教育学部の情報システムを管理する、Office of Technology Services (以後、OTS)のディレクター、Chovan博士とミーティング。OTSの使命は情報システムの整備と利用の活性化、特に、教官の技術力(最新の情報、メディアシステムを大学教育に活かしていくための)を向上するファカルイティ・デベロップメントにあるという。
Howell博士やHall博士のオンラインコースの他に、協力校との間に整備したビデオ会議システム(地上回線利用)を使った遠隔授業を次のクオーターで開講すべく準備を進めている。電話会社を通したサービスなので衛星通信などに比べればはるかに低コストな通信(一時限$60程度)が可能。また、協力校での教育実習を大学と他の協力校でライブビデオ観察し、その後、3カ所で反省会をするといった試みもしている。こうした通信システムを使った遠隔教育はこれから益々重要になると考えている。
大学(の執行部)は、数年間で遠隔授業を数百用意すると宣言しているが、なかなか進んではいない。むしろ、学部単位の、Howell博士やHall博士らの「下からの」動きの方が先行している。オンラインコースは通常の授業に比べて開発のための初期コストがかかるので、大学では授業料に差をつけることを考えている。しかしながら、遠隔授業が全国的に増えてくると(すでに実際その傾向が明らか)、大学間の競争が激化すると予測できるので、そう簡単には値上げできないとChovan博士は考えている。
ホームページを使ったオンラインコースの開発費については、個人差があるだとうが、$30,000/コースくらいだと見積もっている。現在はこうした費用はGAを雇う予算として使われている。オンラインコースのための専用サーバーは現在OTSにある。大学全体の情報処理システムを管理しているセンター(CIO)は集中管理したいという意向を示している。しかし、Chovan博士はハードウエアの管理とシステムの管理は分離するべきであり、システムに関しては、利用者(この場合はオンラインコースの開発をする学部の教官)に近いところに任せるべきだと考えている。
OSUは学生数50,000人、教官などスタッフ20,000人という巨大な大学であり、意思決定の仕組みも複雑だ。インタビューをする中で、何人かがその大きさゆえの柔軟性の低さにフラストレーションを示していた。また、より小さく新しい大学が次々と新しい試み(たとえば、すべてオンラインコースで修士号が獲得できるプログラムなど)に取り組む姿を見て、危機感を感じているとも話してくれた。確かに組織のサイズはマネジメントのしやすさに影響を及ぼす。巨人のハンディを補うには分権化(delegation)しかないと思うのだが....