグ」を実践しています。主体的に先行研究を調べ、対話を通して協働的に学ぶことが深い学びにつながることを実感できます。先輩のゼミにも参加させてもらったり、夏休みにはわくわく算数教室にボランティアで参加し小学生と学んだり、学会の研究発表会に参加し勉強したり、夏休み明けには小学校へ実習にいかせてもらったりと、学校現場にいた頃にはできなかった経験をさせてもらっています。時間ができたことで、心に余裕が生まれ、自分がどんな教育を実践したいのか向き合えていることが、進学した一番のメリットだと思います。他校種や他県の先生方とも交流でき、視野が広がったと感じます。この2年間は、修了後これからも続く教員生活を充実したものにしてくれると思います。
 

       

住瀬さんの1年次前期(前半)の時間割(2022(令和4)年度)
時限
    学級経営の理論と実践 授業の理論と実践  
生徒指導の理論と実践 カリキュラムデザインの理論と実践   リーダーシップとコミュニケーション 教育評価の理論と実践
        Society5.0に向けた教育の情報化・情報教育
  教育法規実践演習   教育実践研究Ⅰ(数学) 学校支援のための教科教育実践演習Ⅰ
         

集中講義:教科教育課題設定フィールドワーク

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