生涯学習協議会マネジメントセミナー第2日 2/15(月)

大学附属の遠隔小中高校で、在宅学習、チャータースクール、オルタナティブスクールを支援する

タイトル:Using Virtual Schools to Support Home Study, Charter Schools, and Alternative Schools

発表者:Suzanne Logan - Associate Vice Provost, Division of Extended Learning, Texas Tech University Using Virtual Schools to Support Home Study, Charter Schools, and Alternative Schools

 Texas Tech University Independent School District はTexas Tech University附属の通信制学校で、小学校から高校までのカリキュラムを提供している。テキサス州内の在宅学習(home study)を支援するために設立されたが、現在では、チャータースクール、オルタナティブスクール、留学生、あるいは不登校の子どもなど、様々なタイプの児童・生徒に教育サービスを提供している。

 教材はほとんどがweb化されているが、従来の「通信制」型教材、すなわち印刷教材も場合によっては利用される。現在、800人以上の児童・生徒がこの学校で学んでいる。各教科につき1人の専門家、12人前後の教材開発スタッフ、12人前後の学生サービススタッフ(電話やメールで質問に答える)など、総勢50人のスタッフ。教師はすべて州内の現職教師で、パートタイム(アルバイト)として、この仕事に参加している。教師の数は200人ほど。それぞれの学校での仕事が終わった後に、家庭でこの学校の仕事(メールやディスカショングループでの指導、プロジェクトやレポートの採点など)をする。

 米国で在宅学習を選ぶ子どもの数は増加しており、現在では100万人以上いるそうだ。チャータースクールやオルタナティブスクールも増えているが、こうした教育形態の質が問題になっている。Texas Tech University附属では、インターネットを利用した教材をこうした学校に提供している。

 在宅学習に対して、友人関係や野外活動などが不足するという批判がよく聞かれるが、実際には体育の授業などもある(課題を保護者や友達と行うらしい)。普通の学校では同じ年の子どもとすごす時間が大半を示すが、この学校では自分とは違った年齢の子どもと一緒に学ぶ時間が多いという点でメリットもある。

 大学(あるいはその附属校)がインターネットを使って遠隔教育を始めるというのが、どうやら今最も注目されているらしい。大学や大学院レベルの遠隔教育はどこも手をつけているので、K-12、そして高校での遠隔教育で他の大学と差をつけようとしているようだ。

大学が運営する遠隔高校:CLASS.COM(クラス.ドット.コム)

タイトル:How a University's Distance Education Unit Is Promoting Continuous School Improvement through Its Collaborations with a Regional Accrediting Agency and State Boards of Education

発表者:James Sherwood - Associate Dean, Division of Continuing Studies, University of Nebraska-Lincoln

 ネブラスカ大学は以前から遠隔教育が盛んな大学であり、遠隔教育が独立した学部(Department of Distance Education)として設置されている。連邦政府の巨額予算(総額20億円以上)を投入したプロジェクト、CLASS.COM(「クラス.ドット.コム」と読む)が紹介された。

 CLASS.COMは、Communications, Learning, and Assessment in a Student-centered System の略語。2001年間には、これまでネブラスカ大附属校から提供されてきた通信制高校のカリキュラム(138コース)に加え、54のwebコースが開発され、提供される予定である。

 このwebコースは、単にこれまでの通信教材をweb化したものではなく、新しい技術を最大限に活かすために、完全に新しく開発されたものである。現在、いくつかのコースが公開されているので、詳しくはそちらを参照して欲しい(http://class.unl.edu)。

 これらのコースはもちろん個人レベルで受講することができるが、ネブラスカ大学では州や学区を顧客とした、大きなユニット(1000コース単位)での契約を構想している。たとえば、学区ごとに、その学区の弱点(たとえば、科学先生が足りない学区では)をCLASSから購入し、その学区の子ども全員に提供する。この場合、webの教材だけを購入してもよいし、ネブラスカ大学附属校の専任教師によるインストラクションこみで購入することもできる。こうした異なるサービスに異なる価格設定が考えられている。

 実は、このプロジェクトには上院議員と資産家(あのタイタニックを引き上げたりしている人らしい)がからんでいて、それで話がどんどん大きくなるようだ。

 CLASSやTexas Tech University附属校がインターネットを利用してよりグローバルに教育サービスを提供していくことによって、現行の「学校設置基準」の限界が明らかになってきている。アメリカにおける学校設置に関しては、“accrediation agency”という機関が認定するようになっている()これらは地域ごとに4つのエージェンシーが存在する)。こうしたエージェンシーの基準には、学校の図書館に何冊の本があるかとか、養護教員がいるかどうかとか、スクールバスが何台あるかとかなど、遠隔教育機関の評価には無関係な基準がたくさんある。そもそも、こうした基準が、教育機関の評価としてどれだけ重要だろうかという議論もあり、現在見直されている。いくつか案がだされ、検討されているが、その中に、学校改善を焦点とした基準の案があり、University of Nebraskaでは、これに対応した修士コース(M.Ed. in School Improvement)を開講しようとしているらしい。