BPプロジェクトいじめ防止支援シンポジウムが開催されました

2016年3月4日

 平成27年度の取組成果報告の場として,平成28年2月21日(日)に東京駅前のステーションコンファレンス東京にてシンポジウムが開催され,全国から教育委員会関係者,教員,学生,一般の方など,約150人が集まりました。

 午前の部では,各大学学長によるいじめ問題防止に対する各大学の取組報告を交えた挨拶のほか,来賓として義家弘介文部科学副大臣による挨拶,坪田知広文部科学省初等中等教育局児童生徒課長による講演が行われました。

 義家副大臣は,本プロジェクトを「教職員の資質向上を力強く支援するものであり,画期的な取組」と評され,いじめの未然防止や早期発見,早期対応などいじめ問題への対応力の向上と,いじめが原因の死亡事例を取り上げ,「いじめ防止対策推進法に規定されている,基本方針の策定や組織の設置は着実に実施されていながらも一方では,これらが形式に陥っている」と,すべての子供たちが安心・安全で充実した学校生活を送ることができる環境作りの重要性について訴えました。また,坪田課長からは,「いじめ問題に関する現状と課題」をテーマに,データを用いて,いじめ認知力の向上がいじめ防止につながることを強調されました。お二人のいじめの未然防止を訴える熱意ある言葉に,客席ではうなずきながらメモを取る姿が多く見受けられました。

義家副大臣         坪田課長 

 子供達のための環境作りの重要性を訴える義家文部科学副大臣      いじめ認知の重要性を強調する坪田文部科学省児童生徒課長

  午後の部では、いじめ問題の研究では国内を代表する森田洋司鳴門教育大学特任教授(日本生徒指導学会会長)による基調講演が行われました。「認知件数の増加は問題が増えたのではなく,学校や地域の感性と教育力の高まりの表れである」と強調し,「軽微ないじめが初期だとは限らず被害を過小評価しないこと」の重要性を訴えました。森田先生のユーモアを交えながらも力量ある言葉に会場では緊張感が伺えました。

森田先生         全体.jpg

いじめは見ようとしなければ見えないと指摘する森田特任教授            客席ではメモを取りながら熱心に耳を傾ける姿も

 続いて,社会的注目度の高いネットいじめの防止について,「ネットいじめと教師の対応」と題し,阪根健二鳴門教育大学教授から講演及びパネリストに国立教育政策研究所の滝充総括研究官を招き,BPプロジェクト連携4大学の代表者らとディスカッションを行い,熱い議論が繰り広げられました。また,「ネットは匿名ではない,書き込みは証拠になると指導することが抑止力になる」 「ネットいじめとはネット空間で行われている従来型のいじめの延長であることを認識すべき」などのいじめ防止の名言とも言える言葉も生まれました。

阪根教授         ディスカッション

 ネットいじめに対する教員の対応について講演する阪根教授                          各機関代表者によるディスカッション

  シンポジウム終了後,参加者の皆様から,コメントをいただきましたので一部を抜粋して御紹介いたします。

・「LINEでいやなことがあったら記録を残すことでLINEいじめをなくすことができるというのは新しい発想だったと思いました。自分も軽々しくネットに書き込みをしないようにしたいと思いました。」〈大学生・院生〉

・「いじめ防止について改めて意識を高めることができる内容ばかりでした。認知件数の増減と同様にいじめ問題への取組も必要であることにかわりないが,段々と落ち着いてしまう。そうならない意欲・関心の高めをどう確保していくのか考えさせられました。」〈教育委員会職員〉

・「学校現場がいじめ問題にどう向きあうかということをわかりやすく教えてもらいました。市教育委員会がこのことを学校にどう伝え,学校がどういう体制をとっていけばよいのか,それを根づかせることができるか考えさせられました。」〈教育委員会職員〉

・「いじめに対する認識を整理することができました。貴重なお話をいただいた先生方に感謝します。大学としてできること,やらねばないことをさらに考え,子どもたちの健全な成長のためにがんばりたいと思います。」〈大学教員〉

 御参加くださった皆様,並びに関係機関の皆様の御助力に感謝いたします。
 BPプロジェクトでは,来年度以降もいじめ問題の防止に向けた積極的な取組と,その成果の発信に取り組んで参ります。今後の活動に御期待下さい!

 

 

 

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