ユパナ ユパナはペルーのインカ文明で用いられた計算具で,四則演算を知らなくても加算ができる器具である。 フィボナッチ数列の概念が用いられており,枠の重みが下から順に1,2,3,5となっている。 すなわち,最初は1の枠に石またはトウモロコシの種等を一つ置き,次に同じ枠にもう一つ置く。 合計は2であるため,一番下の枠に2個溜まると,2個を取り出し,1個は除き,残りの1個だけ上の2の重みの枠に置く。 さらに,一番下の枠に1個置くと,一番下と下から2番目の枠に1個ずつ連続してあるため,それら2個を取り出して,1個は除き,残りの1個だけさらに上の3の重みの枠に置く。 これらを繰り返すと一番上の5の重みの枠に2個溜まり,その2個を取り出して,1個は除き,残りの1個だけ右下の10の重みの枠に置く。 このように,加算を用いることなく,単純作業のみで加算が実行できる。 この数の記録は,結縄文字として扱われるキープで記録する。 なお,キープは同じ結縄文字の沖縄の藁算とも考え方が類似している。