本学の国際教育協力は,グローバルな視点を持った教員養成・研修の充実を目指すとともに,本学の学生が多様な価値観や文化を許容できる広い視野を持ち,チャレンジする力を育てることを目指し,さらに,開発途上国への日本型教育システムを開発し広めること(輸出)を図っています。

そのために,一つは海外の大学間交流協定締結校等との共同研究や学生の留学,教育実習,もう一つは独立行政法人国際協力機構(JICA)と連携協力して開発途上国教員研修を積極的に行っています。

ここでは,後者の取り組みについて以下に紹介します。

鳴門教育大学の特色

本学では,受託研修や教育専門家派遣を通して,国際教育協力を実施するとともに,学生・院生の学修成果や現職教員経験を生かした海外での活動の場を提供することによって,チャレンジ力,異文化対応力,さらにコミュニケーション力の向上を図っています。

研修事業を核とし,国際協力とグローバル教員養成を関連させることにより,外的協力と内的育成の相乗効果を期待しています。

「鳴門教育大学モデル“研修パッケージ”」

この国際協力分野についての本学の活動の特徴は,①現地調査,②受託研修,③現地フォローアップの一連の流れを一体化した,鳴門教育大学モデル“研修パッケージ”を構築していることです。

鳴門教育大学モデルでの取組は,本学の強み,独自の特色であり,今後も国立大学協会や他の教員養成系大学等とも連携を図り,事業の機能強化を行っていきます。

日本型教育の海外展開・鳴門教育大学モデル

  1. ① 現地調査

    ニーズ調査の様子

  2. ② 受託研修

    模擬授業に協力する鳴門教育大学生・グローバルチューター

  3. ③ 現地フォローアップ

    補助する鳴門教育大学生・グローバルチューター

研修では,授業改善,教材開発,モデル授業の立案と実践,授業改善に資する教員の指導方法,カリキュラム,教科書の作成や活用方法,現職教員研修制度,教員及び学校評価制度など,幅広いテーマを扱います。

研修に際しては,JICA側から提示される研修概要書に基づき,研修を立案,実施します。立案に際しては,教育現場と緊密な関係を構築している本学の強みが発揮されています。研修講師として,文部科学省をはじめとする教育行政機関,教科書会社,教材開発会社,教育現場など幅広い人材を招き,当該国の要望に応えられる研修を実施しています。

鳴門教育大学での研修の様子

閉講式

本学での研修の特徴は,単に研修を実施するだけではなく,事前調査-研修-当該国でのフォロ-アップをパッケージ化した研修の企画・運営であり,「痒い所に手が届く研修」をめざしています。

本学の研修パッケージ

事前調査において授業視察,関係諸機関へのインタビュー等を通して現地の現状把握や実態に関する資料収集等を行い,それらを研修の資料として利用し,研修で具体的な改善策を作成します。

研修後,授業や業務の視察のために研修員の職場(学校・教育省など)を訪問し,必要に応じて,セミナーやワークショップを実施し,現地教育省への提言等を行っています。受託研修ではありますが,事前調査-研修-フォローアップと一貫性のある国際貢献パッケージによる一連の業務を実施しています。研修を中心とした国際教育協力の効果的な枠組み作りは,日本で培った教育資産の海外輸出に大きく寄与するものと考えています。

JICAとの連携協力の実績

本学の国際協力は,平成11年度南アフリカ共和国ムプマランガ州に対する研修を開始して以来,アジア,大洋州,中東地域,アフリカ,中米等37ヵ国から500名を超えるJICA研修員が本学で学んでいます。

JICA受託研修(以下「研修」と略す)において,多様な地域,多様な課題を取扱うことにより,大学としての国際教育協力の知見・方法を蓄積してきています。平成27年度は10件の研修を実施し,研修数は全国の教育系大学で第1位となりました。以降,毎年多くの研修を実施しています。

  • 1998年~ 研修員受入れ開始 (南アフリカ~)
  • 2013年 JICA国際協力感謝賞 受賞
JICAの開発途上国教員研修(2012~2016)
年度20122013201420152016合計
受託件数 4 5 6 10 9 34件
国数
(実数)
17 20 16 22 26 38ヶ国
研修員数
(延数)
68 70 51 108 111 408人

参加する研修員も教育副大臣から教育現場の現職教員と幅広い人材で構成され,また言語圏も英語,フランス語,スペイン語,ポルトガル語,アラビア語等多様で,本学の関係者にとっても様々な社会的・文化的背景に触れ,学ぶことができる好機となっています。

長年にわたるこの研修事業の功績に対し,平成25年にJICAより「国際協力感謝賞」を受賞しました。

JICA国際協力感謝賞 表彰式の様子

また,本学は,平成28年4月21日,JICA四国支部と,開発途上国への国際協力の実施及び国際協力に資する人材の育成等を目的として,相互の協力可能な分野において連携を推進するため,連携協力の覚書を締結しました。期間は5年間。内容は,国際協力に関連する講義等の実施,開発途上国の要請に基づく大学での研修員受入,大学教職員の現地への専門家及び調査団としての派遣など。

本学で行われた調印式では,高橋政俊JICA四国支部長と山下一夫学長が出席し,山下学長は「JICA四国支部と協力し,大洋州,アフガニスタン,ケニア,フランス語圏アフリカ等の現職教員等を外国人受託研修員として受入れ,また,JICA専門家派遣として教職員を現地へ派遣してきた。本学がこれまで行ってきた経験を生かし,今後も開発途上国の教育力向上のために貢献していきたい。」,高橋支部長は「鳴門教育大学の長年にわたる国際貢献・国際協力に感謝するとともに,今後さらに連携・協力を強め,国際協力事業を推進していきたい。」と今後の連携協力事業の推進に意欲を示しました。

本学がこれまで行ってきた経験を生かし,今後もJICAと連携協力し,開発途上国の教育力向上のために貢献していきたいと考えています。

覚書に署名をする高橋JICA 四国支部長(左),山下鳴門教育大学長(右)