遠隔教育プログラムの開発と運営に必要な資源 2/8(月)

Acker博士へのインタビューより

 TELR(Technology Enhanced Learning and Research)は、オハイオ州立大学の学部とは独立した組織で、学部の教官がテクノロジーを教育に活かし、学生がテクノロジーを学習に活かすのを支援するのが目的である。Acker博士はTELRのディレクターで、現在、大学レベルの遠隔教育コース開発の推進者である。博士からは、大学として遠隔教育コースの開発に取り組むには、どんな資源や条件が必要か、意見をうかがった。

プロジェクトの企画・提案とマネジメントを担当する

 OSUの情報処理サービスは、UTS(University Technical Services)という別の独立した組織が担当している。TELRは、こうした資源を、大学教育に有効に利用していく方法を提案し、学部のスタッフとの共同作業でプロジェクトを推進している。たとえば、遠隔教育の場合、1999年の予算は$250,000。学部のスタッフに対して、プロジェクトへの参加を募り、たとえばHowell博士のように主旨に賛同した教官にプロジェクトとして研究開発費(ほとんどはgraduate assistantを雇うための人件費)を援助するという形式になっている。プロジェクトの企画、提案、マネジメントが仕事の組織である。

 人件費としてAcker博士があげたものは、マネージャー(開発を主導するプロジェクトリーダー的人材)、インストラクショナル・デザイン(教材開発)の専門家、グラフィックアーティスト、プログラマー、そして教材の内容の専門家(学部の教官)である。いわゆる備品にはあまり使われないようだ。情報インフラの整備はUTSの仕事であり、他のメディア機器などは各学部にそれらを整備する予算が別についているということだ。

 Acker博士は、今後の方針として、上述のスタッフをTELRに用意して、プロジェクト毎に学部から教官をTELRに招いて、共同で開発していこうと考えているそうである。

コンテンツやノウハウを売る?

 Acker博士によれば、現在、インドの大学と遠隔教育のコンテンツや方法に関するノウハウについて技術提携する「商談」を進めているそうだ。確かに「英語」とインターネットにアクセスできる国なら、オンラインコースの顧客は全世界に広がるわけである。

プロジェクトへの参加者にインセンティブを用意する

 遠隔教育の開発プロジェクトを推進するのに最も大切なことは何ですか?と聞いたら、参加者にインセンティブを用意することだと言い、大学の執行部へ提出するという書類の一部を見せてくれた。そこには、プロジェクトに必要な作業と、担当者、そして担当者へのインセンティブ(担当者に作業をしてもらう動機づけ要因)がリストアップされていた。一例として教材のコンテンツ(中身)の製作を下にあげておく。

作 業 担 当 インセンティブ
コンテンツ製作
・概念
・シラバス
制作者
・教官個人
・学部や講座
・その他専門家
・通常の仕事の一つとして位置づける
・負荷とみなす
・著作権使用料
・このために雇う