イーストカロライナ大学(アメリカ・ノースカロライナ州)留学報告

  • 派遣大学:イーストカロライナ大学(アメリカ・ノースカロライナ州)
  • 留学期間:2010年8月~2010年12月(5か月)
  • 在籍区分:大学院

私の体験談

インターネット等メディアの発達により、海外の情報もリアルタイムで入ってくる昨今ですが、それでも実地で得られる情報にはかなわない面も大きいと思います。また、あえて日本とは違う環境に身を置き生活し、同年代の国籍の異なる友達を多く持つことはかけがえのない今後の財産になると思います。私は2010年8月から12月までの5か月アメリカのEast Carolina Universityに短期留学しました。本校はNorth Carolina州のGreenville市という、いわゆる大学町にあります。寮は、基本的に留学生はみんな同じ寮に入りますので、まずはいろいろな国からの留学生の友達ができるのではないでしょうか(私の場合は大学院コースを選んだこともあり、違う寮に入りました。ルームメイトはやはり大学院生のイラン人でした)。寮費には光熱費関係は全て含まれています。食事は大きな食堂が二つ(取り放題、食べ放題!)、加えて様々な場所に大手のチェーン店が入っています。基本的には事前にmeal planというものを購入することになります。これで、食事代が格安で1学期間保障されます。加えて、pirate bucksといって、キャンパス内のコンビニに近い食品店で専用のカードを使って購入できる、というものがセットになっており、少なくとも平日は現金を使うことはほとんどありませんでした。大きな買い物は大学から無料でtransit busが出ており、それを利用して郊外へ行っていました。運動施設も充実しており、学生は無料で使用ができます。私もバドミントン、スクワッシュ、ロックマウンテン等で利用しました。

授業のプレゼンの様子

授業は、学部コースは早い授業が朝8時から夕方まで、授業時間は50分1単位が基本で、月水金(週3)、火木(週2)のセットで行われています。私が取った大学院コースは事情が異なります。というのも、仕事を兼ねて勉強する学生がいること、ストレート院生もGAといって、日中教授のもとで助手として働く仕事をするのが普通のため、授業はオンラインか夜間になります。私の場合はオンラインが2つ、夜6時から9時までの座学が1つでした。課題やリサーチは大変でしたが、自分にとってはいい経験になりましたし、とにかくやるべきことをやっていれば何の問題もないと思います。オンライン授業も、最初は違和感を感じていましたが、毎週決められた課題を読み、英語でコメントを書き、クラスメート全員のコメントを読むことで、自分のスキルアップだけでなく、クラスメート全員の考えを毎週読み、書き込み形式で議論することで自分の見識も広がったと思います。座学ではクラスメートのアメリカ人や留学生と一緒に勉強する機会もあり、それをきっかけに友達になりました。

ECUの図書館 Joyner Library

また、ECUでは日本語の授業があり、授業を取って日本語を練習したいアメリカ人学生もかなりいます。そういう場合conversation partnerといって、こちらが英語向こうが日本語、とそれぞれスキルアップを目指して週1または週2会って半分日本語半分英語でお互い会話して教え合う、ということができます。私の場合は3人とセッションを続けましたし、これをきっかけに他のアメリカ人とも知り合いになり、夕食会、パーティー、郊外のイベント等に一緒に行きました。日本人は5~6人とそんなに多くなくみんな学部もバラバラで頻繁に会うことはないと思いますが、食事会やイベントの紹介等で連絡を取り合っていました。また、ECUにはWorld Through Our Eyesといって留学生や海外渡航経験者が地元の学校を訪問してその国の紹介をする、というプログラムがあります。私の場合は、1学期間で4校11回のプレゼンを小1~中1の生徒に行い(有給)ました。地元の無邪気で好奇心旺盛な児童との触れ合いはとても楽しいものでした。また、準備段階で日本のことをいろいろ調べることになり、母国日本のさらなる理解につながったと思います。

日曜に教会へ行った後のランチにて

勉強以外のイベントも盛んです。主にInternational Houseや地元の教会主催で各種パーティー、郊外のフェスティバル(seafood festival, state fair等)イベントの企画があり、アメリカ人学生・留学生との交流を深めることができます。もちろん個人レベルでのパーティー、日本と違い自分で企画するのが普通のバースデイパーティ等もいろいろあります。

地元の小中一貫校でのプレゼン後、食堂で児童たちと

私も実は、当初は大学での授業、研究が主目的で留学を志したのですが、今では中国、韓国、インド、パキスタン、イラン、イラク、ドイツ、フィンランド、スウェーデン、ブラジル、コスタリカ、ガーナ、カメルーン、オーストラリア等様々な国からの留学生やアメリカ人学生と知り合い、アメリカで始めたfacebookで帰国後もお互いの近況を知り、連絡を取り合っています。行先は必ずしもアメリカである必要はないと思います。是非鳴教の交換留学制度を積極的に利用して、自分の見聞を広げ、多くのものを吸収してはどうでしょうか。

ある一日のスケジュール

時間内容
7:00 起床等
8:30-11:00 部屋にて勉強
11:00- Brunch(朝食兼昼食)
12:00-15:00 図書館にて勉強
15:00-16:00 Conversation Partnerとのセッション
17:20- 夕食
18:00-21:00 授業
21:30 帰宅、入浴等
24:00 就寝

(注:大学院コースですのでかなり特殊です)

留学にかかった費用

渡航費(往復)

285,240円

生活費(1か月あたり)

計 約980ドル(単位:ドル、為替:1ドル=約83円 ※H22.10.現在)

  • 宿舎費(家賃):約2,300ドル(1学期)※光熱費込
  • 食費:1,450ドル(14 meals a week + pirate bucks:1学期)
  • 教材費:約200ドル(4冊:1学期)
  • その他:個人的雑費、旅行費、等

先輩の声!

留学前に関すること

留学の動機・目的は?
アメリカの英語教育の研究方法について学ぶこと。英語で講義を受けること。自分の英語力のスキルアップ。
いつ頃留学を決意しましたか?
大学院1年生の夏ごろだったような気がします。
留学する大学を決めた理由は?
正直、第1志望の大学が交換留学をとりやめてしまったため、残りのアメリカ3大学を考えるときにそれぞれの学部学科、履修科目等をホームページで調べ、最終的にECUを希望することに決めました。
留学前の語学スキルアップの方法は?
英語を使う場面を増やすこと(例えば、留学生対象の日本の文化や教育を教える授業への参加等)。
留学前の履修や教育実習のことなどに関してアドバイスがあればお願いします。
当たり前ですが、単位はできるだけ先に取っておいた方がいいと思います。また、本校留学生対象の日本理解授業は出るといいと思います。
留学時に必要とされた予防接種の種類・回数・費用はどうでしたか?
大学から要求された種類に血液検査の結果を照らし合わせて行いました。私の場合は、おたふくかぜ、破傷風、はしかを、2~3週間おきに3~4回打ったと思います。費用は2~3万ほどは覚悟した方がいいでしょう。とにかく、早めに済ませた方がいいと思います。
日本から持参するとよいと思われるものは?
電子辞書、日本のお土産、日本を紹介できるものや本、デジカメ、ICプレーヤー(ラジオ機能つきがbetter)、PC等(携帯は向こうで安く購入できます)。
その他,日本を出発する前にしておいたらいいことに関してアドバイスがあればお願いします。
基本的に指示通りに手続きを済ませばいいと思いますが、授業登録については早めに。たとえ、ホームページ内で、closed(定員充足)になってしまっていても、直接教授にメールでお願いすれば入れてもらえるケースもあります(私がそうでした)。また、ECUに事前に寮費と合わせて支払うmeal plan(食堂等の食費+キャンパス内で買いものもできるpiratebucksも含む)については女性であれば、最少のプランで大丈夫ですし、男性でも1日2食プランで十分だと思います。ホームページ内のmeal plan wizardで自分に合うプランを見るのもいいでしょう。

留学中に関すること

留学先で履修した科目とその履修方法は?1週間の平均授業時間数は?
勉強についてのアドバイスがあれば一緒に記入してください。
私は大学院コースで、月曜の夜6~9時のPhonology and Morphology、オンライン授業のResearch MethodとApplied Linguistics for ESL Teachersを取りました(計9単位)が、ほとんど週ごとに指示に従って課題をこなし、リサーチを行い、最後にプレゼンを行う形でした。ちなみに学部は12単位を取って、月~金まで早い授業が朝8時からで後は普通に授業があります。宿題はきついですが、とにかく期限を守ってきっちりやれば、大丈夫です。
コンピュータ・インターネットの使用環境はどうでしたか?
寮の部屋はインターネット接続ができるようになっていますし、寮の外では無線もOKです。また、いろいろな場所で学生がパソコンを自由に使え、プリントアウトも無料で可能になっています。日本語のプリントアウトもできます。日本の情報も結構リアルタイムで見ることができました。
留学中,どのようにして現地の学生と交流を深めましたか?
International Houseや教会(非クリスチャンでも大丈夫)等主催のイベントへの参加。日本語の授業を取っている生徒と、お互いの語学力アップを目指しての英語と日本語を半々使ってのセッション(conversation partner)。その他、夕食会やパーティーへの参加。
寮・下宿など住居についてどうでしたか?
毎年留学生が入る寮は変わるようです。私は、大学院コースを取っていたので、他の留学生と違う寮にいました(二人部屋で、2部屋でbathroomを共有)。他の留学生の寮は同じ階でbathroomを共有する形でした。部屋自体は結構快適でしたが、やはり二人部屋のためプライバシーはないも同然です。実は日本と逆で、off campusの方が安上がりです。
食生活についてアドバイスがあればお願いします。
まともに3食食べると、カロリー摂取が過剰になり、おそらく「太る」でしょう。私の場合は、基本的に食堂には1日2回のみでした。11時頃にbrunchとしてシリアル・牛乳・野菜・果物のみを食べ、dinnerは結構がつがつ食べ、その時に置いてあるリンゴやバナナを持って帰って、次の日朝食代わりに食べる、という食生活でした。結果、5~6キロ痩せました。
服装についてアドバイスがあればお願いします。
夏は高温多湿。冬も、アメリカ北部ほどではないにしても結構寒いです。雪はめったに降らないそうですが、私が言った年はたまたま12月に2回雪が降りました。服装は基本的にはcasualで問題ありません。
習慣の違い,マナー,対人関係,犯罪などのトラブルで注意すべきことは?
とにかく、しゃべること。犯罪は、夜遅くは一人で出歩かないよう注意が必要です。もし夜遅くまで図書館で勉強するときには電話すれば、送迎用の車を頼めるので、必ず利用すること。

留学を終えて

今後の目標,将来の夢は何ですか?
この経験を職場に戻った時に活かしたいと思います。
これから留学を希望する学生へアドバイスをお願いします!
アメリカに限らず、一定期間日本から離れて、違う習慣で暮らすのはいい経験になると思います。また、日本を見直すいい機会にもなります。アメリカ人だけでなく、他の留学生と友達になる絶好の機会とも言えます。積極的に利用してほしいと思います。

最終更新日:2011年2月3日