『徳島地理学会ニュース』



 徳島地理学会ニュースは、毎年10月に会員の皆様にお届けしています。学会の行事を御案内するとともに、学会・例会の発表要旨を掲載しております。巻頭には、新会長の挨拶や会員の小論説があります。今年発行の第9号からは「地域の話題」という欄も新設いたしました。


◎『ニュース』抄録


○剣山北麓の村「一宇村の崖崩れ」:井上 隆会員(一宇中)

 吉野川の流れに沿って東西に国道192号線が走っている。その国道を貞光町から剣山を目指して真南に国道438号線を上ると、車で25分ほどで一宇村に着く。村には平成8年度現在で三つの小学校があった。
 村に入って最初の小学校が「古見小学校」である。その古見小校舎のすぐ南側の45度近い山腹斜面が突然崩れた。高さ約30m、幅30mにも渡って。平成9年2月21日の未明であった。今もその日をはっきりと覚えている。その日は給料日だったからである。小学校の1・2階には土砂がなだれ込んでいた。昼間であれば、小学生・幼稚園児あるいは職員の命が奪われていたであろう大惨事になっていた。不幸中の幸いであった。
 つづいて、平成9年6月22日に、貞光町から一宇村に入ってすぐの、滝で有名な土釜付近の西側斜面が崩壊した。崩壊した斜面は長さ400mを越えている。現在も崩壊斜面の一番上に重さ800tの岩石とその下には重さ600tの岩が6個ほど斜面に並んでいるそうである。落石予備軍である。大きな雨が降るたびに、また村内のどこかが崩れるのではと心配になる(そうだ、ここは三波川変成帯だ)。
神戸の人たちが阪神大震災の後、少しでも地面が揺れると、恐怖心に襲われるのが理解できるような気がする。
───第9号(1997年)「地域の話題」より




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最終更新日:1997.10.13(このページは普請中です)