平成25年度ベストティーチャー賞受賞者

教育部門

所属・氏名 基礎・臨床系教育部 阪根健二 教授 阪根健二教授.JPG 
自己点検・評価書

阪根健二.pdf(113KB)

教員情報
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121604047/
選定理由及び
優れた教育手法
 阪根健二氏の専門分野は,学校教育学(学校危機管理,生徒指導)である。特に,学校危機管理は,いじめや体罰などの学校での諸問題の解消や防災教育において,昨今注目されている分野である。氏は,自らの研究成果を,教職大学院の教育に活かすだけでなく,学士教育にも広げ,教育現場の実践的指導の在り方を学内で先導している。
 氏は,教職大学院の専任教員(教職実践力高度化コース長)であるが,連合学校教育学研究科(博士課程)の「マル合」教員を兼務するとともに,本学地域連携センターの併任教員でもある。特に,本学の社会連携・地域貢献において,県内外の関係機関との連絡調整にあたり,毎年,教育・文化フォーラムの中核となり,徳島県南部地区での防災実習や香川県東かがわ市での土曜授業実習を企画したりするなど,大きな成果を上げている。
 以上,阪根氏の業績は,教員養成を専門とする本学の教育研究の中で,学校教育学の立場から,教育実践学研究と実践的指導にあたるだけでなく,社会連携・地域貢献において,大いなる成果を上げている。これらの実績を総合的に判断し,阪根健二氏を教育部門のベストティーチャーとして選定した。
受賞者のコメント  今,学校をめぐる様々な問題は,複雑化しており,その解消に困難を極めています。そうした中,これから教員を目指す学生・院生に,問題解決が図れるよう,数多くの実習を設定し,これからの教員養成に資することを念頭に取り組んでまいりました。また,教職大学院においては,学校教育に関する理論と実践の往還による現職教師の職能発達を支援する大学院を目指して尽力してきました。
 一方で,社会連携においては,地域連携センター教員として,学校のみならず,関係機関や民間との連携を図り,幅広い教育活動をめざしています。特に,南海トラフ巨大地震への備えは,喫緊の課題であり,県内外の防災・減災対策に重点を置いて活動しております。
 以上のような教育活動が評価され,本学において今回のベストティーチャー賞(教育部門)を受賞することができ,大変感謝しております。今後,学校教育においては,学校現場が求める理論と実践力の融合を橋渡しできる実践的研究をすすめ,学校教育を通した社会貢献に一層精進したいと思います。

 

研究部門

所属・氏名 自然・生活系教育部 米延仁志 准教授  米延仁志准教授.JPG
自己点検・評価書 米延仁志.pdf(102KB)
教員情報
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121603439/
選定理由及び
優れた教育手法

 米延仁志氏は,年輪年代学,古環境科学を専門分野とし,樹木年輪,湖沼年縞堆積物を用いて環境変動の歴史を明らかにする先端的研究に精力的に取り組んでいる。
 米延氏の研究チームは,最近Science誌(IF 31.027,2012年)に以下の2つの論文を発表した。
1)題名:A Complete Terrestrial Radiocarbon Record for 11.2 to 52.8 kyr B.P.共著
  2012.(邦題:11,200年~52,800年前までの完全な陸域放射性炭素年代記録)
  雑誌:Science,338(6105), pp. 370-374.
2)題名:Early Ceremonial Constructions at Ceibal, Guatemala, and the Origins of
  Lowland Maya Civilization.共著 2013.(邦題:グアテマラ共和国セイバル遺跡の初期
  祭祀建築群とマヤ低地における文明の起源)
  雑誌:Science, 340(6131), pp. 467-471.
 いずれの論文も,古環境科学や考古学を揺るがす学術的最先端を行く研究成果であり,今後の一層の発展が期待される。このような研究業績から米延仁志氏を研究部門のベストティーチャーとして選定した。

受賞者のコメント  平成21年9月から,文部科学省科学研究費新学術領域研究「環太平洋の環境文明史」の助成を受け,古代文明の盛衰と環境変動との関わりを探ってきました。時間軸に沿った現象を扱う研究では,年代測定の精度と確度が非常に重要です。例えば,地震や火山噴火などの自然史的イベントと古代国家の崩壊のような歴史的事件との因果関係は,両者の年代の順序が正しく位置づけられて初めて実証可能となるものです。一方で,この分野で最もよく用いられるC-14年代測定は残念なことに和暦や西暦といった人類史の年代とは必ずしも一致しません。この問題を解決するために,私は樹木の年輪や湖沼の年縞堆積物を使った正確な年代軸目盛りの作成に長年関わってきました。その結果,日本では過去2,000年以上にわたる年輪の標準変動パターンや福井県水月湖の年縞堆積物を使ったC-14年代の較正曲線を作成することができました。またマヤ文明や琉球の初期農耕などの考古編年に協力して,新しい成果を出すことができました。これらは,多数の研究者が国際的な共同研究の枠組みを維持して,必死に努力したことで得られたものです。今後もこうした研究に貢献できたらと考えています。
最終更新日:2013年10月1日

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