プログラムの全体像



■遍路文化入門プログラム
 遍路に関する基礎理解形成と歩き遍路体験を内容とする授業を開講します。まず講義により,地域社会における遍路文化の特質や意義を理解します。そして,実際に遍路道を歩く課程に進みます。数十キロメートルの遍路道を歩き,その体験を通して地域の文化や伝統を実践的に学びます。遍路を支えてきた地域の方々とも交流し,その営みの現状や課題も考察します。


■「情的」地域理解プログラム−歩き遍路による「いたわり」情操教育−
 学生がプログラム提供者として子どもの歩き遍路(遍路ウォーク)を企画・運営します。学生は自治体や学校と協力してプログラムを進め,当日は子どもを引率し,歩きをサポートします。この実践を通じ,指導力を磨き,取組をやりとげるための協働や協調の意義を学びます。
 歩き遍路体験は,自己をみつめ,他者と交わり,共感性や協調性を育む機会となります。教員志望学生と子どもが,この体験を共有します。地域の文化や自然を実感し,いたわりやはげましの心をもつ情操豊かな教員や人づくりをめざします。
 本学の位置する鳴門市を振り出しとする1番札所から歩くコース,神山町や勝浦町の遍路転がし(遍路道随一の難所)を越えるコースなどを歩きます。市民対象の遍路ウォークも実施します。


■「知的」地域理解プログラム−「まるごと博物館」構想−
 教員と学生が地域に入り,地域の方々と共同でワークショップ型の調査研究を実践します。地域に埋もれ,地域の方々のなかで忘れられようとしている有形無形の文化財や,高齢者の経験や記憶などを広く掘り起こして,遍路地域の歴史を再構成しようとするものです。
 具体的には,
  a. 古文書などの記録資料調査研究,
  b. 遍路道や遍路墓はもちろんのこと,大師講・接待講・写し霊場などの有形無形の文化財調査,
  c. 聞き取り調査
  d. 伝統行事等の文化事業支援
   などを行います。
 地域に重層的に存在する文化財を再発見し,地域を「まるごと博物館」に見立て,学生が地域の方々と共に地域の価値を再考します。


■発信プログラム−教育・文化発信−
 遍路文化の価値や意義を見出し,それを表現・発信する課程です。歩き遍路による「いたわり」情操教育や遍路地域の「まるごと博物館」構想の成果をまとめ,発表するための授業を開講します。学生は自信が実践してきたテーマを考究し,作品,資料データベース,活動ドキュメンテーション,ガイドブック,授業指導案,授業教材などを作成します。その発表・展示を公開フォーラムとして実施します。学生が自らの実践を学内外に公開し,成果を社会に還元します。
 
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