ここでは,学会誌「鳴門生徒指導研究」第13号の論文のタイトル(英文タイトル)・著者名・要約及びキーワードを各論文毎に掲載します。
1.日本語のタイトルと著者名
(1)道徳教育の基本的視座 兼松儀郎
(2)分離不安を示す幼児への心理的サポート−音楽療法セッションを通して−
立本千寿子・田中雄三
(3)いじめの実態と構造に関する一考察 葛上秀文
(4)高等学校における参加体験型人権学習の効果に関する実証的研究
-内的葛藤による自己変容を目指す学習プログラムの実践を通して− 大西雅人・吉井健治
(5)他者意識と自己意識からみる大学生の友人関係 篠原 茜・田中雄三
(6)中学生の自己効力を高め効力予期の情報源の増大を図るための試み
-構成的グループ経験を通して- 中村敦夫・田中雄三
(7)スクールカウンセラーの面接における現状と課題
-面接場面の意識に関する調査的面接を通して- 熊谷圭二郎・葛西真記子
(8)こどもソーシャルパートナーという訪問活動について 佐藤幸男
(9)大学生の自我同一性の感覚に関する一考察−両親の父性度・母性度から− 美馬宏紀・田中雄三
(10)不登校生徒のもつ母親イメージに関する研究
‐インタビューと心理アセスメントを用いて‐ 松尾美耶・相模健人
(11)2002年の世界の不登校研究の概観−ERICおよびPSYCHOLOGICAL ABSTRACTSの文献から− 佐藤正道
(1)道徳教育の基本的視座 |
Key Perspectives on Moral Education in Primary and Secondary Schools |
KANEMATSU, Yoshiro |
要 約 |
キーワード:道徳教育、未来、かかわり、価値観、人間としての在り方生き方 |
(2)分離不安を示す幼児への心理的サポート−音楽療法セッションを通して− |
Psychological Support for Infants with Separation Anxiety-Through Music Therapy Sessions- |
TATEMOTO, Chizuko &TANAKA, Yuzo |
要 約 |
キーワード:音楽療法,分離不安,心理的サポート,幼児 |
(3)いじめの実態と構造に関する一考察 |
A Study of Actual Conditions and Structures of Bullying -An Analysis of the Area Survey to Elementary and Junior High School Students- |
KUZUKAMI, Hidefumi |
要 約 |
キーワード:いじめ、小中学生、自尊感情 |
(4)高等学校における参加体験型人権学習の効果に関する実証的研究 |
Practical study on the effects of participatory learning at high school -Through the learning program aimed at self-reform by inner conflict of our mind- |
ONISHI, Masahito &YOSHII, Kenji |
要約 |
キーワード:人権を通じての教育、参加体験型学習、内的葛藤、自己変容、行動化への意欲 |
(5)他者意識と自己意識からみる大学生の友人関係 |
The Friendship of University Students from the Viewpoints of Other-Consciousness and Self-Consciousnes |
SHINOHARA, Akane&TANAKA, Yuzo |
要 約 |
キーワード:他者意識,自己意識,青年期の友人関係 |
(6)中学生の自己効力を高め効力予期の情報源の増大を図るための試み―構成的グループ経験を通して― |
The Trial for Heightening A Junior High School Student's Self-effect and Aiming at Increase of The Sources of Information of Efficacy Expectancy -Through the Structural Group Encounter - |
NAKAMURA, Atsuo & TANAKA,Yuzo |
要 約 |
キーワード:中学生,自己効力,効力予期,情報源,構成的グループ経験 |
(7)スクールカウンセラーの面接における現状と課題―面接場面の意識に関する調査的面接を通して― |
Present and Future of School Counseling Sessions |
KUMAGAYA, Keijirio & KASAI, Makiko |
要 約 スクールカウンセラー(以下SC)制度8年目となる現在,SC制度に関する研究もさまざま行われ,SCへの期待やニーズ,認識があきらかにされつつある。そこで本研究では,面接場面や関わりに焦点を当て,14名のSCに対して調査的面接を行うことでSCの面接における現状を調べた。その結果,SCには,専門の相談機関での活動とは異なり,日常−非日常,開放性−密室性,能動性−受動性,間接的援助−直接的援助など両極の間で自由に動くフットワークと,柔軟な対応・働きかけが必要になってくることがわかった。また守秘義務についてはかなり意識しながらも,SCとして活動していくためには,教員との情報交換などの関わりも欠かせないことが明らかになった。この調査から,SCとして学校で活動するためには,まずなにより臨床心理士としての技量を高めることが必要であること,次に,その専門性を十二分に発揮できるようにするため,教育について考え,知ることが不可欠であることがわかった。 |
キーワード:スクールカウンセラー,治療構造,守秘義務 |
(8)こどもソーシャルパートナーという訪問活動について |
The Practice of Visiting Counsering on School Refusals |
SATO, Yukio |
要 約 筆者は個人開業で不登校児・ひきこもり青年の訪問活動「こどもソーシャルパートナー」を行っている。不登校児への訪問においては、本人の興味・関心に沿った「遊び」が中心となるが、ひきこもりの青年においては、筆者と会うこと自体が目的となるほど、対人関係における問題が重い。またこの活動は本人と社会との調整役というソーシャルワーク的側面と、本人の心理的問題を筆者が受容していくというカウンセリング的側面の両方を含んでいる。 |
キーワード:こどもソーシャルパートナー、不登校、ひきこもり、訪問面接 |
(9)大学生の自我同一性の感覚に関する一考察−両親の父性度・母性度から− |
A Study of Mother Image in A Sudent with School Refusals -By Means of Interview and Psychologaical Assessment- |
MATSUO,Miya&SAGAMI,Takehito |
要 約 本研究では、N大学に在籍する学部学生207名を対象とし,青年期の自我同一性の感覚と両親の父性度・母性度の関連について質問紙調査を行った(有効回答数181名)。その結果、男女ともに父親の父性度が高く、母親の母性度が高いものほど青年期の自我同一性の感覚が高いことが明らかになった。また、女子においては母親の父性度が高いものほど自我同一性の感覚が低いことが示された。 |
キーワード:大学生,自我同一性,父性度,母性度 |
(10)不登校生徒のもつ母親イメージに関する研究 ‐インタビューと心理アセスメントを用いて‐ |
A Study of Mother Image in A Sudent with School Refusals -By Means of Interview and Psychologaical Assessment- |
MATSUO,Miya&SAGAMI,Takehito |
要 約 近年、学校において児童生徒をとりまく問題のひとつに不登校がある。そこで、本研究では、不登校問題理解の一助として、インタビュー調査と心理アセスメントを用いて不登校生徒のもつ母親イメージについて調査を行った。その結果、本研究における不登校の子どもが抱く母親イメージは、全体的に保護的で肯定的にとらえられており、母親イメージが肯定的にとらえられている場合、ほどよい母子の心的距離を築くことができている傾向にあることが明らかとなった。また、各事例において、母親イメージが与える様々な影響が見られた。さらに、母子関係と不登校の表面化との関係については、母子関係安定群、母子関係接近群、及び、母子関係疎隔群が仮に抽出された。よって、不登校の子どもが抱く母親イメージは、不登校児に様々な影響を与えており、不登校の子どもが抱く母親イメージを明らかにすることは、ひとりひとりの不登校の背景を考える際、有効な手がかりとなり、不登校問題理解の一助となることが明らかになった。 |
キーワード:不登校、母親イメージ、母子関係 |
(11)2002年の世界の不登校研究の概観−ERICおよびPSYCHOLOGICAL ABSTRACTSの文献から− |
A Review of the Studies about Non-Attendance at School,School Phobia, and School Refusal in the World(2002) |
SATO, Masamichi |
要 約 日本の不登校の問題を考える上で,常に世界の研究に目を向け続けることは必要である。筆者は1980年から1990年までの研究の概観を行い,その継続研究として1991年から 1年毎にERICおよび PSYCHOLOGICAL ABSTRACTSの不登校との関連が考えられるキーワードschool attendance,school dropouts,school phobia ,school refusal を持つ文献を分類してきている。その継続研究として2002年の文献93件について取り上げ分類し検討を加えた。 |
Key words : school attendance, school dropouts, school phobia, school refusal |
Copyright 2000-2003 Naruto Association of School Guidance and Counseling:Last Updated 2003.09.08