スタンフォード大学ラーニングラボ(Stanford University Learning Lab: 以下、SLLと略)は、Casper学長のリーダーシップのもと、学習の科学とメディアテクノロジーを利用して、学部の授業改善するため、1997年に設立された。具体的には、学部の一般教育の授業にインターネットなどを使った活動を組み込み、その成果を検討する実践研究を進めている。さらに、他の大学や企業とのコラボレーションによって、研究開発の成果を商品化し、大学の収入源とすることも期待されている。
SLLでは教育工学のアプローチから研究を進めている。方針は以下の通り。
コンピテンシー(competency)は、直訳すると「能力」だが、“competency-based ”のように教育カリキュラムをデザインするときに使われる文脈では『実践力』と訳したほうが適切だろう。社会人教育あるいは専門職教育(professional development の意味で)をターゲットとする遠隔教育では、仕事に役に立つ『実践力』の養成が期待される。州知事たちの合意で設立が検討されているWestern Governers University でも専門的な実践力の養成が重要視されている。SLLでもコンピテンシーの育成をめざし、単に学生に知識を伝達するだけでなく、学生がそれを有効に活用し、問題解決できるように、さらに、こうした実践力が将来にわたって維持されるプログラムの開発を目指している。
SLLには3つの機能がある。実践:学部の授業を担当する。研究:授業実践の中で最新のメディアや教育方法をテストする(研究開発)。サービス:教育効果が実証された方法やツールを他の教官や授業へ提供する。これら3つの機能のバランスをうまくとっていくことが課題になっている。