短期派遣専門家としての技術移転活動(2)

指導科目: IT訓練認証制度の開発(コースC)

派遣期間: 2003年 6月17日~ 7月 2日

派遣先: バンコク,ラチャブリ


技術移転の概要:

タイ王国教育省において本プロジェクトの現状と今後の研修計画の立案に関連する助言を行うとともに,IT訓練認証制度のうちコースCの開発を行う。タイ王国内の学校におけるコンピュータシステムの利用状況とシステム管理方法について視察し,2003年3月に作成したコースCのテキストを加筆・修正後,改訂版を作成する。さらに,バンコクセンターにおいて,コースCの実施準備に伴う研修用PCの増強について作業手順書を作成し,その手順書に従ってPCの増強を行う。研修用PCの増強では,現在PC本体に内蔵されているハードディスクをコースA,B用とし,追加したハードディスクをコースC用として,それぞれ2つの内部トレイに組み込みリムーバル・ハードディスク化し,それらを排他的にリムーバル・フレームに装着可能にする。コースCの実施準備に関わる5箇所のNon-Formal Education Centerの研修用PCの増強計画と2003年10月~12月に実施する鳴門教育大学での研修内容について検討する。

技術移転活動の総括:

今回のIT訓練認証制度の開発(コースC)に関する技術移転では,(1)コースCの実施時間割の修正,(2)コースCのテキストの加筆・修正,(3)コースCの実施準備にかかる研修用PCの増強とその作業手順書の作成,の3つを実施した。

(1)については,コースCのテキストを執筆する3名のC/Pとともに,テキストの内容の沿って,内容と時間配分を詳細に検討し,修正を行った。今後,研修を実際に行い時間配分について,さらに修正を加える必要がある。

(2)については,執筆担当者ごとに,河原TCとともに詳細にレビューを行い内容の間違いを修正するとともに,学校用コンピュータシステムの管理等を目的とするように内容を充実させた。

(3)については,コースCの実施では,オペレーティングシステムのインストール等の実習を含んでいるため,コースA,B用のハードディスクと分離する必要性を満たすために研修用PCの増強を行った。作業手順が複雑で,かつ,間違えるとハードウェアを破損するため,カラー写真入りの詳細な作業手順書を作成し,円滑に増強作業を行えるように配慮した。


技術移転活動の様子:

(1) 教育省バンコクセンター

コースCを実施するための準備として,内蔵ハードディスクのモバイルラック化を実施しました。

  C/Pとの共同作業

  職業体験の学生にも手伝ってもらいました。

(2) バンコク市内の中高一貫校2校を視察

Mattayom Watmakutkasat 学校 (生徒数1200名,6学年,バンコク市内では平均的な規模,男女共学)

 コンピュータ関係の教育内容について情報収集

教育用コンピュータ室は2部屋

 

サーバー室

 

授業で使用するコンピュータ用パーツ類

 

Suankularb学校(生徒数4121人,6学年,卒業生に10人の首相がいるというタイで最もハイレベルな学校,男子校)

 コンピュータ関係の教育内容について情報収集

   元宮殿という校舎(ロングビルディングと呼ばれている。美しい建物です。)

生徒用コンピュータは400台以上設置している。校内LANも敷設済みであり,ネットワーク監視をUNIXマシンで行っています。

図書館での本の貸し出しもコンピュータ管理されています。

生徒の成績や健康情報もIDカードを使ってできます。

活気のある生徒用コンピュータ室

  

2進数を教育するための教具

(3) ラチャブリNFEC

コースCの研修に含まれる予定のLinuxサーバーを使ってインターネット・サービス・プロバイダにモデム・ダイアルアップする方法について意見交換

 

青年海外協力隊員によるLinuxサーバーの操作

 

研修用コンピュータが設置されている建物


修正日:2004. 9.22