シッカート計算器 ヴィルヘルム・シッカートは,17世紀にヨハネス・ケプラーへの手紙の中で機械的な計算器を作ったことを書いているが,残念ながら火事で焼失したと記録している。 この機構は,その後の手回し計算器の基本原理となっているが,中断の加算機構の歯車とは別に上部にはネイピア棒で用いられた格子掛算表が筒に描かれており,必要な枠の窓のみを開けて数値を確認して,その数値分だけ各桁を加算する機構となっている。 また,下部は独立しているが,計算の途中結果を記録できるようになっており,現在のコンピュータの一時レジスタに相当,これより20年程度後に製作された機械式歯車計算器にはない先駆的な機能である。 展示品は写真のみから復元したもので,教材用として中が見やすいアクリル板で製作した。 復元当時は10歯の歯車が販売されていなかったため20歯の歯車を用い,かつ教材用にアクリル板を多用して,鳴門教育大学で製作した。