水滴顕微鏡(『水滴君』)の作製

言語
日本語
教科
生物

水滴顕微鏡(『水滴君』)の作製

学年 小学校5年
単元 生物とその環境
時間数 2
ねらい 紙コップなどの身のまわりにあるものを利用して簡易顕微鏡を作製し,児童一人一人に顕微鏡による生物の観察を体験させる。
対象概念 顕微鏡の使い方
必要な材料 紙コップ;2個,輪ゴム;3本,透明プラスチック板,ケント紙,鉛筆,定規,画びょう,はさみ,カッター,セロハンテープ,ホチキス,黒マジック,つまようじ(細い棒),プレパラート,水
教材の作り方 1 スライドガラスの幅より約1㎝広い幅で、図1のように紙コップの両側面を切り取る。
2 ケント紙を1.5㎝×9㎝に切って丸め、セロテープでとめてアイキャップを作る。次に、アイキャップを紙コップの底の中央に当て、内部の底の部分を黒マジックでぬる。
3 黒くぬった部分の中央に画びょうを刺してピンホールをつくり、その上に1.5㎝四方の透明プラスチック板を載せ、図2のようにセロハンテープでとめてレンズ台を作製する。
4 図3のように紙コップの底の黒い部分にアイキャップをあて、セロハンテープでとめる。
5 図4のように紙コップの両側面部にそれぞれ2ヶ所、中央まで切れ込みを入れて折り曲げ、羽をつくる。
6 図5のように、羽の部分が約1㎝になるよう不要部を切り取る。次に羽の根本に輪ゴムをかけ、セロハンテープで固定する。
7 別の紙コップの底をカッターで切り抜く。
8 図6のように飲み口から約2㎝の高さに、ホチキスで輪ゴムをとめる。同様に反対側にも輪ゴムをとめる。この輪ゴムがプレパラートをおさえるクリップの役割をする。
教材の使い方
授業の流れ
花の構造の観察において、ルーペによるおしべの観察の後、水滴顕微鏡を用いて花粉を観察する。水滴顕微鏡の操作方法は次のとおりである。
1 ステージにレンズ台をかぶせ、図7のようにすき間にプレパラートを差し込み、ステージ側面の輪ゴムで固定する。
2 つまようじのとがっていない方(または細い棒)の先に水をつけ、図8のようにレンズ台のピンホールの部分に押しあて水滴を載せる。
3 目をアイキャップに当てて水滴顕微鏡を明るい方に向け、ステージ部を上下してピント調節し観察する。
指導時のポイント 1 数種類の植物の花粉を観察させ、観察の楽しさを味あわせる。
2 水滴の大きさによって、試料の見やすさや倍率がどのように変化するか確かめさせる。
留意点 1 よく見えない場合は、水滴ののせ方に原因があることが多い。一度ティッシュペーパーで水滴をきれいに拭き取ってから、再度水滴をのせるとよい。何度か繰り返すうちに適切な水滴ののせ方がわかってくる。¶2 水滴の大きさはピンホールの直径の1.5~2倍くらいの大きさの水滴をのせるようにするとよい。これで50倍程度の倍率は得られる。水滴が小さい程倍率が高くなる。水滴が大きすぎるときれいなレンズができず像がぼけ、小さすぎると視野の周辺のゆがみが大きくなり観察しづらくなる。¶3 やや不安定な水滴の代わりに、ガラスビーズをレンズとして代用することができる。ガラスビーズは市販されており、2㎜径で100倍程度、6㎜径で50~60倍程度の倍率が得られる。倍率が上がる程視野が暗くなる。
出典  
対象地域  
作成者・所属 北海道立理科教育センター 生物研究室
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